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2012.10.04 Thursday
本編は、今年4月18日に書いた揚力の発生原因について書いた記事を書き直したものだ。当時は結論が出ていなかったが、少し理解が深まったので、懲りずに加筆修正して再掲する。私も勉強中の身である。間違っているところが合ったら、ご指摘を。まずは前回の記事を引用した上で、加筆部分を下にまとめた。引用部は長いので読まなくてもいいかも。(っていうかこれ誰が読むんだろう。。。笑)
とまぁここまでが(なげーよ!)前回の内容だ。これでも修正して短くした方だ。このときは文献を読んでいろいろな説明があることがわかって吸収しきれずに結論まで出なかったが、半年間寝かせると知識も何かが変質するらしい。何となく結論が出た。正直、これパイロットとしてはやり過ぎなんじゃないのって。(笑)ここまでやらなくても飛行機は飛ばせる。でも、翼の形が揚力の源泉ではなく、それは仰角をつけた板だという点は知っておいた方がいい。背面飛行を説明するのに必要だから。ではいってみよう。
完全流体中に置かれた二次元円柱まわりの一様流と循環流を重ね合わせた状態(←クリックで図解)に揚力が発生することを説明するのは、ベルヌーイの定理だ。前述のWikipediaの「ノート」という検証意見にもあるように、流線曲率の定理はそのもう一つの見方に過ぎない。どっちの見方も出来る。ここでのポイントは、循環が所与だということだ。どうやって循環を作り出せるのかということを説明しているのではない。「もし」一様流と循環流を重ね合わせた状態を再現することができれば、その真ん中にある物体に揚力が生じますよ、というのを解析的に記述しているということだ。
そして、翼という機械要素がそれを実現したというのが重要だった。考える順番が逆だった。翼が定常流と見なせる空気中を仰角を持った状態で前進することで、それと同じ状態を作り出している(←クリックで図解)。何も回転していないのに、だ。ここがすごいところで、普通循環を作り出すには物体が回転して摩擦で周りの空気を引きずり回すことでやっと回転する流れを作ることが出来るはずなのに、それがどうだい、翼ときたらただ前にススムだけでそれを実現してしまうというのだ。ここが驚きポイントなのだ。
よく混同されるのは、翼の形がかまぼこのように上に凸の形をしているから、翼の上のほうが速く流れて、圧力が下がって、、、というふうに説明されるいわゆる「同着の原理」だ。ここにベルヌーイの定理を応用して揚力発生の根本原因として説明されることが多い。でも翼の形が生み出す程度の速度差が生み出す翼の上下の圧力差は、飛行機を浮かべるのには到底足りない。だから、同着の原理が間違いであることは間違いない(笑)が、それをもってベルヌーイの定理を否定するのは完全にお門違い。実際に翼の上下の流速を測定すると、上の方が遥かに速いらしい。つまり、翼がどうしてそんな速度差、ひいては圧力差を生み出すことができるのか、というのが論点なのであって、その答えが見つかった後はベルヌーイだろうが流線だろうがどっちでもいいのだ。
いただいた批判によると、その論点の結論が「基本中の基本」たる「コアンダ効果」ということらしいが、前述したとおり、私はその主張を裏付ける根拠を見つけることが出来なかった。コアンダ効果が「基本中の基本」かどうかは私にはよくわからないが、少なくとも私が読んだ流体力学の教科書の翼理論の説明には、そんなものはなかった。ということで、私はその教科書にそった理論を「基本中の基本」として現時点では理解することにした。
ちなみに前回の記事にも書いたこの本、パイロットやるなら流体力学の教科書よりこちらの方がいいかもしれない。この本はわかりやすい。循環のところも平易に説明されている。
これが今の私の理解。反論は歓迎します。
[前回の記事:一部修正ここから]
大昔の人の、飛ぶことに対する変態級の情熱!
