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     2019.01.29 Tuesday

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     2011.07.17 Sunday
IFRの訓練が始まった。

今はELITEというシミュレータで飛行場の周りをぐるぐる周る練習をしている。これが難しい。IFRはINSTRUMENT FLIGHT RULEの略で、天気が悪くて外が見えないときに利用される航法だ。外は雲で何も見えない。夏になると、よく車内の温度上昇を少しでも抑えようと、ウィンドシールドの内側に銀色の遮光シートを取り付けるでしょう。あれをつけたままどこかのスーパーに買い物に行くような感じだ。


南半球では冬。この前の朝なんか空港の気温、 -7℃だって。


IFRで飛ぶ飛行機が通るルートは、そのルート上を正確に飛べば絶対に障害物に当たることがないようにあらかじめ高度とTRKが確保されている。だから、前が見えないからといってわき道から子供が飛び出してくるんじゃないか、電柱にぶぶかるんじゃないか、みたいな心配は要らないわけだ。ただし、ルートを外れなかったら、の話だ。そして、これがまた難しい。

どうやって、空に引かれた道筋を正確にたどるかというと、地上にある、携帯電話の基地局のような施設から電波を受信し、自分の位置を確認しながら飛ぶ。飛行機の中に、その基地局の電波をキャッチして電波の飛んでくる方向を矢印で指し続ける ADF(Automatic Direction Finder)という機械があり、それを使う。ADFがキャッチする電波を発信する基地局を、NDB(Non Directional redio Becon)という。ちなみに日本ではNDBの運用はもう行われていないと聞いた。より直進性が強く、気象状況に左右されにくいVHF帯の電波を使うVORという基地局や、もっと効率的なGPSを利用した航法が主流だそうだ。ただ、VORもADFの進化系みたいなRMIという計器を使うので、訓練でADF(RMI)を使うことは未だ有用だ。


計器の読み方を整理するために作った、手作りのRMIとHSI。涙ぐましい。。。


機内でくるくる回る矢印から、自分が基地局に対してどこをどのくらい離れて飛んでいるか、風はどこから吹いているのかといったことを瞬時に頭に視覚化して飛行機を基地局の真上に持っていく。飛行機を操縦しながらそれをやるのはものすごい負荷だ。特にELITEは操縦桿の感度をかなり上げてあり、少しの操作でも飛行機が敏感に反応する。スキャニング(多くの計器の連続確認)を怠るとすぐにHDGがずれたり、高度がとっちらかったり、しまいには基地局をOVERHEADできない状態になる。ただぐるぐる周ることがこんなに難しいとは。外が見えていれば、飛行場の上を通過することなんて、朝飯前なのだが。。。



あれ、なんでMAKIそんなにできるの??



シミュレータは飛行機の描いた軌跡を現在進行形で見ることができるのだが、MAKIの軌跡と私やTAKAのそれをくらべると、全然違う。ずれたトラックを戻すのもよくできている。なによりすごいのは、それを高度やHDGをずらさずにできていること。うーん。やっぱ一番センスあるよ。私のは特にひどい。何せ、広がりすぎてトラックを表示するマップの縮尺が変わってしまったのだ。orz


ただ、「うまくいかないこと」には、絶対に原因がある。


EFFECT OF CONTROLのころからセンスなどという言葉から無縁の私は、自分が「できない」ということにびっくりしなくなった。そんなの、原因を見つけて、対策を立てて、修正すればいいだけだ。そういうのは得意だ。多分原因は、

・情報の視覚化がうまくできていないこと。
・場面ごとに考えるべきことと考えるべきでないことの整理がついていないこと。

だとおもう。

HOLDING PATTERNは、直線と曲線がそれぞれ2本ずつの、ちょうど小判のような形をしている。小判のふちに沿って飛行機がぐるぐる回る。左右どっち向きになるかは、地上にある基準点がどこにあるかで決まる。この基準点には、NDBが設けられていて、飛行機はまずその上空を通過する。NDBをOVH(OVERHEAD)したあと、すぐに小判の曲線部に入る。ここでは右旋回として1分間で180度旋回した後、反対側の直線に入って1分間直進。1分後、もうひとつの曲線に入ってさらに1分、右に180度旋回。これでNDBに機種が向いていることになり、さらに1分直進すればまたNDBのOVHだ。これを繰り返す。

何言っているかわからない??そりゃそうです。IFRですから。計器だけを見て飛ぶというのは、今のような文章を理解しながら飛ぶということだ。でも、文章を理解する、という方法では、飛行機のスピードには追いつけない。時速200km/hで飛んでいる飛行機に追いつくには、言語化ではなく視覚化しなければならない。頭の中で絵にして、その絵を「見て」飛ぶのだ。


LET'S VISUALIZE! 家にある暖炉。火を見ていると飽きない。何に見える??


小判の縁取りの各時点で考えるべきことがあって、逆に言うと考えるべきでないことがある。たとえば、NDB OVH直後
の右旋回と、後ろに進んだ後のもうひとつの右旋回では、考えていることがまったく違う。2つの直線も、それぞれで考えることが違う。その時に、何を考えているべきなのか、それがわかっていないと見るべきときに見ていなければならない計器から目が外れて、情報を見落として、高度が、速度が、旋回半径が、そしてHOLDING PATTERNの軌跡そのものが、とっ散らかる。これが、HOLDING PATTERNがうまく描けない原因だ。原因が分かれば、対策を立てて、修正できる。


クロスカントリーや他のすべてのフライトにいえることだが、フライトにはいろいろな場面があって、そのときそのときに考えるべきことと、考えるべきでないことがある。おそらくこれは、プロとして飛び始めてからも同じだろう。この先、飛行機を飛ばすことそのものの負荷は、どんどん減ってくる。オートパイロットだって付いている。(D1900にはついていないんだっけ、、、)つまり、今私が苦労しているようなことは、全部機械がやってくれるようなコクピットが用意されるのだ。そこで、自分がいつ、何を、考えるのか。そして無限の選択肢からそれを選んだのは何故なのか。

きっと、フライトに唯一の解なんてないんだろう。自分のフライトをしよう。
     2019.01.29 Tuesday



コメント
Toshiyaさん>
コメントありがとうございます。
はい、気合で計器を読んで、念力で飛行機を動かせと言われています。まじめにです。笑

日本にもNDBあるんですか!!知りませんでした。楽しくなるといいんですが、、、
未来につながってると信じてがんばりまっす!
  • Atsusuke
  • 2011.07.19 Tuesday 21:30
こんにちは。

もうIFの訓練が始まるんだね。ますます楽しく(!)なるよ。だんだん、「気合」もしくは「念力」という言葉に親しみを覚えるようになるかもね。

ちなみに、日本にもまだNDBありますよ。ちゃんとNDB APPもありますよ。でも、なくなる方向だけどね。
うちのOPSでも、NDBをつかってますよ。
今のうちにきちんと針を見て飛べるように頑張りましょう!EFISやFMSがある機種にのっても、基本は変わりませんから。

大丈夫、今やっていることはちゃんと未来に続いていますよ。
  • toshiya
  • 2011.07.19 Tuesday 10:25
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