オーストラリア大使館を出て、麻布十番駅から地下鉄で溜池山王へ。地上へ出ると、なにやら辺りが暗くなっている。ひんやりとした風が吹いてきて、だんだん強まってきているようだ。しばらく歩いていると、左手にローソンが見えてきて、その先に交差点が。そのローソンには、雑誌コーナーの代わりにカウンターが設置してあった。客が店内で、外を見ながら軽食がとれるようになっている珍しい店舗。。そこから交差点に向かって歩いているうちに、雨粒がひとつ、頬にあたった。
こいつはやばい。
「確か今日は上空は寒気移流、下層には南から湿った暖かい空気が入ってきており、不安定な場だったはず。このヒンヤリした風は積乱雲からのダウンバーストの端っこかもしれない。落下する雨粒に引きずられて下降した空気が、気化熱で冷やされて重くなりさらに落下速度を速めるあれだ。どうする、このまま航空局までいっちゃうか?だがこの感じだと歩いているうちに土砂降りになる可能性が高い。今日は5月の初めだ。積乱雲がマルチセルになるほど水蒸気の供給はないだろう、ということは単発のにわか雨だ、長くても30分とみた。」(はいはい。)
横断歩道の信号が青に変わった瞬間、一人だけ反対向きに歩き出して、急ぎさっきのローソンへ。戻っている途中もぽつぽつと雨足が強まってくる。店に入ってサンドイッチを買って外を見ると、、、
土砂降りだ。。。あぶねーあぶねー。
サラリーマンの人たちがあわてて駆け込んでくる。コンビニで昼飯を買って出ようとした人が、傘を持っていないらしく、温めた弁当を持って苦笑いしながら仲間と立ちすくんでいる。だが、皆しばらく外を見た後、意を決して出て行く。昼休みならカウンターで飯食ってから帰ればいいのに。。。
実際、サンドイッチを食べ終わる頃には雨はやんでいた。うーむ、持つべきものは、知識よのー。(うわーやなやつ)コンビニを出、交差点で警備をしている警察官に航空局はどこですか、と聞きながら行くのだが、彼らは警視庁の位置しか知らないらしい。よくみると、皆私と同じ位の年齢だ。もう社会機能の基盤をなす年齢になったんだな、と勝手に暗い気持ちになりながら向かった先は。
どーん。航空局は、国交省の中にあるんだ。ふーん、まぁ当たり前か。ライセンスの申請に来ましたと門のところで言うと、身分証明書を見せろという。ちょうどパスポートを持っていたので、それを渡そうとしたら受け取らずに、「名前の書いてあるところを開いて見せてください。」と。おぉ、プロだな。
入館証を首から提げ、エレベータで上まで行く。たしか運行安全ナンチャラ課だったな、とあたりを見回し、たどり着いた先は、だだっ広い雑然とした、まるでテレビドラマに出てくる出版会社の雑誌編集部みたいな雰囲気の部屋だ。近くの女の人にスミマセン、ライセンスの申請に来ました、というと、人を呼んできてくれた。
自家用の切替に来ましたというのだが何かおかしい、話がかみ合わない。海外でライセンスを取ってきたので、それを日本の自家用に変更したいんです、と改めて説明すると、
「あぁ、それは地方航空局、九段下にある東京航空局ですよ。」
。。。。
は?東京航空局って東京にある航空局じゃないの?!?

