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     2012.03.19 Monday
先週末に、NZの母校の座談会が東京であり、参加してきた。

NZで働いている日本人教官が来日して、学校の説明をするのだが、説明会といってもどこからか情報を知ってコンタクトしてくださった方々に対し、その教官と卒業生が狭い部屋で好きにベラベラ話をするだけだ。

あいにく、18日の日曜日は、自家用操縦士の法規試験と重なってしまった。参加できないかと思ったが、試験開始から5分で解答を終了してさっさと向かったので、最後のほうには何とか顔を出すことが出来た。(退室は30分経ってからというルールだったので、本当ならもっと早くいけたのだが。。)沢山勉強しておいて良かった良かった。

座談会の会場は、例によって秋葉原のルノアール。見方によっては怪しさ一杯だが(笑)私が学校を決めたときもそうだった。逆にこういうところにお金をかけられないというのは、とりあえずへんなボッタクリではないんだな、というふうに判断した。なぜなら、営業費、広告費も元をたどれば学生の訓練費用が原資なのだから。。。

今回もよく聞かれたのは、お金のことと訓練校を決める決め手となる理由だった。ここはいつも迷う。とりあえず、費用は多めに言っておく。そのときは「ひぇー」という反応をする人が多いが、突発的なことが起こって資金がショートしては元も子もない。多めに見積もっておいて、がんばって縮めればいい。実際、私は6000ドルくらい余った。(CPLに落ちなければ10000ドルは余ったかもしれない。)最初の時点で大目に見積もるのは、実は精神的にはきついことなのだが、これが出来ないと飛行機は飛ばせない。不測の事態が起こっても、それでも死ぬことはない、という準備が出来ないと飛べないのだから。


参考までにいっておくと、私の場合は 75000NZドルをNZQAという第三者口座にプールして、使った分だけ引き落とされていき、(資金トラブルをなくすため、政府によってこの方法が義務付けられている)使った金額は69000ドルだった。あまりは勿論、日本の訓練資金に充当する考えだ。同期の誰かさんは帰り際に旅行でパーっとやっちゃったらしい(笑)そんな彼ももう既に3月から日本の訓練校にスライディング入校して訓練を継続するらしい。もう一人の同期のRyoはもともと資金の目処がついており、同じく3月から同じ訓練校で訓練開始。MAKIはNZで教官の資格を取るべく右席で毎日飛んでいる。因みに教官のフライトは、生徒に教えるという前提でベラベラしゃべりながら飛ぶので、ワークロードがCPLのときと違うらしい。普通に飛ばすのが余裕になってくるそうだ。

で、私は。

サラリーマンとして毎日電車に揺られている。私だけが地上に張り付いている気がしないでもないが、弱音を吐く気すら起こらないのは、私よりもっとすごい先輩がいるからだ。私が訓練を始める前に、同じくルノアールでお会いした先輩だった。そのとき既に訓練を終えて、今の私のように訓練資金を貯めはじめるところだった。そうやって私を送り出した先輩に昨日、その時ぶりにお会いした。いくら貯めたんですかと聞くと、

「一本だよ一本。」

つまり1000万円である。これには本当にびっくりした。どうやって貯めたんですか、と聞くと「気合で」だそうだ。(笑)運も良かったと言うが、訓練を始める前に働いていた経験を活かして、いろいろな人に助けられながら、がむしゃらに働いてきたのだ。こういう先輩を持つと、弱音を吐く気持ちなんて吹き飛んでしまう。目の前に問題があるなら、解決すれば良いだけのこと。できない理由を並べ立てるだけなら、誰にだって出来るのだ。お金持ちになりたくてパイロットになろうとしている人は、こういうことは多分出来ないだろうけど。実際、下手なコーパイより年収行くはずだ。笑

誤解しないで欲しいのは、だからこれから訓練始める人に「足りない分は、命を削って働いてください♪」といっているわけではないということ。笑

この先輩は、自分なりの方法を見つけて、持っている資源を最大限発揮して、個人的に問題を解決している。私はというと、得意な英語を活かした仕事でこつこつやりながら、事業用の訓練費用ぐらいを貯金でまかなえるようになったら、計器飛行分は銀行の教育ローンを利用しようと思っている。方法は違うが、自分の強みを知ってそれを利用しているところは同じ。お金がある人、親から借りる人、銀行から借りる人、自分で稼ぐ人、それぞれだろう。でも、重要なのは、パイロットになるという目的を実現する道筋を立てる能力があるかということ。自費取得に経済的な戦略が必要だというのは、そういう意味である。

