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     2023.10.29 Sunday

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     2010.11.30 Tuesday
本日で2回目のフライト。

昨日はPre Fright Checkを終えて、Briefingを終えてさぁいくぞ、というときに訓練空域の海岸沿いに層雲の群れが出現してフライトキャンセルに。。。


奥のどんよりしたやつがそれです。


ここ2,3日は夜から朝にかけてBRK-OVCのシーリング(べったり雲の底)が低く張り付き、気温の上昇とともにこれが晴れるが夕方の4時ごろからまた雲が出てくるというサイクルを1日の中で繰り返している。西からCold Fronts(寒冷前線)が2,3本来ていて(北半球と逆向きに回転してくるのでキモチワルイ。。。)風向きが結構ドラスティックに変わる。昨日はWesterly(西風)でRWY02、今日はSoutherly(南風)でRWY20。Front が通過したことを示している。



今日は南から雲きてますねー。

NZの天気図は前線を描く際、日本の天気図と違うところがあるように感じる。湿数や温度から気団の境目を見つける、というよりも地表のトラフを単純にCOLD FRONTとして描画しているように見える。トラフ=FRONTというのは正しいのかな。確かに、トラフ=Isobars(等圧線)の折れ目と考えれば、そこで風向きは変わっているはず。前線の前後で風向きが変わる(特に寒冷前線の前後)という点に着目しているのかな。I NEED TO CLARIFY THAT...


さてと。今日の離陸はTAKA。上空交替というとっぴなシステムで回しています。こうすると行きかえりの移動にかかる時間がトータルで半分になる。ちりも積もれば山となる。節約節約。



やっぱり南のほうには雲が。





NEW BRIGHTONの海岸沿いは今のところ大丈夫そうだ。ということで訓練開始。本日のLessonは先日書いた Pattern Flightだ。

・Straight & Level at 2000ft 90KT
・Climbing @ BRC 75KT
・Climbing Turn BANK15° 75KT
・Level Off to Straight & Level at 3000ft
・Medium Turn BANK30° at 3000ft 85KT
・Descending 75KT
・Descending Turn BANK15°75KT
・Level Off to Straight & Level at2000ft 90KT

こいつらを組み合わせて、高度2000ft-3000ftの間で長方形のパターンを描く。


ByTheWay, It's WAY difficult for me...


さぁどうしよう。ちょっと課題を並べてみよう。

POWER on で逆ラダー
→「開けたら、右を踏む」とだけ覚えていた。LEFT YAWの発生要因を理解していないから、飛行機の動きをイメージできずに逆足。理由とは、時計回りのスリップストリームが垂直尾翼を右に押すから。尾翼が後ろにはじかれる様をイメージ。

DESCENDING 開始でPWR DOWNと同時に操縦桿EASE BACKせずSINK
→セオリーの理解不足。パワー下げたら、90KTから75KT(DESCENDINGの速度)に下がってくるのを待つべき。そのために必要なのが、姿勢。それまで高度を落とさない。速度が下がって初めて、ピッチを下げられる。

TRUN時の傾向
→BANK深くなりがち。
→ROLLが速い。操縦桿を回すのが速すぎる。さらに副作用でホールドが間に合わない。
→姿勢がブレブレでVSIがひどいことになっている。操縦桿を「回して、引く」という2ステップになってる。回した途端にノーズが下がる。そうではなく1ステップで。ノーズ下げるな。
→Adverse Yawをそもそも感じとれているのか怪しい。だから、適切なラダーの当て量がわからない。

高度は、合わせていく
→高度は、ピッチである程度リニアにあわせられる。

速度は、待つ
→速度は、姿勢とパワーの組み合わせの結果として出てくるものだから、落ち着くまで時間差がある。そんなにすぐに結果は出ないから、トリムを取る前にしっかりホールドして速度がどこでとまるかをチェック。あせらない。

e.g. CLIMBING to LEVEL OFF
50ft手前からピッチDOWNで高度を合わせていくとき、Bang onしRPMそのままだと速度が上がってくる。2300rpmにあわせて速度が90ktで止まるかどうかをチェック。止まらないということは、ほしいクルーズ速度に対してピッチが違うということ。これを計器ではなく外を見ながらできるようになることが重要。外の見え方で姿勢が決まり、姿勢が決まると速度が決まるということを頭に叩き込むこと。PWR -> ATT -> TRMのプロシージャの目的を理解して、まずは全部をスムーズにつなげる流れを考えなくてもできるように。一発で乗るかどうかは精度の問題で、高度が合わない場合も同じ。外の見え方をつかむまではブレるだろう。