オーオーCbが発達しとるねー。んー。
確かに昔、封筒に九段下って書いた気がする。。。前日に適当にググって電車調べたら霞ヶ関が出てきたので何も考えずにそのまま、航空局の本部にきてしまいました、なにが持つべきものは知識だ、アホか私は。orz
幸い、九段下ならここからそんなに遠くない。意気消沈してたどり着いた先が、

クラーイ九段下の第二庁舎。以下、これから書き換えする人向けに、書き換えにあたっての参考情報を箇条書きで置いておきます。(「参考」情報です。確認は各自の責任においてなさってください。)
・記入ミスが怖くて持ち込んでも、ログブックの精査は結局コピーしたあとでやられる。
・そのため、ミスがあった場合は12階から地下一階のコピー機の間を何往復もすることに。(訂正印の捺印も必要。)
・特に見られるのは、出発時間と到着時間が飛行時間とあっているかどうか(例 20:36-21:38で1:02だが、たまに凡ミスで1:01などになっていないか)Nightの時間、PPLフライトテスト、単独飛行(
機長時間ではなく)での270kmクロカン(NZの人はPPLクロカン3のCH-TU-AS-CHで274km強。)等。
・フライトテストは機長時間だが、サインは試験官でいいの?と聞いたら、腕組みして「ヴーん」などと唸りはじめたので「隣に自分のサイン併記しときます」とたたみかけ。笑
・NZの人は、自分のCAAのライセンス情報を外国の航空当局(この場合は日本)に送ってもらうためのCAA専用フォームに記入しなければならない。コンバージョンに関する新しいルールができたらしい。具体的には
form602のverification reportに、航空当局の宛先を記入するのだが、日本は白紙で提出。(NZ側のルールなので、日本以外の免許に換える場合にも同じ書類。実際、AUSのコンバージョンにもあり、こちらにはCASAの宛先を記入した(TAKAが調べた。)たまたまAUSのコンバージョンをやっていたので気づいたが、日本の航空局はこの点についてよくわかっていないようだ。パスポートのコピーを付けるんですよね、と聞いたら「付けたければ付けたらいいんじゃないですか。」だって。)
・おすすめ参考ページ:
スカイテック 海外航空ライセンス切替 申請方法
なんとか、無事に受け取ってくれました。JCABのログブック見るたびに憂鬱になっていたが、これでやっと終わった。免許の発行には2−3ヶ月かかるらしい。長いな。。。
【番外編】せっかく航空局の本部に乗り込んだので、いろいろ質問してきました。
Q1. 私が持っているニュージーランドのCPLやMEIRをそのまま日本の事業用操縦士や計器飛行証明に書き換えできないのは、法律のどこにも書いていないんですけど、それはどこに書いてあるんですか??
A1.法律ではなく、通達という形で書いてあります。
国際民間航空条約の締約国たる外国の政府が授与した航空業務等の技能に係る資格証書を有する者に対する取扱い(←pdfファイルで開きます。以下の通達も同じ。)に、自家用操縦士以外は試験の「一部を」免除すると書いてあり、具体的には、
国際民間航空条約の締約国たる外国の政府の授与した航空業務等の技能に係る資格証書を有する者のうち操縦士の資格証書を有する者に行う実地試験についてに、どの科目を免除するかが書いてあります。
免除されない科目については、先回の記事でも取り上げた航空法施行規則の
別表第三にもともとやらなければいけない科目があるので、免除科目以外でこの表に載っているものについて、事業用操縦士や計器飛行証明、さらに言えば定期運送用操縦士も試験が必要です。
Q.2 海外のパイロットが日本の航空会社に雇われて飛ぶ場合は、免許の切替は同じようにするんですか。
A.2 その通りです。
Q.3 ということは、外国人でCPLで飛んでいたコーパイが事業用で日本で飛ぼうとしたら、わざわざバカ高い航法計算盤 AN-2型 フライトコンピューター
を買って測風しながら、左の翼の真下ではなく、飛行機の中心の真下に発動点がくるように注意しながら野外飛行の試験をするってわけですか。
これは聞けなかったが(笑)ひとつ憶測をしてみよう。
あるパイロット派遣会社のサイトでは、海外から派遣パイロットを受け入れる場合はCPLで募集せず、エアライン機長の資格であるATPLを持っていることを条件にしている。コーパイなのになぜ??
航空法施行規則第四十六条の二 には、「国土交通大臣は、別表第三に掲げる科目について実地試験を行う場合には、その全部又は一部を模擬飛行装置又は飛行訓練装置を使用して行うことができる。」とある。
上記A.1の通達によると、外国の免許をもっている者がやらなければいけない科目の中で、CPLとATPLの最大の違いは、野外飛行がないことだ。野外飛行には、実機試験が必要。つまり、ATPLならSIMと法規の学科合格だけで日本のATPLを授けることが、理論上可能。。。ということは、、、なんじゃないかなー。
(それにしてもコーパイ1年目で月収11,288ドルか。。。767の経験はなくていいらしい。)
上記で紹介した通達は、国交省の
告示・通達データベースシステムで見られます。