先日書いた揚力の話について、コメント欄で「大学で流体力学を学び、今はエアラインで飛んでいる」と言われる方から再度勉強し直した方が良いとの批判を頂戴した。おかげで金曜の夜から週末まで、本を読んだりネット上の文献にあたったりと全部流体力学でつぶれてしまったぜ、ちきしょー!私の休みはどこに、、、orz
いいことがなかったわけではない。それは、たくさん勉強したので知らなかったことを知ることができたのと、この素晴らしいサイトにたどり着くことができたということだ。ブログに受けた批判への悔しさから、自分でまいた種だと始めた勉強だったが、その種はすばらしい機会をもたらしてくれた。揚力発生の根本原理への理解が深まったことと、上記のサイトで大昔の人たちの、空を飛ぶ機械をつくるんだ!という変態的な情熱を目の当たりにしたことだ。ということで、以降は興味のある人だけお付き合いを。
さて、
先日の私の記事に対する批判は、飛行機が翼で発生する渦(これは翼の上部の気流を加速させるようにはたらく)の中にいることで飛んでいる、という記述に対し、「翼の上の気体の速度は関係ありませんよ、むしろ翼の上面の圧力と翼の下面の圧力(動圧)の差だけです。基本中の基本、流線曲率の定理(併せてコアンダ効果も)から再度勉強し直した方が良いと思います。」というものだった。なるほど確かに基本中の基本は大事である。ということで、まずは流体力学の教科書を開いた。いつも立ち寄る本屋にあったのは、これだった。
・・・私が書いたことは、そんなに間違っていないんじゃないかと思った。この記事の一番下に教科書に書いてあったことを要約してみたので、興味があれば参照していただきたい。まぁ読んでいる人の大半がいやになるだろうから、記事とは分離した。色々と文献を読みあさり、さらに流体力学の教科書を読み、インターネットにも当たったところ、揚力の発生原理に関しては、いろいろな方向から議論している状況を知った。下記は一例である。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1320497048
http://soudan1.biglobe.ne.jp/qa4910579.html
揚力:ウィキペディア
要点をまとめてみると、
・べルヌーイの定理を揚力の説明に適用するのはありかなしか。
・翼によって空気が受けた運動量の変化の反作用と考えられるか。
・揚力は、循環の結果と考えるか。
・揚力は、流線曲率の定理とコアンダ効果によるものか。
という感じ。
ベルヌーイの定理を揚力の説明に適用するのが正しいかどうかは、ベルヌーイの定理が完全流体を前提にしているのに、圧縮生流体である空気に適用するのはおかしいという人もいれば、実在流体に対応する「一般化した」ベルヌーイの定理だってあるぞ、というような意見も。
↑この本のように、実際は空気や水でも十分完全流体を前提としたベルヌーイの定理が適用できるという文献もある。(2500円もしたぞ!)
また、流線曲率の定理については、私は知らなかったし、先ほどの教科書にも書かれていなかったが、以下の文献に記述があった。
●なぜ翼に揚力が発生するか?-ベルヌーイの定理か流線曲率の定理か- 高木正平
流線曲率の定理のウィキペディアのページには、「ベルヌーイの定理は、回転するボールや翼形断面などのように流線が流れの中の対象物周りで分かれている場合の説明としては全く不適当」という立場から、揚力を流線曲率の定理で説明しているが、これに対する「ノート」という検証意見には、「翼やマグナス力の議論において、流れは「渦なし流れ」として議論されています。 渦なし流れにおけるベルヌーイの定理では、異なる流線上の2点に対して圧力比較が可能です。」と、翼の周りの圧力を考えるのに流線曲率の定理でも、一定の条件を満たせばベルヌーイの定理でも説明が可能という指摘がある。要は、色々な説明の仕方があるってことですかね。
ところで、David Andersonという人の「A Physical Description of Flight」(日本語訳、 さらにその要約)
では、コアンダ効果によって曲げられた流体の運動量を揚力の発生の根本原理とする旨が書かれている。この人は、揚力を説明する為にベルヌーイの定理を用いることを否定して、その代わりにコアンダ効果を提唱したことで有名なようだ。ただし、これはその運動量が実際に必要な揚力に足りないということで、否定されていると聞いたがその「否定文献」を見つけることはできなかった。
さらにいうと(まだあんのか)渦理論を計算のための一時的な完全流体への置き換えと見ず、Diffusion(渦拡散)という考えで、実際に翼全体が渦に包まれていると主張する論文もあった。
THE COANDA EFFECT AND LIFT Terry Day
この論文では、コアンダ効果を一般の翼回りに発生する流れに適用するのは間違っているとある。コアンダ効果は、噴流(ノズルから吹き出すジェット)ではないと適用できないらしい。この論文はパラグラフごとのつながりがちょっとわかりづらく(私の英語力の不足もあろうが)結論の理解度は70%くらい。
金土日月と時間を潰してなんだかよくわからない。でもいつかわかるかなと文献のデータベースとしてこの記事を書いている。笑 そんなとき、例のサイトにたどり着いた。
流体力学の教科書は、大昔の人が苦労して試行錯誤して積み上げて来たものを実験から得られたものと理論から導かれたものの区別なしに整然と並べたものだったので、章立てはよどみなく進むが、どこか唐突な気がして頭が渦を巻いていたが、こちらのサイトの並びは、先人たちの苦悩とワクワクが乱流のようにぐるぐると渦巻いていた。それをひとつひとつトレースしながら進むことによって、難しそうに見えた理論がスッと入ってきて、まるで台風の目の中に入ったようだった。
書いてよかった。
【教科書の要約】
私の解釈では、この本では以下のような流れで翼理論にたどり着いている。
まず流体の質量保存測とベルヌーイの定理により、同一流線上の流体にエネルギーの保存則が成り立つことを示す。