パワーは音や振動である程度RPMを予測できるように。外見ながらできないとだめ。

プロシージャや計器チェックで視線をはずすとすぐにぶれる。そこはがんばる。笑



コースト沿いに雲が並んできたぞ。。。

結局、外のVISUAL REFERENCEがしっかり取れていないことがすべての元凶。合わせよう合わせようとして計器ばかり見ており正しいスキャニングがまったくできていない。外を見て、結果として計器をみたら合っていました、しかも毎回。とならないとだめ。車だって外を見て運転するでしょう。

車と違うところは、高度が変わるということだ。気にしなければならないことが1つ増えるから難しい。これを管理するために、パワーセッティングが決まっているのだ。「こういう状況にはこれだけのパワーがほしい」という風にマニュアルに書いてある。毎回同じように飛ぶためだ。道路がないから、パワーセッティングで架空の道を作っているようなものかもしれない。


VFRのくせに、80%くらい計器見ていた。逆だ逆逆。明日は計器を隠して飛んでみます。。。


【明日の課題】
・VISUAL REF.・・・上記のとおり。ビシッと決まる位置を絶対につかむこと。
・ATC・・・練習必要。さっそく今日CORRECTION使いました。すみません。
・CHECK LIST・・・ぱっとさっと。でも理由は押さえて。


     2010.11.26 Friday
月曜は、2回目のフライトだ。さらに負荷の増したトレーニングが始まる。一部を書き出してみると、、、


2000ftで水平飛行

Best Rate of Climbになるようにパワー・姿勢・トリムを調整 →LOOK OUT、姿勢、計器チェック。

15°のバンク角と一定の姿勢で昇りながら左に曲がり(Climb Turn )

90°左を向いたところで再びBRCに戻す。

上りながらレベルオフの高度とリファレンスを確認、LOOK OUT。

姿勢・パワー・トリムを調整、水平飛行へ。LOOK OUT、姿勢、計器チェック。

Medium turnのリファレンスを確認、LOOK OUT。

30°のバンク角で左旋回。姿勢。

90°曲がったところで水平飛行セット。

次の左ターンに向けてリファレンス確認。

30°バンク。ターン中もLOOK OUT、姿勢、計器のチェックを繰り返す。

ターンを戻してすぐにDescendingの準備。リファレンス、姿勢、mix & Cab Heat

パワー・姿勢・トリムでセット、LOOK OUT、姿勢、計器チェック。

早めにリファレンスを確認。LOOK OUT、最初の高度に向けてDescend Turn、LOOK OUT、姿勢、計器。

90°左向いたら戻してDescendingに。最初の高度の手前100ftでCab Heat Off リファレンス。

パワー・姿勢・トリムで水平飛行にセット。

以下同文。

要するに、高度を上げたり下げたりしながら長方形にぐるぐる回っているだけだ。世界中のパイロットがみんなこんなに複雑なことをしながら飛んでいるのかと思うと、皆神様に見えてくる。まぁ今はそうだが、そのうちできるようにはなるだろう、ここで教官から一言。


「これ、月曜までに(少なくとも地上では)完璧にできるようになっていてくださいね♪」


ひー。ATCもチェックリストもまだまだなのに。。。orz CPLの授業の復習もあるし。




飛行機は、パワーと姿勢でコントロールする。パイロットが操るのは、パワーと姿勢だ。大事なのでもう一回言うと、パワーと姿勢だ。パワーと姿勢の組み合わせが、そのまま速度と高度になって出力される。パワーと姿勢をビシッとあわせて、チラッと計器を見たら90ktsで高度びた一文変わらない。というのが理想。その応用として旋回があり、その二つの組み合わせがある。最初に計器を見てはいけない。計器はあくまでチェック用。


昨日も書いたけれども、つくづく思うのは、今私がいるフェイズの重要さだ。私が勉強しているのは、飛行機の飛ばし方そのものもそうだが、それよりも「勉強の仕方」を勉強しているように感じてならない。パイロットは引退するまでチェック、テストの繰り返しだ。パイロットの訓練は、とにかくお金がかかる。私が乗るプロペラ機ですら、1時間で1万円以上を燃やしながら飛んでいる。これが航空会社の訓練ともなれば、一人前のパイロットを育てるのにかかる費用は数億円規模になる。だから、ラインに入った後の訓練はものすごく短い。そして、その短い期間で結果を出せない者は、どんどん切られてしまう。短期間で自分に足りないものを発見し、修正して、できるようになって、それをチェッカーに見せる、という流れそのものに慣れるようにしないと、たとえ運良く航空会社に就職できでも、いつかフェイルしてしまうだろう。


「そのうちできるようになるだろう。」


半分正解、半分誤解。実は、今はどちらにもいける。自分でお金を払っているから、落ちたらまた受ければいい。お金を払いさえすれば、それはできる。でも、仮にそういう考えでいって、お金を誰かに出してもらって訓練をするフェイズに移ったとき、どうなるだろうか。


どうやら、月曜までに完璧にするしかなさそうだ。。。ぐはー。
     2010.11.25 Thursday
DELTA UNIFORM PAPA,

ECHO 14,

REQUEST TO TAXI FOR SEALED 02,

INFORMATION MIKE 1016.


