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     2023.10.29 Sunday

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     2011.05.29 Sunday
最近は着陸、特に接地直前が下手になっていると感じる。


・金曜日のDUALにて。あえて雲の低い日に山。谷間に雲!!さぁどうする?


最初に習ったフレアは、ROUND OUT とHOLD OFFとに分かれている。今はこの二つに分かれていたフレアを継ぎ目なくスムースにやることを目指している。THR50FTの地点から、BASIC STALLのMAINTAIN HEIGTのイメージでパスを変えずに姿勢だけ変えて、接地に向けて機首上げの姿勢をつくり、接地直前はGROUND EFFECTも利用して降下率0で降りる、というのが目標だ。

だがうまくいかない。最近の自分を観察し、同期とのDISCUSSIONでわかったことがあるので、羅列してみたい。

- AIMING POINTを最後まで見すぎると、機首上げ姿勢を作らずにそこに突っ込んでいってしまう。
- その結果、最後の最後でROUND OUTを急激にやらなければならず、エネルギーが残っているので浮いてしまったりする。
- PATHがSHALLOWなくせに、ROUND OUTが早い。



・地表が見えるところを確保し、上がって様子を見る。


はじめはROUND OUTとHOLD OFFを明確に分けていた。仕事をはっきり2つに分けることで、しっかりエネルギーをそぎ落とせていた。今はこの継ぎ目をなくそうとして自分でも継ぎ目が見えなくなっている。継ぎ目は傍から見えないだけで、ちゃんとある。パイロットには、その継ぎ目は見えていなくてはいけない。

エネルギーが残っているもうひとつの原因は、接地からさかのぼったところにある。今は2機種(TOMAHAWK と WORRIER)に乗っているので、スピードの作り方が多少違う。DWのセットアップからそれぞれの機種にあわせたやり方で、必要なスピードを作る必要がある。

ROUND OUT のタイミングがつかみきれないのは、今までどおりの方法と継ぎ目なし方法をグシャグシャにしているからだ。継ぎ目なし方法では、ROUND OUTの前に姿勢を作る意識が必要だから、姿勢を作るタイミングではパスを変えてはいけない。つまり、ROUND OUT してはいけない。でも、今はしている。だから「早い」という評価に。


・VALLY FOGのような形でたまっている。予定していたARTHUR'S PASSも同じか。ここが通れなかったらどうする??


パスはキープしたまま、姿勢だけ上げて降りていき、その後にROUND OUT、姿勢は上がっているのでHOLD OFFの仕事はもう半分終わっている。そのまま接地させてもいいし、定点より衝撃を少なくしたいというINTENTIONがあるならば、長めにHOLD OFFしてもいい。

パスをキープしたまま、姿勢だけ上げる、というのは、STALLの時のようにやればいい。STALLの訓練の目的は、RECOVERYというより接地直前の着陸時の操作の練習だったのだ。LDG CONFIGのSTALLが完璧にできれば、着陸時にそれが必ず活きてくるはずだ。これからは EN ROUTE上の高いところで必ずSTALLをやることにしよう。



・西海岸への山脈を抜けるPASSの中で、ARTHUR'S PASSが一番低い。他のPASSも見てみるが、、、どこも一緒かな。谷間に雲があったら、入れない。雲で地表が見づらい中でのNAVIGATIONはものすごく難しいが、○と×を使い分けて、大きい目標でNAVIGATION。そして、どうする、ここからどこに行く?行けるという根拠は??


・・・さて、写真で見てきたように、金曜はDUALだった。SOLOではいけないような難しいコンディションでDECISION MAKING の訓練ができる。FASE1 CHKとWORRIER TYPE RATINGもかねている。後ろに男2人(RYO & TAKA)を乗せて、、、まぁそれはいい。前回のSOLOと同じフォーマットで評価してみよう。ここからはテクニカルかつ長くなるので、写真を楽しみたい方はこの辺にしておくことをオススメします。笑




[BASIC NAVIGATION]
POSITION FIX AND REPORT・・・今の私のLOCAL KNOWLEDGEでは、難しいNAVIGATIONのはずだったが、よくできたと思う。山脈の中の難しいNAVIGATIONで、かつ谷間にVALLEY FOGがある状態で、LOSTしそうになっても大きな目標物(今回は大きな川だった)に目を移して、ラフに当たりをつけることができるようになってきた。RYOによると、川を特定するのに、DIを使って方向を見るのもかなり有効だ。