その後、定常流の中に置かれた物体とその周りを流れる流体の間に運動量の保存則が働くことが記される。
そして、完全流体から徐々に実在流体の性質である粘性や渦を考えるようになり、レイノルズ数が紹介される。
渦が出てきたところで循環の理論が始まる。ヘルムホルツという人の渦に関する法則を5つくらい列挙した後に、
渦を、それを囲む閉曲線周りに積分した循環という概念を持ち込み、完全流体に一度戻る。
完全流体に戻って重ね合わせの原理から揚力が発生している二次元円柱周りの流れを考える。(クッタ・ジューコフスキーの定理)
それと同じことが翼にも起こっているはずだ!!という想定の元で上記の円柱の理論を翼に応用する。
つまり、完全流体でのダランベールの背理をクッタの条件で粘性を持った実在流体の翼周りの流れに合わせて
その条件の下で円柱周りの揚力を計算できるようにする。ここまでで、揚力の解析的な記述が終わったことになる。
ではなぜ循環が発生するのかという問いに対しては、ヘルムホルツの法則の第一「渦は不生不滅」より、
翼の周りに発生する循環とは逆回りの渦が放出(出発渦)されるとし、
第二法則からその渦はつながっていなければならないこととなり、馬蹄渦となって、
私が書いた「飛行機は渦の中にいるから飛んでいるのだ。」という状態になる。
[前回の記事ここまで]
とまぁここまでが(なげーよ!)前回の内容だ。これでも修正して短くした方だ。このときは文献を読んでいろいろな説明があることがわかって吸収しきれずに結論まで出なかったが、半年間寝かせると知識も何かが変質するらしい。何となく結論が出た。正直、これパイロットとしてはやり過ぎなんじゃないのって。(笑)ここまでやらなくても飛行機は飛ばせる。でも、翼の形が揚力の源泉ではなく、それは仰角をつけた板だという点は知っておいた方がいい。背面飛行を説明するのに必要だから。ではいってみよう。
完全流体中に置かれた二次元円柱まわりの一様流と循環流を重ね合わせた状態(←クリックで図解)に揚力が発生することを説明するのは、ベルヌーイの定理だ。前述のWikipediaの「ノート」という検証意見にもあるように、流線曲率の定理はそのもう一つの見方に過ぎない。どっちの見方も出来る。ここでのポイントは、循環が所与だということだ。どうやって循環を作り出せるのかということを説明しているのではない。「もし」一様流と循環流を重ね合わせた状態を再現することができれば、その真ん中にある物体に揚力が生じますよ、というのを解析的に記述しているということだ。
そして、翼という機械要素がそれを実現したというのが重要だった。考える順番が逆だった。翼が定常流と見なせる空気中を仰角を持った状態で前進することで、それと同じ状態を作り出している(←クリックで図解)。何も回転していないのに、だ。ここがすごいところで、普通循環を作り出すには物体が回転して摩擦で周りの空気を引きずり回すことでやっと回転する流れを作ることが出来るはずなのに、それがどうだい、翼ときたらただ前にススムだけでそれを実現してしまうというのだ。ここが驚きポイントなのだ。
よく混同されるのは、翼の形がかまぼこのように上に凸の形をしているから、翼の上のほうが速く流れて、圧力が下がって、、、というふうに説明されるいわゆる「同着の原理」だ。ここにベルヌーイの定理を応用して揚力発生の根本原因として説明されることが多い。でも翼の形が生み出す程度の速度差が生み出す翼の上下の圧力差は、飛行機を浮かべるのには到底足りない。だから、同着の原理が間違いであることは間違いない(笑)が、それをもってベルヌーイの定理を否定するのは完全にお門違い。実際に翼の上下の流速を測定すると、上の方が遥かに速いらしい。つまり、翼がどうしてそんな速度差、ひいては圧力差を生み出すことができるのか、というのが論点なのであって、その答えが見つかった後はベルヌーイだろうが流線だろうがどっちでもいいのだ。
いただいた批判によると、その論点の結論が「基本中の基本」たる「コアンダ効果」ということらしいが、前述したとおり、私はその主張を裏付ける根拠を見つけることが出来なかった。コアンダ効果が「基本中の基本」かどうかは私にはよくわからないが、少なくとも私が読んだ流体力学の教科書の翼理論の説明には、そんなものはなかった。ということで、私はその教科書にそった理論を「基本中の基本」として現時点では理解することにした。
ちなみに前回の記事にも書いたこの本、パイロットやるなら流体力学の教科書よりこちらの方がいいかもしれない。この本はわかりやすい。循環のところも平易に説明されている。
これが今の私の理解。反論は歓迎します。
2012.04.09 Monday
と、反抗期の少年がわめきだしたら、
「君がパイロットになったらどうするんだ、ファイナルの偏流修正角を出すときに使うんだよ。」
と諭してあげましょう。つまり、こういう状況です。
北(360°)を向いている滑走路にアプローチしているときに、左から風が吹いてくるとする。吹いてくる方向は300°から10kt(管制官やATISがレポートしてくれる。)こういうときに、もし機首を360°(滑走路と平行)に向けてまっすぐ突っ込んでいったら、右側に流されていってしまうのは分かるだろう。
そこまではいかなくても、滑走路の真ん中にあるCentre lineから外れてしまうかもしれない。Centre lineは伊達で引いてあるのではない、ここに接地すれば、A380だって翼のどこにも障害物は当たりませんよ、という目印なのだ。逆を言えば、ここに沿っていなければ、翼端に何かを引っ掛けても知りませんよ、ということだ。絶対にAlignさせなければならない。
さて、じゃぁ何度向ければ良いのだろうか。ここで三角関数が役に立つのだ。
この図から、横風成分が 9ktであることが分かる。ちなみに、式には近似がいくつか入っている。これを知っていても上空で筆算するわけには行かないので、ショートカットを覚えておく。風が斜め60°から吹いていたら、9掛けにすればいい。つまり、1割引。では、30°だったら?60°だったら?あとは応用だ。(どうだ!社会でも使うぞ!!かつての私め!!まじめに勉強しとけ!!)