プリフライトチェックに40分もかけて、飛行場に向かった。飛行機のコールサインは D U P。

芝生の上でタキシングを一瞬練習した後、すぐに舗装路のTAXI WAYへ。1000RPMでもどんどん加速してしまう。目線が下がる。なかなか鼻先がセンターラインに合わない。ラダーペダルを使ったステアリングは、かなり難しい。スロットルを閉じても、一度出た速度はなかなか下がらない。ブレーキを使うしかなくなってラダーペダルの上についているペダルに足を置こうとした瞬間に、機首が右にぶれた。アサッテの方向を向く。ハンドルにブレーキがついているようなものだ。ブレーキを使わなくてもいいように、スロットルをもっと慎重に操作しないとだめだ。ほしい速度を見越して、必要なだけ、、、

クリアランスが必要なTAXI WAYの手前まで来て停止。さぁRADIOの発信ボタンを押し込んでクリアランスをもらうんだ。さっさと出発しよう、さぁ押すぞ。


さぁ押すぞ。


。。。親指は断固として動かない。親指 NEGATIVEである。


どうにか神経を接続し直し、操縦桿の左側についているボタンを押して言った言葉が、冒頭のフレーズだ。クリアランスをもらってTAXI WAYへ進入。タキシング中、頭の片隅に転がっていたLINE UPチェックリストをかろうじて終え、LINE UPのリードバックで自分のコールサインを2回言い放ち、フルパワーで加速。ラダーでセンターをキープ。操縦桿を引く。微妙にずれているな、とおもってふと横を見ると、景色がやけに小さい。


あれ、浮かんでる。。。


人生初の、自分で操縦する飛行機のエアボーンのタイミングは、なんだか良くわからなかった。


ライトターンし、PIER DEPARTURE というルートで海を目指す。海上の空域でCONTROL EFFECTを学ぶためだ。プロペラの軽快な音が、早く行こうぜと自分を急かしているように聞こえる。眼下の景色は、昔よく行った交通博物館のHOゲージのジオラマみたいに精巧だ。赤い建物が目立つ地域が見えてきて、NORTHLANDS MALL だと教官が言う。はて、どこだっけそれ。(これだよ。。。orz)

海が見えてきて、海岸の先っちょに桟橋が見えてくる。この前行った、ニューブライトンの桟橋だ。5分も経っていないように感じる。こんなに早く着くのか。その先の空域が、New Brighton GAA。そこでいろいろやる。進入するにはタワーからのAPPROVALが必要だ。そのためのフレーズは、、、、


すいません、わかりません。知ってるけど、今はわかりません。


"D U P, PIER 2000ft ENTERING NEW BRIGHTON."


海上に出た後、アクティビティが始まった。エレベータ、エルロン、ラダーをそれぞれ使った場合、飛行機がどんな動きをするかを見る。エレベータを引く。高度が上がり、速度が連動して落ちていく。エネルギーが置換されている。エルロンを使って機体を傾けると、いつの間にか高度が落ちている。500fは落ちた。最後にラダー。感想は、キモチワルイ。

教官のアドバースヨーを体感した後、しばらく自分で好きにやっていいという。おとなしくしていたら、もっとポジティブにやっていいというので、スパッと寝かしてピタッととめてグイーと曲がってみた。Gがかかって体が重くなる。いつの間にか鼻先から水平線が消えて、目の前に海面が広がっている。機首が下がって、高度が落ちているのだ。エルロンだけを使って無理やり曲がっているので、飛行機が滑ってSPIRAL DESCEND に入っているのかもしれない。3つの舵を同時に、適切に使わないと、一定の高度で滑らずに旋回することはできないことを体感した。高度計を見ると、やはり下がっている。エルロンを逆に切って戻す。ぐりんと戻る。後ろに乗っているTAKAは、さぞキモチワルイことだろう。その後、上空でTAKAとスイッチして(さらっと書いたがかなり難儀である。)私のフライトはそこで終わった。

