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     2019.01.29 Tuesday

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     2011.07.23 Saturday
IFRは、飛行機が雲の中に入ったりして、まったく外が見えない状態でも安全に飛行するための航法だ。パイロットは外が見えないので、ほとんど目の前の計器を見て飛行機を飛ばす。(ただし、IFR下でも見張りの義務はある。)今はその訓練をシミュレータを使ってやっている。

シミュレータといっても航空会社が持っている数億円するような6軸のフルモーションのもの(記事の最後に動画あります。)から、マイクロソフト社のフライトシミュレータ(通称MSFS)というパソコンゲームまで、いろいろある。私が今学校でやっているのは、ELITEと呼ばれるパソコンゲームの進化版だ。これが設置されている狭い部屋に、教官とASH TAKA MAKIの4人が詰めて座る。お互いのフライトを見ながら自分の番が来るのを戦々恐々と待っている。笑 それでも、一回で800〜1000NZドルが燃えてしまう実機訓練を無駄にしないために!と酸素不足になりながらがんばっておるのだ。

さて、ELITEである。(ふん、挑戦的なネーミングだ。)


こいつはコクピットのスイッチなど、設備はよく再現されているのだが、他の高級なシミュレータのように舵にかかる圧力やGを再現することはできないので、モニターに表示されている画像(主にここででは計器だが)を「目で見て」飛行機を操縦しなければならない。じゃぁ、実機のリアルさを再現できないこいつでは、それなりの訓練しかできないのかというと、そんなことはない。なにしろELITEである。パイロットは、IFRで飛行機を飛ばすのに最も重要な技術をここで習得しなければならない。


向かい合った相手の手の上に自分の手を添えて、相手がすばやく上下左右に手を動かすのに自分がついていこうとした時、目を開けているとできないが、目を閉じていると簡単にできる、というようなことがある。触覚は、視覚より運動神経に伝わるのが早いので、こういうことが起こるのだろう。

実際の飛行機では、操縦桿を引いたり押したりするときには、それなりの力が要る。また、飛行機の姿勢に変化がおきれば、身体がそれを感じる。目を閉じて手を追跡するときと同じ情報が身体に伝わる。

ELITEにはこれがまったくない。失速するまで機首を上げたって、横転するまで飛行機を傾けたって、操縦舵輪に感じる手ごたえはスッカスカ。強すぎるパワステみたいにだ。結果、ちゃんと飛ばすには計器を連続的に目で確認するしかない。目を開けて、手を追っかけるようなものだ。悪いことに、車と違って飛行機にはタコメーターみたいなのが6個ぐらいついている。飛行機の姿勢を示す計器(AH)や、垂直方向の動きに対する速度計(VSI)あるいは高度計、気流に対する滑りをあらわすBALLなど、とにかく数が多い。これらを一定の間隔で常に確認して、それを「判読して」手を動かす。判読という仕事が入るために、動作が遅れたり、修正量を読み違えてオーバーコントロールになりやすい。

それでも目を開けていなければならない理由は、IFRでは外が見えないためだ。外が見えない状況で目を開けて飛ぶ、とは、なんだか矛盾するように聞こえるが、そうではない。触覚は、早いが、だまされやすい、というのが理由だ。視覚情報を奪われた状態で加速度の変化が起こると、人間はすぐに「上がどっちなのか」がわからなくなる。「加速」している時にシートに押し付けられる感覚を「上昇」のそれと勘違いして「上がらないように」操縦桿を押す。機首が下がる。さらに加速。さらに押す。さらに。。。どーん。

そして、ただ飛行機をまっすぐ飛ばしていりゃいいかというと、そんなことはないわけで。それをしながら、RMIやHISなどといった、自分が今どこにいるのか、という情報をあらわす計器も見なければならない。IFRで初めて使うこいつらを読もうとするとき、慣れないのでついそこに目が留まってしまう。たちまち、まるで壁に映った光を追っかけるペンギンのように、飛行機の頭が上下左右に踊りだす。他の計器を確認することを忘れてしまうことを、「LAZY EYES」といって戒めているのはこのためだ。

ELITEはこの「LAZY EYES」を絶対に許さない。学生にこれを克服させるために、操縦桿の感度をMAX(OR それ近く)まで上げてあるらしい。私の最初のELITEは、かくして、ぐっちゃぐちゃになったが、最近はいくらかマシになってきている。高度もずらさなくなってきた。それをみた教官。

「ちょっと負荷をかけてみようか。」

なんですかなんですかなんですかやめてくださいよ必死なんですから。

「通っていた中学校の名前は。」

そうきたか!グラっ。

「ほう、それはどこにあるの。」

埼玉の西ですか。グラっ。

「高校は。」

埼玉の南ですか。グラっ。

「好きな子いた?」

そうきたか!なんか面白いことを言わねば!!(←?)グラグラグラ。

「彼女の名前は?」

K林さん!(後ろで見ているTAKAの苗字。もちろん大嘘。)そしてHOLDING PATTERNとはアサッテの方向に飛んでいく自分。一同大爆笑。

IFは楽しい。orz


おまけ。高級なシミュレータの例。B737のフルモーションシミュレータ。
     2019.01.29 Tuesday



コメント
 早速の返信ありがとうございます!!

 参考にさせてもらいます。

ブログの更新毎回楽しみにしています!
今後もブログを読ませていただきたいと思いますのでよろしくお願いします!
  • ともき
  • 2011.07.24 Sunday 19:01
ともきさん>
はじめまして。コメントありがとうございます。
ICレコーダ、重宝していました。授業でも使っていましたが、機内での音声を録音するのにも使っていました。ATC(主にフライト中の管制官とのやりとり)がお経のように聞こえていたとき、機内で録音してそれを地上で聞き、復習していました。

ソロに出るようになってからは、できるだけ録るようにしていました。なにかインシデントが起こったとき、VOICE RECORDERとして使えるからです。

ICレコーダで飛行中の音声を録音するには、ヘッドセットをつなげる端子穴を分岐させて接続しなければなりません。このためのセパレータという部品が要ります。それに加えて、ヘッドセットとICレコーダでは、使用しているプラグのサイズが違います。今手元にあるものを測ったところ、ヘッドセットはφ6.2mmX31mm ICレコーダはφ3.2mmX14mmでした。(実寸なので規格と違うかもしれませんが)これらをつなぐための変換アダプターとケーブルが要ります。私はすべてNZで手に入れました(ほんの10ドルくらい)が、セパレータの接触が悪くて結局録音できなかったこともあります。今は、そいつがどこかにいってしまって最近は録っていません。。

今度実物が合ったら写真を撮ってきますね。またなにか質問があればなんでもコメントください。
  • Atsusuke
  • 2011.07.24 Sunday 14:56
はじまして!
私はパイロットではないですがパイロットを目指して航空留学をしようと検討中のものです。
質問があってコメントしました。
 AtsusukeさんはICレコーダーを留学にしようしていますか?
 留学の雑誌を見るとICレコーダーを持参すると良い。とあったので検討しています。
目的は座学の時は勿論、フライト中の音声を録音して復習に使用するみたいです。
座学の際に使用できるのはわかりますが、そもそもフライト中の音声を録音できるのかな?という疑問もあります。
もし可能なら同期の方の状況も教えて頂きたいと思います。
  • ともき
  • 2011.07.24 Sunday 14:17
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2010パイロット訓練
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