でも、横風成分が分かっても、まだ「何度機首を振れば良いのか」という情報にはなっていない。これを解決するためには、もうひとつ工夫が必要だ。それがこれ。
1 in 60 rule である。別名 6度1割の法則。半径が60nm(kmでもmでもなんでもいいけど)円の中に、1度という極端に細い扇形を考えると、扇形の外周の長さは1nmになる。これが、扇形の角度の1°と対応する。
底辺が60nmの直角三角形は、図のように角度と対辺が一致する。つまり、辺の長さが分かると、角度が分かる。これを先ほどの横風に当てはめれば、、、
めでたく、9度と分かるわけです。60ktはセスナの一般的なApproach speedである。ちょうどよく作ってあるもんだ。つまり、「60ktで飛んでいる飛行機は、横風と同じだけ機首を振り向ければ、適切なWCAがとれる」ということ。じゃぁ、120ktだったら?180ktだったら??
どうです、学校で習ったことは、ちゃんと社会に活きるんですよ、ってか。
(この内容は、座談会のときに喫茶店で先輩に軽く教わった内容を私自身が編集しなおしたものです。H中さん、ありがとうございました!)
「君がパイロットになったらどうするんだ、ファイナルの偏流修正角を出すときに使うんだよ。」
と諭してあげましょう。つまり、こういう状況です。
北(360°)を向いている滑走路にアプローチしているときに、左から風が吹いてくるとする。吹いてくる方向は300°から10kt(管制官やATISがレポートしてくれる。)こういうときに、もし機首を360°(滑走路と平行)に向けてまっすぐ突っ込んでいったら、右側に流されていってしまうのは分かるだろう。
そこまではいかなくても、滑走路の真ん中にあるCentre lineから外れてしまうかもしれない。Centre lineは伊達で引いてあるのではない、ここに接地すれば、A380だって翼のどこにも障害物は当たりませんよ、という目印なのだ。逆を言えば、ここに沿っていなければ、翼端に何かを引っ掛けても知りませんよ、ということだ。絶対にAlignさせなければならない。
さて、じゃぁ何度向ければ良いのだろうか。ここで三角関数が役に立つのだ。
この図から、横風成分が 9ktであることが分かる。ちなみに、式には近似がいくつか入っている。これを知っていても上空で筆算するわけには行かないので、ショートカットを覚えておく。風が斜め60°から吹いていたら、9掛けにすればいい。つまり、1割引。では、30°だったら?60°だったら?あとは応用だ。(どうだ!社会でも使うぞ!!かつての私め!!まじめに勉強しとけ!!)
でも、横風成分が分かっても、まだ「何度機首を振れば良いのか」という情報にはなっていない。これを解決するためには、もうひとつ工夫が必要だ。それがこれ。
1 in 60 rule である。別名 6度1割の法則。半径が60nm(kmでもmでもなんでもいいけど)円の中に、1度という極端に細い扇形を考えると、扇形の外周の長さは1nmになる。これが、扇形の角度の1°と対応する。
底辺が60nmの直角三角形は、図のように角度と対辺が一致する。つまり、辺の長さが分かると、角度が分かる。これを先ほどの横風に当てはめれば、、、
めでたく、9度と分かるわけです。60ktはセスナの一般的なApproach speedである。ちょうどよく作ってあるもんだ。つまり、「60ktで飛んでいる飛行機は、横風と同じだけ機首を振り向ければ、適切なWCAがとれる」ということ。じゃぁ、120ktだったら?180ktだったら??
どうです、学校で習ったことは、ちゃんと社会に活きるんですよ、ってか。
(この内容は、座談会のときに喫茶店で先輩に軽く教わった内容を私自身が編集しなおしたものです。H中さん、ありがとうございました!)