今日のフライトでは、飛行機の状態を把握するのに水平線をまったく使えていなかった。たとえば、アクティビティ中に「じゃぁ高度を落とさないように回ってみよう」とするとき、自然と高度計の針に目が行ってしまう。そして、その針が動かないように動かないようにとコラムを操作してしまう。そうではなくて、

水平線を基準にして姿勢を決め、諸元をあわせて、その結果として望んだパスを通るという過程を踏まなければならない。この辺を次の課題にしようか。。。


実際にフライトしてみて感じたのは、今後数十時間のフライトがもっとも大事なところなのだろうということだ。飛行機を飛ばすというのは、1にも2にも「情報処理」だ。飛行機を飛ばしながらRADIOを聞き続け、周りを見張り、課題に対処し、地上に降りる。エンジンの音に象徴されているように、すべてがものすごい早さで自分にIMPOSEされてくる。それをどうマネジメントするのかということが「フライト」だ。最初の数時間で自分に何が足りなくて、そのためにどんな努力をどれだけすればいいかをつかまないと、CPLを終えることは難しいのかも知れぬ。なにしろ、30分で100ドルだ。楽しい楽しいといっているだけでだめだ。。。


あー!!楽しかったーーー!!!!!
     2010.11.24 Wednesday
今日はFRTOの試験だった。

これで、PPLの学科試験がすべて終わった。試験に慣れてきたのもあるが、勉強のコツみたいなのがつかめてきた。PPLの学科試験は、その量に比して期間が短かった。ものすごく大変だったが、今思うと「勉強のやり方そのものを勉強した」ようにおもえてくる。シラバスが良くできているのだろう、PPLで習ったことは、なんだかんだでそれなりにちゃんとできるようになっている。やるべきことをしっかりと満遍なくやれば、一定の能力が付与される。ちゃんとした教育を受けるというのはこういうことなんだとおもった。笑

基本的には授業の内容をその日のうちに復習することだ。これが間違いなく鍵で、今週から始まったCPLの授業でも毎日復習をしている。当たり前に聞こえるけど、毎日、絶対に、欠かさず、というのは結構しんどい。午後はフライトの準備がありそちらも復習が必要なので、物理的に時間が足りない。最近は少し寝不足だ。

授業以外のものとして、前のエントリーに書いたFRTOの授業の録音音声(6パートあるうちの一番好きなパートをひとつだけ。44分間。)を聞きながらシャドウィング、というのも毎日やっている。先生が言っていることを、その音を、本当にEXACTLYにコピーする(ようにがんばる。)これをやり始めてから、自分の英語が少し変わった気がする。ここ2,3日で、明らかに変化した。KIWIとの会話もスムーズにいく確率が上がってきた。多分、授業の音声というのが良いのかもしれない。人に何か教えるときの表現は、わかりやすくて使いやすい。そして、表現というのは1度使えば自分のものになる。



ATCも、メタクソ早く明度の悪い録音音声を聞いたり、授業で何をどのように言うのかを習ったりしたあと、ふと今日聞いてみると(TWRのATCがカフェラウンジに垂れ流しになっている。)


「あれ、意外とわかるぞ。。。!!!?!」


先週まで雑音にしか聞こえなかったものが、少しだけだがわかるところが増えてきている。びっくりしてしばらくそこにいたが、やはりわかるところが増えている。


ちゃんとした教育を受けるってことは、こういうことなんだ、
少し前までできなかったことが、できるようになるということなんだ。
こうやって少しずつだが確実に技量を積み重ねていった先に、、、


いやいやそんな先のことはまだいい、明日はいよいよ初フライトだ!!(早よ寝ろ)
     2010.11.21 Sunday
昨日のRADIOの授業はすごくおもしろくて、こういう人になら金を払っても良いな、とおもった。残念ながら、教科書をただ読むだけのインストラクターもいる。とても退屈だし、授業の意味がない。

だが昨日の彼はまったく違って、ある事柄に対し「なぜそうなっているのか」ということに自分のユニークな視点から解説を加えてくるので、理解が深まり、記憶にも定着する。さらに、ことあるごとに自分の体験からくるストーリーを交えて説明してくる。教科書の機質な文字の羅列が、強烈なリアリティをもって立ち上がってくる。自分の身にも起こりうるんだと、脳裏に刻み込まれるのだ。そして、必ず話にオチがある。すばらしい。