EYE BALL・・・修行。

AMEND ETA・・・今回はMOUNTAIN FLIGHTにDIVERSIONだったので、そもそも正確なETAを出す優先順位は低かった。

AMEND SIRTIME IN FLIGHT・・・IMPOSEされる情報が増えても、SIRTIMEだけは忘れてはならぬ。今回のAMENDは、ほとんどすべて教官に「SIRTIME何時だっけ?」といわれてしまった後での処置だった。原因は、ルーティンが機能しなかったためだ。ABRIEFの最初にAMEND SIRTIME としてルーティン化していたが、今回のように山の中から離れた空港にDIVERSIONとなると、着陸態勢に入る準備であるABRIEFでは間に合わない。POSITION FIX時に時計を見ているので、その時に逐一SIRTIMEを見るようにしよう。「時計を見たら、SIRTIME。」

MAINTAIN HEADING・・・WORRIERのHEADING BUGをうまく使えていない。高度も同じ。NOMINATEして、その値を維持すること。CROSS CHKをもっと頻繁に。

DONT GET LOST!・・・POSITION FIXがうまくなってきたのでLOSTもしなかった。重要なのはLOSTしたかしなかったかではなく、正しい方法でPOSITION FIXした結果、LOSTしなかったということだ。後は、LOCAL KNOWLEDGEをつけていけばいい。



TIMARUへDIVERSION中。MOUNT COOKが見える。中央の平たいやつ。


[DECISION MAKING]
DIVERSION・・・ARTHUR'S PASS以外のPASSを3回見て、だめだこりゃ、となってから「TIMARUにDIVERTして」といわれた。この時私が一番最初にやったことは、地図を折りなおすことだった。この行動には、突っ込みどころがいくつかある。

まず、地図の折り方。DIVERSION でTIMARU(南方面)に行くことを考えていなかったため、計画しているルートが見やすいように折っていた。TIMARUに行くには、一度地図を元の大きさまで広げなければならず教官に「YOU HAVE」というしかなかった。今は一応1MANのコンセプトでやっているので、あまりよろしくない。将来ISLANDERに乗ったら、隣はお客さんだ。どこと言われてもすぐに地図を開けなければならない。南島から北島にDIVERSIONすることは考えづらいから、片側一面をいつでも開けるようにすればいい。最初に縦半分に折り、そこから蛇腹のように折れば、南島すべてを地図を広げることなしに見ることができる。ただし、計画したルートが見える範囲の端っこを通るような場合、その先が地図で切れていることになるので、やりづらいかもしれない。うーむ。。。

次に、HERO CHKの誤解。
DIVERSIONのCHECK LISTは、HERO CHK(HEADING ETA RADIO OBSTACLES)だ。最初は「HEADING。」これを誤解していた。地図にTIMARUが見えていないにしても、どっちに頭を向けるかは大体わかるはずだ。ならば、まずそちらにHEADING を向けるべきだ。INITIAL ACTIONが違った。

OFF TRACK ESTIMATION AND CORRECTION・・・今回は完全なる地文航法なので、評価外。

TRAFFIC SEPARATION・・・TIMARUとASHBURTONでお祭り騒ぎだった。

TU・・・RWY20にOVH JOIN。ところが、直交するRWY29でX WIND CIRCUITをしている現地クラブのトマホークが。そいつを視認して、こちらは北側からRIGHT TURNで20のLEFT D/Wに入る。飛行場は8時下方向、10時の方向に見えるトマホークは飛行場の向こう側だ。セパレーションを取るためにD/Wを延長してFINALを長く取る。RADIOを吹き込む。

「LJF DOWNWIND FOR 20 TRAFFIC INSIGHT ON CROSS FOR 29 NO.2」

その時、すかさずRADIOが鳴る。

「TRAFFIC FOR CIRCUIT 20, EAGLE345 IS AT SHORT OF RWY20. I WILL WAIT FOR YOU LANDING....」

イーグルのD1900がRWYに入る手前で待っていた。私が着陸するのを待ってくれるという。「固定脚のVFRがLINE機を待たせるとは、、、」と妙なプレッシャーを感じながらJOINING。分刻みのスケジュールで動いているIFRを待たせるわけには行かないので、SHORT APP に切り替えて APPROACH。