2012.04.06 Friday
その秘密はこれだ!!
【飛行機を支える力。。。んなこた!! ごめんRyo...笑】
よく、飛行機が飛ぶのは翼が上に向かって凸形状をしていて、これに空気の流れが当たると翼の上面には丸みがある分上面に回った空気は下面より速く流れなければならないから流速の早い上面の気圧が下がり、揚力が発生するため、と説明されるが、これは誤りだ。なぜなら、これでは背面飛行はできないことになるから。 コメント指摘いただきました!勉強しなおした結果。下記の青文字の部分も同様。
【こんなことも出来ないわけです。バレルロールからハンマーヘッド、でちょっと失敗。KUNIさん載せてすません。。。笑】
誤りというか、揚力が発生する根本的な理由を説明していない。翼の上面の丸みは、そうしたほうが効率よく上面の空気を加速できるという、ただの工夫だ。実際に対象翼といって上下が線対称の翼も存在する。翼が揚力を生むのは、Angle of Attack(仰角)により渦が発生するからだ。一定のAngle of Attackを保持した翼を回り込んだ渦は、翼の上面の気流を加速させるようにはたらき、また、飛行機が浮いた瞬間から自分の後ろに自分とは反対向きの渦を次々と発生させる。飛行機はその渦の道(航跡)の中にいるから、空中に浮いていられるのだ。参考サイト
このように飛ぶためには渦がなくてはならないものなのだが、実際の運航ではこの渦が仇になることもある。そのひとつが、Wake turbulenceだ。Wakeは航跡と訳せる。航跡によるタービュランス。翼が本来的に渦発生器であるために発生してしまう乱気流だ。
特に、低速で重い飛行機が飛んでいるときの渦が一番強力で、それはつまり大型機の着陸や離陸時が当てはまる。POFという学科で何気に習った知識だが、実際の運航では管制官が先行機との間隔をとってくれたりする(ただし、Wake turbulenceの回避判断は、最終的にはパイロットの責任。)ので、実際に空港で遭遇することはほとんどなくその危険性を実感しづらい。
【成功したHammer headも載せとかないと、、、笑】
だが、CPLでMAX Rate turnという科目を練習していたときに、その恐ろしさを肌で感じた。要はその飛行機の、MAXの急旋回だ。失速警報をならしながら、フルパワーで60度バンクで曲がっている。練習していくうちにだんだんうまく出来るようになり、VSIが動かないのを見てニヤニヤしていると突然、巨大な濡れた雑巾で飛行機を思い切りぶん殴られたような衝撃音とともにバンクが瞬間的に深まり、頭の上に地面が見える。
自分のWake turbulenceに入ったのだ。
最初、これにはびっくりしてニヤニヤしていた口元が凍りついた。気持ちよく安定していた飛行機が突然内側にひっくり返ろうとする。ワケが分からなかったが、操縦桿を固定していれば大丈夫そうだ。失速に近づく機動なので、あわてて反射的にエルロンを外側に切ると逆に危ないかもしれない。何度かやっているうちにくるぞくるぞくるぞというタイミングが分かってきそうなものだが、こいつは富士急ハイランドのドドンパみたいに、来る!と思った1.5秒後くらいに不意打ちしてくるので、なかなか慣れない。チェロキーの渦でこれだ、777の渦なんかに入ったら、、、しかもそれが進入中で高度も速度も低い状態だったら。。。そのままスピンに入ったら。。。。
【ロビンでのスピン。私はCPL終了後におまけみたいに取ってきた。同期のMAKIは、これを教官になるためにやるので、10回転くらいのを何本もやるらしい。固まった生徒をひじで押しのけてコントロールを取る練習とか、、、楽しそう。。。】
AIMには、追い風が斜め45度から来ているときは渦が滑走路上に停滞して危険だとか、自分が着陸する滑走路と交差する滑走路を離陸する飛行機が、交差点前に浮揚した場合は絶対にその下を飛んではならない(つまり自分は交差点までに必ず脚をつけろということ)などとかなり細かく書いてある。渦の怖さと回避にはパイロットに責任があるということを考えれば、納得できるというものである。
【飛行機を支える力。。。んなこた!! ごめんRyo...笑】
よく、飛行機が飛ぶのは翼が上に向かって凸形状をしていて、これに空気の流れが当たると翼の上面には丸みがある分上面に回った空気は下面より速く流れなければならないから流速の早い上面の気圧が下がり、揚力が発生するため、と説明されるが、これは誤りだ。なぜなら、これでは背面飛行はできないことになるから。 コメント指摘いただきました!勉強しなおした結果。下記の青文字の部分も同様。
【こんなことも出来ないわけです。バレルロールからハンマーヘッド、でちょっと失敗。KUNIさん載せてすません。。。笑】