私の先輩は、そういう人ばかりだ。


座談会が終わり、夜の飲み会に向けてカフェ待機をしていたときのこと。NZの訓練を終えた私、例の「1本」の先輩、日本の事業用が終わった先輩、そして黄色い星のマークの会社で研修中の先輩。見事なまでの「進度グラデーション」だ。学校のこと、採用のこと、いろいろな事を話しながら、最後にはファイナルの横風に対するWCAの概算について教えてもらった。彼らの共通点は、決して「だめだ、無理だ」と言わないこと。こういう人たちの仲間入りを出来たことにとても誇りを感じるし、うまく行くような気がする。

自分の今の役割を忘れないようにしよう。



p.s. 先輩方へ今回も色々情報や資料を頂きましてありがとうございました。これがあるので座談会が毎回楽しみで!













     2011.12.05 Monday
先週末、NZの学校の座談会があった。

1年前に私が行ったときと同じく、今回もルノアールの会議室を予約していたようだ。今回は卒業生としての参加である。感慨深い。土日あわせて参加者は10人ほど。学校側の卒業生も6人(+教官1名)と、かなりの数が参加し、会議室が窮屈に感じられるほどだった。私以外の卒業生は全員ラインパイロット(コーパイ or 訓練生)だ。うひょー。(そういえば初日は、前日に帰国した同期のTAKAもいたっけ。)

時間が経つにつれてそれぞれ個別に話をし始め、蛙が鳴き散らす夏の田んぼみたいに部屋中が騒がしくなった。それなりに盛り上がったのではないだろうか。参加者の方々のバックグラウンドは、働いている方、学生の方、起業した方、家族がいる方、自社養成を断念した方、NZに興味がある方などさまざまで、中にはこのブログを長い間(旧サイトのときから)読んでいたという方がいらっしゃり、じっくり話ができてとてもうれしかった。C制度を受けていたときは、ものすごく暗い記事を書いていたが、続けてきた甲斐があったもんだ。学校をひとつに絞る決定打となる情報を求めている方が多かった。

ほんの1年前は、私もまったく同じ状況だった。いろいろな質問を考えては、いまいち具体性に欠ける答えをもらってもやもやしていたのを思い出した。だが、今訓練を終えて思うのは、その「決定打」を言葉で説明することの難しさだ。

「基礎を重視しています。」

「日本で飛ぶことを見据えています。」

といくら言っても、ほかの学校だって同じ事を言っている。だいたい、日本で飛ぶことと海外で飛ぶことがどう違うのか。日本のほうがすごいという人もいれば、そうではなく「ラインを目指した操縦」という考えを提唱する人もいるし、大型機と小型機、という風に分ける人もいるし、海外のほうが難しいという人もいるし、日本だろうが海外だろうが飛行機は一緒だという人もいる。正直、私もよく整理がついていない。

どうやって説明するべきか、少し迷った。NZで230時間弱飛行機に乗った経験を踏まえて、自分の飛ばし方(勉強のやり方と言い換えてもいい)に対する自信を、飛んだことがない人に言葉で説明するのは、ものすごく難しい。うまく説明できなかった部分もあるので、そこを補う意味で少し説明を試みたい。



座談会は、私にとっても重要な情報を得るチャンスだ。もうすぐ機長昇格が視野に入る方や、副操縦士の発令を受けた方、最近内定をもらって地上研修中の方など、さまざまな段階の先輩がいるからだが、そういう方たちと話をしていくうちに、今まで整理がつかずにあいまいになっていた点に、だんだんと確信が持てるようになってきた。つまり、私が今までやってきたことが「日本で飛ぶ、ラインで飛ぶ」という観点からみて間違っていないということ、足りないところはあっても、この方向性を維持していけばいいんだという自信がついてきたということだ。

私が機長昇格間近の先輩に、計器のスキャニングについて少し突っ込んだ質問をしていたとき、ある副操縦士発令したての先輩が、「ラインパイロットは、なにかスペシャルな技術をつかっているんじゃないかって、思っているんでしょう?」とニコニコしながら聞いてきた。実際にそのとおりで、NZで学べなかった重要なことが、日本には、ラインには、何かあるんじゃないかという観点から出た質問だった。その先輩も、昔同じような質問を同じ人にぶつけたらしい。笑