「API IS ON FINAL FOR 29」

これは、直交する交差点に向かって2機の小型機が同じところに向かって突っ込んでいっているということだ。やばい。これじゃぁぶつかる。

「LJF WILL HOLD AT 1NM WEST OF THE AIRFIELD. AND THE HOLDING BEECH, YOU CAN TAKE OFF FIRST.」

FINALでHOLDして、トマホークがT&Gで離陸し、EAGLEが滑走を開始した時点でFINALに乗せる。

以上の過程は、ほぼすべて教官のDECISIONだった。自分でできたことは、TRAFFICを目視で追い続けることだけだった。すごいのは、この1分くらいの間に、3回 DECISION MAKINGをしているということ。特に最後のやつは、SOLOではできなかったかもしれない。ライン機に話しかけられて、お前先にいけ、といわれて、それを覆すINTENTION をこちらから吹き込むというのは、実はかなり難しい。雰囲気にのまれてしまうからだ。自分より経験のある、ライン機のパイロットに言われたなら、それが正しいんだろう、という危険なMINDSETにかかりやすい。今回の出来事をお手本にして、自信をもってINTENSIONを伝えよう。


AS・・・「RYW34でBOMBING しています♪」なんていうRADIOが。滑走路に爆弾落としているのか?!と思ったら、34のLOW LEVEL CIRCUITをしながら、ものを落っことす競技の練習をしているらしい。SOUTHERLYの日だったので、RWY16をといったら、風がないから34でいいよと。なるほど。

34のSHORT FINALにいる黒いチェロキー(こいつが爆撃機だ)を見ながら、そいつの右側に向かって降下。高度をCIRCUIT HEIGHTにしてD/WにJOINING中、2マイル離れたところから同じく34D/Wに入ってくるというやつがRADIOを入れてきた。2NMならまだだろうとD/Wに入るよ、という旨を伝えてRWYをOVHすると、なんともうLATE D/Wにいるという。八木さんが「え?」と言ってコントロールを取り、180度旋回するまで失速警報をビッタシを鳴らしながらMAX RATEで緊急回避。TRAFFICを探す。。。

本当にD/Wにいた。双発機のようだ。それにしても速い。本当に2マイルにいたのだろうか。

いうまでもなく、これもDECISION MAKING。


MOUNTAIN FLIGHT・・・基本を忘れず。FLY UP-DROUGHT SIDE。谷の曲がり角曲がる時は、見えない向こう側に雲が張っている可能性を考えて戻れるスペースを確保してから。BAD WX CONFIGをもっと積極的に使うこと。

ETP & PNR・・・燃料の消費から後何分飛べるか、というのをラフにでも持っていないと、そもそもDIVERSION が成り立たない。積んだ燃料と飛んだ時間をチェックするように。

CLOUD AVOIDANCE・・・離陸前のRUNUPから勝負は始まっている。空港周りの、雲の空いているところを見て、必要ならDEP. ROUTEを変える。離陸後200-300FTくらいまでに、東西南北でどのへんが空いているのか、大まかな見当をつけておく。

雲が低い時に高度をすぐに上げてしまうと、雲が重なってどこが空いているのかわからないことがある。今回はまず南のTIMARU方面が明るいことを確認して(これが後のDIVERSIONの根拠になっている。)川沿いに山に入っていって、最初の中継地点であるARTHUR'S PASSまで、どうやっていこうか、というDECISION MAKING。「こうやっていきます。」と言うときに、最初に見ておいたラフな雲の状況を判断の根拠にする。DIVERSIONも考える。



あーつかれた。でも濃いフライトだった。DUALはこうでなきゃ。
     2011.05.26 Thursday
NIGHT FLIGHT をはじめてやってきた。



PA28-161 WARRIOR; GRASS COCKPIT が光ってる。この明るさ、意外と邪魔。

感想は、、、、エアラインの、特に労働環境があまり手厚く守られていないLCCなどのパイロットって、きっついんだろうなー、と。

まぁそれは冗談(?)だが、ものすごく疲れたのは本当だ。何しろ、18時半ごろ離陸して、帰ってきたのが夜中の1時だ。RYO TAKA ASHの3人+教官の八木さんで、一人1時間程度のサーキット。TU。KIWIはこんなやり方はしない。日本人だけだ。笑