誤りというか、揚力が発生する根本的な理由を説明していない。翼の上面の丸みは、そうしたほうが効率よく上面の空気を加速できるという、ただの工夫だ。実際に対象翼といって上下が線対称の翼も存在する。翼が揚力を生むのは、Angle of Attack(仰角)により渦が発生するからだ。一定のAngle of Attackを保持した翼を回り込んだ渦は、翼の上面の気流を加速させるようにはたらき、また、飛行機が浮いた瞬間から自分の後ろに自分とは反対向きの渦を次々と発生させる。飛行機はその渦の道(航跡)の中にいるから、空中に浮いていられるのだ。参考サイト
このように飛ぶためには渦がなくてはならないものなのだが、実際の運航ではこの渦が仇になることもある。そのひとつが、Wake turbulenceだ。Wakeは航跡と訳せる。航跡によるタービュランス。翼が本来的に渦発生器であるために発生してしまう乱気流だ。
特に、低速で重い飛行機が飛んでいるときの渦が一番強力で、それはつまり大型機の着陸や離陸時が当てはまる。POFという学科で何気に習った知識だが、実際の運航では管制官が先行機との間隔をとってくれたりする(ただし、Wake turbulenceの回避判断は、最終的にはパイロットの責任。)ので、実際に空港で遭遇することはほとんどなくその危険性を実感しづらい。
【成功したHammer headも載せとかないと、、、笑】
だが、CPLでMAX Rate turnという科目を練習していたときに、その恐ろしさを肌で感じた。要はその飛行機の、MAXの急旋回だ。失速警報をならしながら、フルパワーで60度バンクで曲がっている。練習していくうちにだんだんうまく出来るようになり、VSIが動かないのを見てニヤニヤしていると突然、巨大な濡れた雑巾で飛行機を思い切りぶん殴られたような衝撃音とともにバンクが瞬間的に深まり、頭の上に地面が見える。
自分のWake turbulenceに入ったのだ。
最初、これにはびっくりしてニヤニヤしていた口元が凍りついた。気持ちよく安定していた飛行機が突然内側にひっくり返ろうとする。ワケが分からなかったが、操縦桿を固定していれば大丈夫そうだ。失速に近づく機動なので、あわてて反射的にエルロンを外側に切ると逆に危ないかもしれない。何度かやっているうちにくるぞくるぞくるぞというタイミングが分かってきそうなものだが、こいつは富士急ハイランドのドドンパみたいに、来る!と思った1.5秒後くらいに不意打ちしてくるので、なかなか慣れない。チェロキーの渦でこれだ、777の渦なんかに入ったら、、、しかもそれが進入中で高度も速度も低い状態だったら。。。そのままスピンに入ったら。。。。
【ロビンでのスピン。私はCPL終了後におまけみたいに取ってきた。同期のMAKIは、これを教官になるためにやるので、10回転くらいのを何本もやるらしい。固まった生徒をひじで押しのけてコントロールを取る練習とか、、、楽しそう。。。】
AIMには、追い風が斜め45度から来ているときは渦が滑走路上に停滞して危険だとか、自分が着陸する滑走路と交差する滑走路を離陸する飛行機が、交差点前に浮揚した場合は絶対にその下を飛んではならない(つまり自分は交差点までに必ず脚をつけろということ)などとかなり細かく書いてある。渦の怖さと回避にはパイロットに責任があるということを考えれば、納得できるというものである。
2012.03.27 Tuesday
大型機と小型機で、着陸の技術が異なるといことはあるのだろうか。
例えば、エアバスA320とパイパーPA28チェロキー着陸で異なるところはどこだろう。
二つとも同じ飛行機だから、着陸そのものの概念は変わらない。つまり、出来るだけ少ないエネルギーで、かつ、滑走路に落下しないように、適度なエネルギーを残した状態で降りる、というところだ。抽象度を少し下げて言うと、正しい速度で正しいパスだ。これがいつもできれば、良い着陸になる可能性が高い。
よく小型機ではピッチで速度、パワーでパスとか、大型機はその逆だとかいろいろ言われるが、実はその区分はあまり意味がないと(現段階では)考えている。なぜなら、速度は高度に変わるし、高度は速度に変わるから。それらは常に入れ替わっているから、「ピッチで速度、パワーでパス」なんて呪文ほど明確に分かれてはいない。要は今持っているエネルギーが、あそこに着けるまでに過大か、不足かを考えて手が動くようになるだけだ。その結果、正しい速度で正しいパスに乗っていればいいのだ。だいたいは、馬の手綱のように、両手が同じ方向に動くことが多い。
違うところは、当然のことながら大きさ、慣性の違い。また、意外と忘れがちというか小型機の訓練生では知る由もないといったほうが正解かもしれないが、システムの問題というのもある。
以前、NZのジェットスターでA320を飛ばしている友人に「エアバスの着陸の動画をみると、パイロットはフレアと同時にガツンとスロットルをカットしているけど、落着(滑走路に落下すること)しないのはなんで?」と聞いたことがある。彼によると、飛行機自体の滑空比の違いやジェットエンジンの特性から、エンジンを絞っても急激に抵抗が増えたりしないため、といっていたが、一番の理由は、飛行機のシステムに「着陸!!」と教えてあげるためだという。そうすることで、飛行機を支配しているコンピューターに、ここで飛行が終わって車になるんだと理解させるということだ。