昨日の授業は、日本から持ってきたボイスレコーダーでフルに録音した。今日はその一部を聞きなおし、シャドウイングをしてみた。授業の復習と英語の練習を同時にやろうという魂胆である。しばらくシャドウィングをしていて、気づいたことがある。英語の「発音」とよくいうけれど、彼らと同じ音を出すには口にだけ注目していてはいけないということだ。彼らとは、息の使い方が違う。

スピードについていけなくなるとき、自分の発音が「JANGLISH」になるとき、そういう時はいつも、息が足りていないときだった。ブレスをした直後は、かなりついていける。でもすぐに、空気の流れが足りなくなる。日本語の発音は、必ずしも口から空気が勢いをもって出て行く必要がない。多分、すべての音に母音がついているからだと思うのだが、英語はそうではない。気管・口・その外の間を空気がどう流れるかで音が変わるし、母音と子音が独立している。

たとえば、日本語で「あ」と認識される母音は、英語ではいくつに分かれている。(STAFFとSTUFFの違いとか。)正確な音を作ることと、それを相手の耳まで届けるために、英語を話すときには声量そのものをまず、大きくしなければならないのかもしれぬ。腹にためた空気を、気管を大きく広げて、一定で吐き出しながら唇と舌でMODULATIONする。声は低くなる。自信に満ちたような声だ。なんでそんなことに気づいたのかというと、自分の声を録音して聞いてみたためだ。



シャドウィングした後に、法律の文章↑(題材はなんでもよかった)を音読し、それを録音してみた。聞いてみると、まるで風邪気味でやる気のないドナルドダックのような声が、ただし口先だけは英語の発音でしゃべっている男の声が、聞こえてきた。唇や舌で作る英語の音のひとつひとつは結構上手なんだけど、腹から声が出ていないのですごく無理しているように聞こえる。あのインストラクターの声に比べると、単純に声が届いていないという理由で聞きにくいところもある。日本人の英語が理解されないのは、発音じゃなくて腹から声を出していないからなのかもしれない。そこで、こう考えた。


「これは音読ではない、カラオケの練習だ。」


まるで、歌を歌うように文章を読み始めたところからは、その聞こえ方は格段によくなっていた。空気の通り道が広くなって、余裕を持った空気の流れがあって、その流れを口先でちょっと変えるだけだから、声が良く響いて聞きやすい。しゃべっているときは、すごく大げさに感じたが、実際に聞いてみると英語としてはまだ弱いくらいだった。航空英語証明を受ける前に、自分の声を聞いておいて良かった。今のままでは、聞こえづらい。故に、英語っぽくない。

今日から毎日やることにしよう。変化が楽しみだ。
     2010.11.20 Saturday
今日は土曜日だけど授業があった。
PPLのFRTO(Flight Radio Telephone Operation?)である。

航空無線通信士みたいに、「スーパーヘテロダイン受信機」とか「電流増幅率のαとΒの関係式」とか「平衡変調回路の出力の周波数成分」とかそういう単語は出てこない。はじめのほうにちょっとだけAMとFMのMODULATIONやVHFラジオの特性ついて触れたあとは、実際のATCのやり取りを具体的に学ぶ。インストラクターがまた面白い人で、背もでかけりゃ声もでかい。皆が眠くなってきたなーってところで、おもむろに事故などのエピソードを披露してきたかとおもうと突然、

「BANG!!!!!! BBBBBBLAARAB!!!!!!」

だって。笑 どうやらENGINE FAILURE でプラグが吹っ飛んだときの音を表現したらしい。したたかな戦略だ。確かに目は覚めた。笑  授業の中で、いくつか興味深い動画を紹介してくれた(YOUTUBEから)のだが、そのうちのひとつがこれだ。



AIR CHINA981と KENNEDY GROUND のやりとり。みんな笑っている。私も笑っていたが、顔は引きつっていたかもしれない。飛行機がいくら進化しようと、外をしっかり見て、トラフィックや管制としっかり話す、ということの重要性は変わらない。ATCは、妥協したらプロになってもこういう風になってしまうのか。でも、ここで1年鍛えればこのAIR CHINAの人たちよりはうまくなれるだろう。なにしろこっちのATCは半端じゃない早さで、なに言っているのか、さっぱりなのだ。



授業が終わった後は、ハンガーに向かう。飛行機のコクピットでチェックリストの練習をするためだ。体で覚えるまで繰り返さなければ。雨も降っているし、授業が終わった後のハラペコ状態でチェックリストの練習をする酔狂な輩は俺だけだろうな、とおもってハンガーのドアを開け、使う予定のチェロキーに向かって2、3歩歩いたところで今度は、