PPLの頃、ピッチとバンクとパワーがいつまでたってもぐらぐらと安定せずに、毎日毎日飛行機がうまく飛ばないことに悔しい思いをした。IRでさらにぐしゃぐしゃになって、それがCPLでやっとぐらぐらが収まってきたという経験をしてきた。そういうことを1年やってきて、やっとピッチとパワーとバンクを決めることはできてきたけれど、本当にこれだけでいいのだろうか。日本には、まだまだ知らないことがたくさんあって、NZでやっていないことがたくさんあるんじゃないだろうか。。

「でもね、僕もおんなじ質問をしたんだけど、びっくりするくらい飛行機はピッチとパワーとバンクだったよ。」

もちろん、やり逃したことはあるだろう。でも、ラインに行った先輩にそういってもらえたことで、私がやってきたことは間違っていなかった、と自信を持つことができた。技量的には、まだまだだと思うし、上を見たらきりがない。でも、やり残した材料を使って立派な家を建ててやろうと思えるような、一流の基礎ができたと感じている。あとは、その方向性を間違えないように適宜アドバイスをもらいながらやっていけばいい。


座談会が終わった後、(もちろん)皆で軽く飲んだのだが、そこではNZ思い出話にもなるのでものすごく楽しいものになった。皆だいたい同じところで苦労していて、親近感が沸く。そういう先輩が実際にラインに就職されていることほどわれわれを勇気付けることはない。いい先輩を持ったなー、と、

まてよ。

ということは、私もすでにその流れの中に組み込まれているということじゃないか。今日会った人たちは、一年前の自分で、現在の自分は今ここにいて、目の前の先輩方はそれぞれ未来のある段階での自分だ。同時に、先輩にとって私は「昔の彼ら」でもある。この流れを途絶えさせるわけにはいかない。もうすでに自分の背中も見られているんだと気づいて、IAANZの歴史と1000万円の借金を背負う覚悟を新たに、、、

さーてどうすっかな。。。







     2010.03.31 Wednesday
日帰りで大阪、しかも車。
渋滞にはまりながら、往復だけで半日近くかけて、フライトスクールの座談会に行ってきた。

3/20に行ってきたのも、同じ学校の座談会だ。2回目に参加したのは、現在某社で738のパイロットをしている卒業生の方に会うためだ。私がずっとメールのやり取りをしている、海外のラインパイロットになった元教官の方から、この卒業生の方を紹介され、直接お話がしたかった。

ちなみに、「説明会」ではなく、「座談会」としつこく使っているのは、本当に、そこらのカフェで会って、数人で話をするだけだからだ。日本での営業活動に時間と金を割けないためだが、私はそこが気に入っている。個人的な質問が沢山できるし、訓練機材や環境は抜群なのに、営業活動がカツカツなのは、ぼったくってない証拠だ。

・・・先週、先々週と座談会に参加し、得た情報の中で、最も普遍的なもの(つまり、誰にでも有用なアドバイスになるという意味)は、

 どうやったらパイロットになれますか、という質問が成立しない。

ということだ。前の記事で、質問が難しいと書いたのは、そういうことだ。


本当に、あなた次第ですよ、と。当たり前だが、パイロットになれるかどうかは、極めて個人的な問題なのだ。「個人的な問題」という意味は、誰にでも当てはまるようなアドバイスがしにくい、ということ。その人の年齢、経済状況、目的意識の強さ、性格、訓練後どの程度の錬度に達するか、訓練を終えたときに採用があるか、、、無数のパラメータが存在するので、予測は不可能。私たちにできることは、

 必要な環境を持つ学校を選び、死ぬほど努力し、採用があることを神に祈る。

これしかないのだ。


いい学校を選ぶことは、極めて重要だが、これはあくまで前提である。いくらいい学校を選んでも、努力を怠ったり、採用募集がなければ、パイロットにはなれない。借金をかかえ、空飛ぶ免許を携え、飛ぶこととは関係のない仕事に就くという人生になるかもしれない。だが、少なくともいい学校を選ばないと、募集があったときに採用されるだけの技量を身につけることができないのは確かだ。

そういうところまで想像力を働かせて、腹をくくって、だめでも絶対に人のセイにしない。C制度に挑戦していたときと、明らかに違うメンタリティで臨まないと、だめだということだ。

だが、悪い気はしない。もとより、そういうふうなサバイバルに耐えられるような人間になりたいと思っていたし、これで「一生安泰」みたいなのはうそっぱちだ、と考えるタチなので。


次回、座談会で得た情報を元に、良い学校とは何かを考えてみたい!!