だから、いくら将来A320に乗りたいからといって、チェロキーの訓練の段階でThresholdでスロットルを「ガツン!!」とやったら、高い確率でべしゃっと落着する。プロペラ機はスロットルを全閉にすると、ウィンドミルといってプロペラが風車状態になり、大きな抵抗となる。どの位の抵抗かというと、プロペラの直径と同じ大きさの円盤を正面にくっつけているのと同じくらいといわれている。だからチェロキーの正解は、ごちゃごちゃ考えずに正しいスピードとパスを自分の目測で死守し、フレアを開始したら周辺視野で地面が近づくのを「感じながら」降りていくことだ。ここは、Dont think, feel!が正解。
重要なのは、飛行機の違いをしっかり理解して、ロジカルに対応することだ。頭はつねに柔らかく。
例えば、エアバスA320とパイパーPA28チェロキー着陸で異なるところはどこだろう。
二つとも同じ飛行機だから、着陸そのものの概念は変わらない。つまり、出来るだけ少ないエネルギーで、かつ、滑走路に落下しないように、適度なエネルギーを残した状態で降りる、というところだ。抽象度を少し下げて言うと、正しい速度で正しいパスだ。これがいつもできれば、良い着陸になる可能性が高い。
よく小型機ではピッチで速度、パワーでパスとか、大型機はその逆だとかいろいろ言われるが、実はその区分はあまり意味がないと(現段階では)考えている。なぜなら、速度は高度に変わるし、高度は速度に変わるから。それらは常に入れ替わっているから、「ピッチで速度、パワーでパス」なんて呪文ほど明確に分かれてはいない。要は今持っているエネルギーが、あそこに着けるまでに過大か、不足かを考えて手が動くようになるだけだ。その結果、正しい速度で正しいパスに乗っていればいいのだ。だいたいは、馬の手綱のように、両手が同じ方向に動くことが多い。
違うところは、当然のことながら大きさ、慣性の違い。また、意外と忘れがちというか小型機の訓練生では知る由もないといったほうが正解かもしれないが、システムの問題というのもある。
以前、NZのジェットスターでA320を飛ばしている友人に「エアバスの着陸の動画をみると、パイロットはフレアと同時にガツンとスロットルをカットしているけど、落着(滑走路に落下すること)しないのはなんで?」と聞いたことがある。彼によると、飛行機自体の滑空比の違いやジェットエンジンの特性から、エンジンを絞っても急激に抵抗が増えたりしないため、といっていたが、一番の理由は、飛行機のシステムに「着陸!!」と教えてあげるためだという。そうすることで、飛行機を支配しているコンピューターに、ここで飛行が終わって車になるんだと理解させるということだ。
だから、いくら将来A320に乗りたいからといって、チェロキーの訓練の段階でThresholdでスロットルを「ガツン!!」とやったら、高い確率でべしゃっと落着する。プロペラ機はスロットルを全閉にすると、ウィンドミルといってプロペラが風車状態になり、大きな抵抗となる。どの位の抵抗かというと、プロペラの直径と同じ大きさの円盤を正面にくっつけているのと同じくらいといわれている。だからチェロキーの正解は、ごちゃごちゃ考えずに正しいスピードとパスを自分の目測で死守し、フレアを開始したら周辺視野で地面が近づくのを「感じながら」降りていくことだ。ここは、Dont think, feel!が正解。
重要なのは、飛行機の違いをしっかり理解して、ロジカルに対応することだ。頭はつねに柔らかく。
2012.03.22 Thursday
最近は電車の中でA4サイズのこいつを広げて読んでいる。
どんだけガリ勉だよ、、、笑
先日の座談会で先輩からもらったものだ。旧Verだが十分使える。5000円を超える値段がするのでありがたい。電車内で広げると結構目立つ。じろじろ見られるが気にしない。割と面白いことが書いてある。たとえば、8−35に書いてあるエナジートレイドというもの。ダウンバーストに遭ったときの対応で、機首を下げて速度をとりに行くか、スピードを高度に変換するか。どちらが正しいのか。結論を引用してみる。
「高度を速度にトレードすることは勧められない・・中略・・かなりの低速でも機の上昇性能を信頼しているほうが機首を下げてスピードを増してから上昇しようとするより得策である。(AIM-j 2011Jan-2011Jun 885.d.aより)」
へー。おれでもですか。(BY WLの主)
つまり、エネルギーは速度の2乗、高度の1乗に比例する。1/2mv^2=mgh って物理でやったやつだ。だから、持っているエネルギーから速度を取り出そうとしたときと、高度を取り出そうとしたときは、高度のほうが効率がいい。速度に変えるには、最後に平方根にしなければいけないから。。。