「DADADADADADADAA!!!!」だって。笑


KIWIが二人、アルファという飛行機に座って同じようにチェックリストの練習をしていた。アルファはアクロの真似事ができるスティックタイプの操縦桿を持つ飛行機で、Gメーターがついている。戦闘機を彷彿とさせるコクピットからバルカン砲でも撃った気でいるんだろう、しょうがないから蜂の巣になってやった。ピヨりながらゾンビみたいな足取りで近づいて、2,3言交わしてさっさとチェロキーに向かう。笑





チェロキーのコクピット。古臭いのがいい味出しているでしょう。

練習をしていて、突然、あーやっぱりか、とおもった。クラスメイトの中で、日本人(というか私)以外は、そんなに根詰めて勉強勉強する感じじゃないと思っていたけれど、あーやっぱりやっている人はいるんだなと。当たり前だけど、KIWIとかINDIANとかJAPANESEとか関係なく、その人がどんな人かによって、どんな態度で訓練に向き合うのか決まるんだ。

そして、それが一番大事なことなんだ。

     2010.11.17 Wednesday
クラスが2つに分けられ、午前中にCPL学科の授業をして午後にフライトをする組と、その反対になる組ができた。

私は午後フライトの組。ただ、実際のフライトはまだ先だ。日本人には若干異なるストラテジーでカリキュラムが組まれている。日本人以外は今日が初フライトの日となり、サーキットパターンなどを適当にやってログブックに時間が記載されたようだ。訓練生は皆20才前後で若いので、モチベーションを切らさないという意味もあるのだろう、ただ、何もわからないままただ飛ぶだけでは金の無駄だ。日本に帰ってからのことも考えて、我々はプロシージャやチェックリストやその他必要な情報を頭に叩き込んで準備が完了するまで、飛行はお預け。orz

でもこれは、いいことだ。飛ぶのは楽しいだろうけど、無駄なフライトは学校の懐が潤うだけだ。飛行機は、お金を燃やしながら飛んでいるといっても過言ではない。


PPLでは、"THE BLUE BOOK"というふうに呼んでいる分厚い教科書を参考書のように使い、実際の授業ではインストラクターがその内容を要約したワークブックに沿って進行した。さーて、CPLのワークブックはと、、、





ブルーブックと同じ厚さじゃないカー!!!

orz


まぁいいや。PPLのベースがあるからなんとかなるだろう、実際に今日の授業もPPLのレビューから入ったし。
で?10時からはLAWだって??





AIP NZ VOL.1、VOL.4 と CAR PART集。。。 はいはい、文句言わんとやりますやります。ちなみにAIPは一冊 70NZD+更新料100NZD。VOL.4はPPLのときに買った。最終的には4冊買うんだろうな、、、


気を取り直して、午後はプリフライトチェックのやり方を。飛行機の周りを反時計回りに1周しながら飛ぶ前の点検をする。途中、A-4スカイホークみたいな形をしたジェット機がすぐとなりのTAXI WAYを通過してうるさかった。なんだろあれ。NZCHにはあんまり来ない機体のようだが。。



プリフライトチェックをしていた機体のエンジンオイルが少し足りなかったのでハンガーに戻ってオイルを取りに帰ったら、旅客機が1機GO AROUNDしていた。何事かとおもうとさっきのジェット機がRUNWAYからすごすごと戻ってきている。

まさか、やっちまったのかな。。。





これはハンガーにあるGPU。かわいいでしょう。こう見えても中にでかいバッテリーが入っていて、エンジンスタートにグランドのアシストが必要な機体に電力を供給する力持ちです。あれ、いつもハンガーにいるCUBがいないぞ、、、



FUEL STA.脇をタキシングしてた。尾輪式なのでジグザグに進んでいる。そうしないと前が見えないため。


その後もチェックリスト、NOTAM、MET INFO、REPORT POINTSの場所などプラクティカルな講習が進む。やることはたくさんあるぞ。ということで、今日はここらへんで宿題に移ります。
     2010.11.16 Tuesday
明日からCPL学科授業(午前)と、フライト(午後)が始まる。といっても、実際に飛び始めるのはもう少し後。実際に飛行機のエンジンをかけるためのプロシージャなどを習う模様だ。やることがだんだん増えてくる。


どんな訓練になるのかな、あぁ楽しみだな。この学校は飛ぶまで結構かかったけど、事前にたくさん勉強できたのは良かった。


誤解を恐れずに言えば、フライトスクールってのはどんなに「いい学校」でも、結果的に「カモられる」可能性がある思ったほうがいい。学校だって利益を出さねばならぬ。ぽーんと数百万分のエサをつけた釣竿を海に投げ入れて、どんな獲物を吊り上げるかは、ひとえに学生側のモチベーションにかかっている。

つまり「いい学校」というのは、学生の目的によって異なるということだ。考えられる選択肢は「あまり吸収できる情報量は期待できないけど、物凄く安いところ」か、「リソースはたくさんありそうだけど、高いところ」だ。どっちも一長一短。ただし、仲介業者が入って「高い」ってところは避けること。そんなのは、魚がいないのに入場料が高い釣堀みたいなもんだ。自分がどんな魚を、どういう理由で釣り上げたいと思っているか、よく考えて決めればいい。



ある朝の ALTO-CUMULI...

