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     2023.10.29 Sunday

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     2012.05.13 Sunday
先週は、天気予報で「大気の状態が不安定」という言葉がよく使われていた。あのフレーズで、気象に興味のない人が空模様をイメージするのは難しいのではないだろうか。そこで、今回はこのフレーズに対する解説を自分なりに試みて見たい。

大気の状態が不安定というのは、簡単に言えば「雲が発達しやすい」状態を作ることだ。

例えば、巨大な風船につかまって上空10000メートルまでふわふわと登っていくとしよう。上空に寒気が入り込むと、風船が上昇していくにつれ辺りの気温が急激に下がり、ものすごく寒くなる。(真冬では、-40℃以下にもなる。)


うわぁもう町があんなに!

昇っていくうちに、自分の吐く息が白くなっていることに気が付く。周りが寒くなるにつれ、それまで見えなかった息の中の水分が目に見えるようになるためだ。もし風船ではなく、自分自身が空気で出来た透明人間だったとすると、もはや自分は透明ではいられない。全身が真っ白の雲人間になってしまうだろう。ここで、雲人間となった自分は、なにやら不思議なことに気が付く。



体が、どんどん軽くなっているのだ。

軽くなるにつれて、上にのぼる速さも速くなる。自分も気体なので、圧力が下がって少しずつ体温が下がっているのだが、周りの気温の変化はそれをはるかに上回る勢いで急激に寒くなっている。自分が相対的に暖かくなるので、何もしなくても浮力が生まれてどんどん上にのぼっていく。自分の中に含まれていた湿気が次々と姿を現し、自分の周りを包み、それが毛布のように自分を包む。自分が巨大化していくのが分かる。周りと自分の気温差は拡大するのでさらに加速、さらに巨大化、さらに加速、さらに、、、、






こんなかんじですか。


こうして出来るのが、積乱雲だ。(ほんとかよ)



さて、地上にいた透明人間がタコ入道にまで成長するかどうかは、今述べた「上空に行くにつれて周りが自分よりすごい勢いで冷たくなっていく」という状態(不安定「場」)がひとつ。だが、これはお膳立てに過ぎない。実際、天気予報で不安定不安定と言われている割に、何も起こらなかった、というところもあった。それは、地上にいた透明人間が、そもそもジャンプしたかどうかにかかっているのだ。


ジャンプしたひとたちの群れ。

透明人間は、地上で寝ていれば勝手に雲になるわけではない。山に登ったり、二人でぶつかり合った反動を利用したりして、まずは「ひとりでに上昇できるほど寒い」ところに行くまで、自分を持ち上げなければならない。まぁ、上に行くほど温度が高くなっていたり(逆転層)寒くなり具合が緩やかだったりすれば、上に行くに従い自分のほうが冷たくなってしまうので、いくらジャンプしてもまた下に落ちてしまう。でも、ジャンプしなかったら上空がいくら不安定でも、積乱雲は生まれない。



山を登りきったひとたち。


地表のでこぼこや、風の収束具合でジャンプするやつと寝たままのやつがころころ態度を変えるので、積乱雲の発達、それに伴う竜巻や雷雨は予測がつきにくいのである。我々にできることは「上空に寒気が」という天気予報を聞いたときに、用心することだけだ。空が暗くなってヒンヤリとした風が吹いてきたら、いけるところまでいって巨大化しきった雲人間が空から雨となって落ちてくる前兆だ。そういうときは、さっさと屋内に避難しましょう。








ねぇあなた大丈夫なのそんな白くなって。





     2011.01.30 Sunday
CPLの学科試験が近づいてきている。今回はAIR TECH。エンジンや燃料・電気系統やフレームの話。授業を聞くのはいい。楽しい。だがテストとなると。。。笑



日曜も学校のカフェでこつこつやるか。飛行機を眺めながら、、、



B3がRWY29をロケットのように離陸していくと、よくわからないがうれしくなる。



「あ、弁当忘れた。」なんちって。




最近は同期4人で集まってWEATHER BRIEFINGの練習をしている。朝一の天気を取って、分析して、午後の授業が始まる前にもう一度TAFを見て、17時からのフライトにあわせて結論を出す。寒いだの眠いだのぶつぶつ言いながらもそれなりに楽しくやっている。

VFR下で飛ぶ今の私達に重要な天気の情報は、なんといっても雲と風だ。サーキットにしても、エアワークにしても、とにかく雲の中に入ってはいけないので、低い雲が出てくると飛べなくなってしまう。風は言わずもがな。強い風は怖い。特にWESTERLYといって、西側から山を越えてくる風は、山の風下側でぐるぐると渦を巻き、小型機を翻弄する。

先週月曜、1月24日の天気図はこうだった。(見づらくてすません。)



CHCHがある場所は南島の東側、ちょうど御前崎のように飛び出している部分である。関東平野のようにプレーンな平地が広がっていて、エリアの名称もPL(PLAIN)と呼ばれている。一番目立つのは、北島に低気圧があることと、PLエリア付近の等圧線の幅が広いこと。さては、北島で風が強く、南島で弱いんじゃないか!?で、こいつを見る。



SIGMETは、飛行に何らかの危害を加えると考えられるような気象情報。(基本的に4時間有効で3時間ごとに見直し。)
AREA FORCASTは、地域別の比較的広い範囲の傾向をリスティングしている情報だ。通称アーフォー。阿呆ではない。

これをみると、SIGMETがたくさん出てて、阿呆によると全体的に南よりの風、STという南島の上のほう(北島のほう)は35KT以上あるぞ。PLはどうかな。。。



PLを含めたほかの地域は大体5-10KTといったところだ。天気図からの情報と一致する。


さらにエリアを絞り込んで、NZCH(CHの空港)の情報を見てみよう。AERODROME FORCASTS(TAF)という予報を見ると、それがわかる。空港ごとに天気を予想している。



BECMG 2404/2406 08010KT という数字に着目。阿呆では全体的に南寄り(170-190)だった風が、080と風向きがぐるりと変わっている!!こいつに表示されている時間はUTC(世界標準時)なので、NZDTでは24日4時=24日の17時となる。つまり「月曜の夕方5時から7時にかけて北東の風に変わります。」といっている。この理由はなんだろう。で、もう一度天気図に戻る。



いろいろ変わってますが。笑

上から順に見てみると、TASMAN SEAにある1012hPa高気圧が東に移動しながら南島にかぶってきている。一番下は24日の25時、つまり25日の深夜1時の図である。「24日は、東から高気圧がかぶってくる」という傾向が見える。南半球では高気圧はANTI CYCLONEと呼ばれ、反時計回りに風が吹き出す。この風が低気圧に向かって吹き込んでいく際、一部が南から突き出ている等圧線(地形を反映している)を回り込んでPLエリアに吹き込む結果、NEの風になる。。。

のか!?! ・・・結局GOですか、NOGOですか??

GOです。

風:風向きは変わる可能性はあるが、風速が弱い、WESTERLYではないのでひどい乱気流になるとも考えにくい。
雲:ARFORでPLでBKN900FTが出ているが、TAFではSCT4000FT、同じPLに含まれるNZTUに低い雲が予想されており、ARFORの低い雲(BKN900)はCHよりも南の地域のことだと結論する。

さーどーなったかなー。つづく。



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2010パイロット訓練
2013インストラクター
2018エアライン

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