夜のCHRISTCHURCH。光は穏やかなオレンジ色ばかりで、信じられないほどきれいだが、男4人で見るような景色ではなさそうだ。。。

RYOがMEDIUM TURNをやることになった。街の灯があるところで水平に曲がるなんでもないマニューバだ。イクラの集合体のような景色が一定のレートでNOSEの先に、左に向かって吸い込まれていく。TUに向かう途中のルートは、東側に海がある。右旋回は続く。海岸を越えたかなというところから、しばらくして奇妙なことに気づいた。RYOがどんどんバンクを深くしていっているのだ。まてよ、これはまずいんじゃないか?夜は上下左右の間隔がなくなって異常姿勢に入っていることに気づかない、空間認識失調(VERTIGO)に陥りやすいと習ったばかりだ。やばい、これ以上はやばい、スピンに入るかもしれない。RYOはVERTIGOに入ったんだ、と思って右に顔を向けた瞬間、さっき吸い込まれていった街が遠くに落ち着いた風情で横たわっていた。VERTIGOに入ったのは自分だった。

これは、恐ろしい。体験するとわかるけど、自分の感覚ほど当てにならないものはない、と頭に叩き込むために、NIGHTの訓練はある。そういっても、半分くらいは正解だと思う。ちょうど駅に向かって電車が減速している時、中にいる自分の体がどんどん傾いていくような感覚。あの状態でも、計器が水平なら計器を信じなければいけない。これは、言うほど簡単ではない。


TIMARU TOWN 昼間とは全然違う。

そこら中に「ブラックホール」としか表現しようのない景色が広がる中、「もしここでENGINEが止まったらどうする??」と何回も聞かれる。実質、この辺で降りられるのは海の上くらいだ。陸の明るい部分は下に人や車がいるので降りられない。たまにまったく人通りのない道路が照明つきであったりするが、それらの照明は、よせばいいのに道路の真ん中まで湾曲していたりして、飛行機には邪魔だ。だいいち、電線があるかもしれない。

重要なのは、妥協だ。THE BEST OPTION を探してはいけない。探している間に、落ちてしまうからだ。怪我は避けられないけど、死ぬことはない、とか、水にぬれるけど、海岸には近い、とか、何かしら痛いことは起こるけど、耐えられないほどではない、というTHE SECOND BESTを瞬時に決めて、それを受け入れることが最も重要で、最も難しい。人間はどうしても「ある程度の痛み」を避けたいがために、反射的に無謀で無意味な判断や操作をしてしまうのだそうだ。まぁ確かなのは、LIFE JACKETを積んだからって安心してはいけないということ。今、何も見えないコクピットに水が入ってきて、パニクらずにLIFE JACKETが操作できるかというと、きわめて怪しい。ドアは、一度沈みだしたら水が中に入るまで水圧で開かない。のど元くらいまで来てやっと開くのかもしれない。そういう訓練、できないものかな。やらないと、沈み行く機内から自分とお客さんをJASON BOURNEみたいに救い出すことなんかできるわけがない。BOURNEは助けられなかったけど。。。




TUにて。イーグルのD1900が放置してある。ライン機がこんなんでいいんかね。笑

夜のCIRCUITはまた全然違う。ATTITUDEがわかりづらいので、INSTRUMENTとVISUALをうまく使い分けて飛ぶ。
DWのスペーシングがよくわからないし、まっすぐ飛べない。RYOはDIを使うと言っていた。確かに、PATTERNがあってこそのSPEEDでありDESCENT RATEである。CIRCUITについてはまだ書きたいことがたくさんあるので、そのうち言葉にしておきたい。


TUには、誘導路灯がある。いつも帰省する時に通っていた国道16号の脇にある、横田基地の中に見えたあの青い光だ。大好きな光景だったが、それと同時に、大嫌いでもあった。フェンスの向こう側にあったあの青い光は、自分がAVIATIONという業界にまったく関与していないという象徴のような光景だったからだ。

でも今は、その境界線の向こう側にいる。




     2011.05.21 Saturday
SPIDER TRACKという、便利な代物がある。


GOOGLE MAP VER.