私が今の学校を選んだ理由は、機材の整備体制が整っている(訓練中に死にたくない)のと、ICAO準拠のプロパイロットになるためのシラバスを組んでいることと、仲介業者ではない形で日本人教官がいる(日本での訓練を見越した訓練ができる)のと、英語をうまくしたいのと、訓練期間が長いこと。時間を基準に考えたら、コストパフォーマンスは高い。あとは、海外に住むってことの雰囲気をつかみたかった。

日本での書換え訓練が物凄く高いわけで、そこでスタックすると、経済的な理由で訓練をあきらめなければならなくなる。それだけは避けなければならない。だから、日本の訓練を始める前に飛行機のコントロールを完璧にして、フライトの考え方について自分のスタンダードを確立しておきたい。



本当は、学生側がここまで考えた段階で「じゃぁ、学校はどこが良いかな」という問いが初めて意味を持つのだとおもう。学生の要求が高くなっても信頼できる情報を提供できる学校を選ぶ必要があるからだ。「もっと大きい魚を釣りたいんだけど」という学生に対し、「もうデメキンしか残ってません」というのでは物足りない。

日本での書換え訓練も同じだ。書換えだけするのに1000万円も払うのに納得がいかないとブーたれていたけれど、学校から何をどれだけ引き出すかは自分の責任だと言ったばかりだ。いくら金を積んだって、それに見合う収穫を引き出せれば、それはいい取引だったといえる。単に「どこが就職に有利ですか」とかそういう頭ではカモられて終わるだろう、訓練の前後で技量に変化がないとしても、それは自分がまぬけなんだ。

C制度(自社養成)受けているときから感じていたけれど、みんな結構「会社は、学校は、どこが有利か」という問いの立て方しかしていないように思う。この業界の一時の「有利さ」なんてどこにもないはずなのに。強いて言えば、自分が世界中どこでも飛べるパイロットになることが、唯一の道。

会社や学校にぶら下がるんじゃない、自分で戦略を立てて、生き抜くんだ。 自分の中にスタンダードをもって、それを学校や会社のスタンダードと比べて、 不足があれば吸収し、先を行っているならさらに上質な情報を要求しなきゃ。

     2010.11.15 Monday
JALの乗務員に対する整理解雇のニュースを知った。

HUMAN FACTORという科目(ちょうど今日テストだった)で学んだのだが、整理解雇の対象になるかならないか、というような状況に長く乗務員を晒すのは、安全上好ましくないとおもう。

航空用語で「STRESS」というとき、それは大きく分けて2種類ある。「DIRECT STRESS」と「INDIRECT STRESS」と呼ばれ、前者は飛行中、後者は地上にいるときにパイロット個人にかかってくるものと考える。「自分が整理解雇になるかならないか」というような心配は、「INDIRECT STRESS」に該当する。まぁ、ちょっと想像すればわかるけれども、個人の感情に強い不安感を与えるような状況下で旅客機を操縦させるということは、安全上、好ましくない。

JALは、できるだけはやくこの状況にキリをつけるべきだ。労働組合と争っている場合ではない。人員削減が本当に必要なのであれば、いつかは切らなければならなのだから。


あえてニュースから受ける印象を率直に述べれば、解雇されるパイロットの側も、自分のキャリアを会社に全面的に依存するのではなく、経験を積んだ「パイロット」として自分を売り込むような営業努力をするべきだと思う。(私が言うまでもなく、もう動いている人たちはいらっしゃるだろうけれど。)海外ではパイロットは契約制であることが一般的だし、日本の空だって外国人の機長がたくさん飛んでいる。日本のパイロットはどうして海外に行かないのだろう。これからやっとこさ訓練を始める私から見れば、実際にジェット機を運航されているなんていうのは、それこそ垂涎の経験だ。そんなすばらしい経験を武器されたら、私なんかまったく太刀打ちできないのに。