「ウィンドシアーのシミュレータ実験によると、Vrefを保とうとした人は地面に衝突し、エアスピードの余分を高度にトレードした人は事故をまぬがれている。(AIM-j 2011Jan-2011Jun 885.d.bより)」
飛行機の性能にも寄るが、失速警報が鳴っている状態でも、実はまだ上昇力に余力があるらしい。だから、接地前に強烈な下降気流に見舞われた場合は、フルパワーにして失速警報を鳴らすまでピッチを上げるのが正しい操作ということか。どのくらいのPeformanceを示すのだろうか。誰かやってくれないかな。(フルパワーで失速警報。NZのひと、教官にお願いしてDUALでVSI見てきてください。笑 前が見づらいだろうから、 Selwynあたりの安全な場所でお願いします。)
日本ではこの本はパイロットのバイブルのように扱われていると聞いたことがある。私は今まで見たことがなかったのだが、ぱらぱらとページをめくると、施設関係、IFRのプロシージャ、気象、法律といろいろな分野にわたる章立てで、結構細かいことが書いてある。いかにも日本。という感じ。だが不思議なことに、この本は法律やAIPなどと違って公式な文書ではない。
だから、この本に書かれていることに従わなかったとしても、法的に何の問題はない。それどころか、何かの判断をして「なぜそうするんですか」と聞かれたパイロットが「AIMの8−35に書かれていました。」と答えてはいけないということだ。この本に書かれていることはあくまで航空局が監修したアドバイスみたいなもの。便利だけれど、裏付けは公式文書でやる癖をつけておこう。
とはいえ、便利なものは便利。さまざまな分野を横断的にまとめている本というのは、NZにはなかった。しばらく通勤中のいい暇つぶしができた。
どんだけガリ勉だよ、、、笑
先日の座談会で先輩からもらったものだ。旧Verだが十分使える。5000円を超える値段がするのでありがたい。電車内で広げると結構目立つ。じろじろ見られるが気にしない。割と面白いことが書いてある。たとえば、8−35に書いてあるエナジートレイドというもの。ダウンバーストに遭ったときの対応で、機首を下げて速度をとりに行くか、スピードを高度に変換するか。どちらが正しいのか。結論を引用してみる。
「高度を速度にトレードすることは勧められない・・中略・・かなりの低速でも機の上昇性能を信頼しているほうが機首を下げてスピードを増してから上昇しようとするより得策である。(AIM-j 2011Jan-2011Jun 885.d.aより)」
へー。おれでもですか。(BY WLの主)
つまり、エネルギーは速度の2乗、高度の1乗に比例する。1/2mv^2=mgh って物理でやったやつだ。だから、持っているエネルギーから速度を取り出そうとしたときと、高度を取り出そうとしたときは、高度のほうが効率がいい。速度に変えるには、最後に平方根にしなければいけないから。。。
「ウィンドシアーのシミュレータ実験によると、Vrefを保とうとした人は地面に衝突し、エアスピードの余分を高度にトレードした人は事故をまぬがれている。(AIM-j 2011Jan-2011Jun 885.d.bより)」
飛行機の性能にも寄るが、失速警報が鳴っている状態でも、実はまだ上昇力に余力があるらしい。だから、接地前に強烈な下降気流に見舞われた場合は、フルパワーにして失速警報を鳴らすまでピッチを上げるのが正しい操作ということか。どのくらいのPeformanceを示すのだろうか。誰かやってくれないかな。(フルパワーで失速警報。NZのひと、教官にお願いしてDUALでVSI見てきてください。笑 前が見づらいだろうから、 Selwynあたりの安全な場所でお願いします。)
日本ではこの本はパイロットのバイブルのように扱われていると聞いたことがある。私は今まで見たことがなかったのだが、ぱらぱらとページをめくると、施設関係、IFRのプロシージャ、気象、法律といろいろな分野にわたる章立てで、結構細かいことが書いてある。いかにも日本。という感じ。だが不思議なことに、この本は法律やAIPなどと違って公式な文書ではない。
だから、この本に書かれていることに従わなかったとしても、法的に何の問題はない。それどころか、何かの判断をして「なぜそうするんですか」と聞かれたパイロットが「AIMの8−35に書かれていました。」と答えてはいけないということだ。この本に書かれていることはあくまで航空局が監修したアドバイスみたいなもの。便利だけれど、裏付けは公式文書でやる癖をつけておこう。
とはいえ、便利なものは便利。さまざまな分野を横断的にまとめている本というのは、NZにはなかった。しばらく通勤中のいい暇つぶしができた。
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