GPSを使って、飛行機が飛んだ軌跡をリアルタイムで追跡できる。うちの学校では、保険で使っている。学生万が一事故にあってもすぐに救助活動ができるようにだ。フライトが終わったあとの自分が通った場所をREVIEWできるので、フライトの復習にもいい。私はもっぱらこっちの目的で使っている。



VNC (VISUAL NAVIGATION CHART VER.)にもできる。



GOOGLE EARTH VER.

CSVデータをGOOGLE EARTHのアプリに落とし込めるので、自分の家のパソコンに自分が飛んだ記録を残すことも可能だ。そしてこの無料アプリには、デフォルトでついてくるフライトシミュレータモードというのがある。



NZCH RWY02にこんなバンク角で進入するんじゃだめだよ。。。


どうにかすると、このフライトモードを使ってSPIDER TRACKの軌跡上を動かすことができるらしい。そのやり方は、よくわからない。




さて、木曜 金曜と連続で飛んだ。久々に飛んだ。SOLOだ。課題はBASIC NAVIGATION。金曜のフライトプランはあえてCH-TU//-CHのシンプルなものにして、帰りの途中でWLへのDIVERSIONを指示される、というシナリオにした。地図に線が引いてない状態から、まずは、変更した目的地にちゃんと着くこと。できればETAを出すこと。AIR SPACEやTRAFFICに気をつけながら。それらを落ち着いて、AVIATE(SPEED HEIGHT HEADING)に影響させないように達成すること。

自己評価すると、こんなかんじ。



全然ダメです。orz

【DONT GET LOST!】
完全に迷子になることはなくなってきたが、これはこの地域に慣れてきただけだとも言える。POSITION FIXの評価が低いので、新しい土地やMOUNTAINOUS AREA に入ったらもっと下がるだろう。


【AMEND SARTIME IN FLIGHT】
前回の失敗を繰り返してはならぬ。ACTIVITY BASEの考え方で、常に気にできるようになった。ETA+30分というREFERENCEを持っているので、早めに更新しなければいけない時などは飛ぶ前からそのことに注意が行くようになって来た。


【MAINTAIN HEADING】
HEADINGの維持はできるようになってきた。SPIDER TRACKの軌跡がまっすぐになってきた。前はぐにゃぐにゃだったのだ。一定間隔のトラッキングなので、実際の軌跡を完璧に再現したわけではない。細かい摂動はあるが、今までよりはずっといい。

NAVIGATIONの際、大きな町や建物、橋や島、川やその河口など、特長のある間違えづらい物標をあらかじめ地上でチェックしておき、それらをつたいながら行くと絶対にLOSTしない。OVERHEADする必要はないので、HEADING を固定してそれらを常に視界に置きながらいけるようにするといい。(推測航法はまだテーマではない。)


【EYE BALL】
EYE BALLというのは、目測で地上の距離を測ることだが、これも難しい。チェロキーに何時間乗ってるんだ!!という教官の声が聞こえてきそうだが、できないものはできない。笑 自信がないので、目測しては地図に戻り、自分がいるだろうな、という場所とその物標の距離を何回も見比べてやっと

5NMくらいかな。。。

その間も飛行機は動いているので、その距離はどんどん変わっていく。

地上の風景は、高度によって見え方が違う。CHを離陸した後は、AIR SPACEの関係でしばらく1500FT以下を飛ばなければいけない。この高度でのNAVIGATIONというのはかなり難しい。遠くが見えないので、近視眼的になる。そしてその見え方に慣れてきたところで5500FT等に高度を上げると、かなり遠くの物標が近くにあるように見えてしまう。

それぞれの見え方を覚えなければならない。ノーズカウルの先に見える程度の範囲が、その高度 X 1NMの見え方(3000FTだったら3(000FT) X 1NM = 3NM)という目安もあるのだが、なかなか自信がもてぬ。また、高い高度でそれをやると、「3NM SOUTH OF ASHBURTON AIRFIELD」 と言った2分後ぐらいはまだ同じ位置にいるように見える。このテーマはかなり前から成長が見られず、行き詰っている。なんかいい方法はないもんかな。