どうにかこうにか太刀打ちするために、世界中どこでも飛べるパイロットになるために、英語に気象に飛行機のコントロールにがんばります。今週からいよいよフライトのためのグランドコースがスタートしまっせ!!
     2010.11.10 Wednesday
Human Factors の授業は結構面白いのだ。面白いけど、単語の羅列が。

Hypoxia 低酸素症
Cornea 角膜
Disorientation 方向感覚の喪失
Semi-Circular canals 三半規管
dehydration 脱水症状
Solubility 溶解度
Coronary Thrombosis 動脈血栓症
Alveoli 肺胞
Myocardial Infraction 心筋梗塞
Trachea 気管
Atrium & Ventricle 心房 & 心室
Gastro-Enteritis 胃腸炎
Angina 狭心症
Eustachian 耳管(エウスターキー管)
Circadian rhythm 概日リズム(体内時計)
Zeitgeber 人間の体内時計25h周期を24hにリセットする刺激=timegiver
Debilitating 衰弱
Seizures 卒中
Apnoea 無呼吸症
Chronic fatigue 慢性疲労

医者か!!でも、ニホンゴで聞けば全部わかるもんな、どのくらい一般的な語彙なんだろうか。。。


最後のChronic fatigue は、日常生活にも応用可能な考え方だった。

ストレスがかかると人のパフォーマンスは落ちていき「Tired」の状態になる。ある時点で睡眠や気分転換をすると「Recovery」するのだが、それがもともとあったレベルまで十分に回復せずに続くと、「Fatigue」という状態になる。



ノートに図を描きながら、ブログを書いていることは多分私にとっての「Recovery」なのかな、などとおもったりする。勉強は楽しいけれども、performanceが経時劣化していくのは避けがたいわけだし。科学的にも、気分転換は必要だったんだ。いらいらしているときは、なにか違うことをして Performanceを回復させよう。


もうひとつ紹介すると、「Demand & Capability」もある。

離着陸や、クルーズ中の悪天候など、求められる対応のレベルが高いことを、「Demand」(下記赤線)
それに対する自分のキャパをそのまま「Capability」(下記緑線)と呼ぶ。



状況がシビアになっていけば要求される対応のレベルが上がっていき、「Demand」は上にスライドする。
病気だったり、いらいらしていたりすると、対応できる技量のレベルは下がっていき、「Capability」は下にスライドする。

そして、両者が近づき、ついに交差すると、「Accident」が起こる。。。

ふーむ。至極当たり前のことだけど、メカニズムを図式化されると、自分が疲れているときに、これは「Fatigue」なんだ、「Capability」のスライドなんだと客観視しやすいような気がする。結果として判断ミスを防げるだろう。


ところで、さっき気分転換は必要だなんていいましたね。


気分転換してきました。




Avonhead Parkというところで、クラスメイトと1時間ほどサッカーしました。



この広さの芝生「ゴール・ライン付」でフリーなんです。タダなんです。

最高に気持ちいい!!この空の色、画像加工してませんからね。NZは空気が澄んでいて本当に空がこんな色なんです。準備運動していると、でかいおっさんが近づいてきて、なにやらわめきだした。どうやら一緒にやろうということらしい。快諾して試合が始まる。これがまたSo Competitive!!

おっさんはでかいわりに足元が強くて、しかも早い。そして本田ばりのナックルシュートを打つという三拍子そろったストライカーだった。ただ、うるさい。トルシエかとおもうほど、やたらとわめき散らすのだ。当たりももちろん強く、必死に白人のMomentumに耐える。わりと削ってくるし。

「On the line, On the line!!」(サイドライン際にいろってね)
「Man on!!」(これは日本でもあるな)
「Pull it Pull it!!」(なんだろこれは)
「Heeeeeeeeey!!!!!!!」(笑)



そして私の足に異変が起きたのは、最後の10分くらいになった時だった。

もともと兆候はあってだましだましやったのだけれど、スライティングで相手のシュート的なアレをとめた瞬間に、両のふくらはぎがバッツリとつった。やばいとおもってすぐに伸ばしたのだが、今度は脛の前の前頚骨筋がつった。
「脚がつる」、って英語で思い浮かばなかったので、


俺の両脚が Hypoxiaを起こしている!!


と叫んだら大笑いになった。今日授業で聞いたばかりだったので、気の利いたジョークだとおもったのかもしれない。気を利かしている場合ではない。なにしろ、両足の拮抗筋同士がつっているのだ。治療できないではないか。。。

まぁなんとかがんばったけれども。あーびっくりした。









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2013インストラクター
2018エアライン

命を削って、ニュージーランドでキャリアを掴む
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