P.S. 誤解のないように言っておこう。自社養成制度や、航空自衛隊に若くして入ることは、日本でパイロットになれる可能性が最も高い。「採用の不確実性」にたいし、シード権を持っていることになるからだ。だから、(好き嫌いは別にして)若い人はまず、こちらの制度を目指すべきだ。



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     2010.03.21 Sunday
昨日、候補になっている学校の座談会に行ってきた。

あー。行ってよかった。

お会いできた人たちは皆、真剣で、ユーモアがあり、礼儀正しかった。参加人数は、教官が1人、OBの方が2名、入校検討者が5名。非常に小規模な説明会で、カフェでとりとめもなく話す、質問する、というまさに座談会の体で、たくさん個人的な質問ができてよかった。費用や訓練の質などは、事前にやり取りしていたこともあり、とくに自分にとって真新しい情報はなかったのだが。。。


いちばん印象的だった話をしよう。


海外でパイロットとして働く可能性を考えた時の話だった。前にも何度か書いたが、外国では一般的に、小型機から経験を積み、GAパイロットとして何千時間という飛行時間を積み重ねた先に、ラインで大型機を操縦するという過程をたどる。GAパイロットで一番いいのは、スクールの教官になることだ。機長時間を稼げるし、アウトプットすることで自分自身の技量向上になる。

この学校で教官になるには、ラインパイロット向けのコース(PPL/CPL/INST)を終了後、教官訓練コースを受ける必要があるのだが、もっとも重要なのは、訓練を始める前に教官たりうる技量、人脈、採用枠に目途をつけて置くことだ。それがなければ、そもそも訓練を始めることをしない。

つまり、自分が必要な人材であることを相手にわかるようにアピールし、自分にオファーを出すとどのようなメリットがあるかを説明したうえで、採用枠を作り出す必要がある。営業活動だ。技量があるだけではだめ。それなら、現地の人間を雇うはず。日本人の生徒をたくさん呼び込めるとか、現地の教官から強力な推薦があるとか、何かしらの手土産をスクール側に提示しなければならない。そして、意外にも


「女性であること」が、アドバンテージになるという。これには驚いた。日本と真逆だ。


日本でパイロットと言えば、男性の職業というイメージがあると思う。だが、当たり前だが、上空から生きて帰ってくる技量があれば性別の差は問題にならない。自分が客として乗り込む際に、パイロットに能力の低い男性に担当されるよりも、能力がある女性を使ってくれたほうがいいに決まっているだろう。

仮に「男性の職業というイメージ」が、日本人の女性にパイロットになるという発想を妨げているとしたら、そうでない場合に比べて、資質のある女性がパイロットになる機会を奪っていることになる。それは、そのまま資質のあるパイロットが減るということだ。少子化で人口が減っていく現状なら、なおさらだ。

そこで「女性の」教官がいたらどうだ。日本の女性に、


「へー女でもパイロットになれるんだ。。。」


と着眼点を与えることができる。結果として、日本からの訓練生の総数を増やすことができる。女性という新市場を開拓したことになるからだ。これは、学校にとってアドバンテージだ。だから、女性であることは、教官として雇ってもらうために使える武器になる。


実際に、A、B、C、とランク付けされる教官のうち、最上級のAカテゴリー教官として働く女性パイロットがスクールにいるらしい。なんでも、「肝っ玉母ちゃん」という風情で、子供を両脇に抱えて出勤してくることもあるし、1日の訓練を終えるとスクール併設のバーで一杯やって帰っていくこともあるという、何とも豪快な人だ。しかも、その人の旦那さんはラインの客室乗務員だという。

なんというか、痛快ですよね。



今回の座談会では、お話しくださった教官やOBの方々の、個人的なサバイバル能力の高さに触れたことが一番の収穫だった。自分の能力を把握して、その能力が周りにどのように貢献できるのか、そういうことを日々真剣に考える。自分の責任の範囲で能力を発揮する機会と場所を確保するという発想は、会社員として暮らしている身にはとても新鮮に映ったし、今の自分が何となく感じていた「これで本当に仕事をしているといっていいのだろうか」という思いに一つの形を与えられた気がした。

ただし、会社の歯車として守られて働いている中で問題意識を醸造してきたからこそ、の気づきである。昔は「就社はいやだ、就職がしたいのだ」などと偉そうに思っていたが、就社は就職するために必要な土台を作ってくれることもあるのだ。自分次第だけど。


ありがとうございました。大収穫だ!



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