【POSITION FIX】
評価が低いが、これはEYE BALLができていないことが大きい。EYE BALLができていないと、「物標に対して何マイル南にいます」という形でのPOSITION FIXができないので 当然REPORTもできない。また、私はPOSITIONをFIXするときに心のどこかで「ものすごく正確に×印をうちたい!」と思っているらしい。時々信じられないくらい近い間隔(2分後とか)で×が並んでいることがあるが、そんなの何に使うというのだろう。もっと「妥協」が必要かも。いい意味での大雑把さというか。


【AMEND ETA】
ETAは余裕を持って出せないし、出せても精度が低い。GROUND SPEED(GS)が正確に出せていないことと、その使いどころを間違えていることが原因だ。GSは二つのFIX間の距離を、それらの横に書いてある時刻から経路間の時間で除して出す。FIXは結構たくさんうっているにもかかわらず、それらを有効活用していない。そもそも、GSを出す目的はなんだろうか。

当然、ETAを出すことだ。だが「GSを、、、」と考え出す時は、AIR SPEEDに風の影響を考慮に入れ始めたということだ。これは、精度を考え始めたということじゃないか。もし「大まかな」ETAを出したいのなら、GSではなくIAS(計器に出ているスピード)で十分ではないか。とくにDIVERSIONの最初のETAを出す時は、そもそもGSが使えない。TMG(飛行した経路)がないから。なら、NAV COMにIASをセットしておいて、DIVERSIONした瞬間に「大まかな距離」をはかり、目盛りを読むだけにしておけば早そうだ。

GSというからには「精度」がテーマでなくてはならないはずだから、それを計算するための距離の測定も定規を使ってしっかり測る。ここを大雑把にしたら、意味がない。GSを出すときは「大まかな距離」ではいけない。DIVERSIONのときの最初の測定は切れ込みを入れた鉛筆とかでいいので10NM単位でラフに出す。GSの時は、今は1NM単位、最終的には0.25NM単位で出せるようになりたい。


こんな感じです。もしこのブログを見ているパイロットの方がいらっしゃいましたら、ご自身の体験やご意見など、どんな些細なことでも良いのでコメント欄にガンガン書き込みしてもらえるとうれしいです。他のパイロットが、どんなことを考えて飛んでいるかとても興味があるので、よろしくお願いします!!
     2011.05.19 Thursday
今週はちょいと風邪気味だった。熱はなかったし、軽い鼻かぜといった程度で飛べないほどではなかったが、キャンセルしてもよかった。だが、フライトをキャンセルするには医者の診断書が必要というルールに、16日から変わったのでしなかった。この学校の措置、あまりよくないと思う。

今までも天候不良によるキャンセルなど、基本的にすべて理由を付したキャンセルフォームを教官のサインつきで提出していた。ところが、「不当な理由」でキャンセルが続いて飛行機の稼働率が落ちたことから、キャンセル可とする条件を厳しくすることを、社長が決めたらしい。新しい条件にそぐわない理由でキャンセルした場合、300ドル以上のキャンセルフィーを取るという。

社長は稼働率を上げて利益を最大化したいのだろう。まぁ当然だ。知らなかったのは、基本的に学生は毎日「飛ばなければいけない」ということ。ふむ。飛ぶか飛ばないかは、学生が決めることじゃないということか。今までは、一日間を空けて、頭を整理しようというようなことは、前日までに予約担当者に言えばできた。だが、基本的なルールは毎日飛ぶ、なのだそうだ。へー。(今更。)

この認識の違いから、「不当な理由」によるキャンセルが増えたといわれたのだろうか。よくわからない。もっと単純に、仮病で休んだりした生徒が増えたのかもしれない。本当のところは知る由もないが、いずれにしても、フライトのキャンセルが難しくなった。

ルール違反者には厳しく接するということに、異論はない。よくないと思うのは、病欠に医師の診断書をつけろ、というくだりだ。医者に行く金なんかない。いや、あるけど無駄にしたくない。特に日本人はカツカツなんだぞ。そもそも、ただの風邪なら医者に行くより家で寝ていたほうが言いに決っている。そんなことするくらいなら、、、、ちょっと病気でも飛ぶしかないか、と。

そういう動機を起こさせる環境をつくるという点で、この措置はAVIATIONという業界にそぐわない気がする。らしくない。学生の命にかかわる。




さて、先日のテストの結果ですが。。。。



とりあえずよかった、パスした。。



NAVはTAKAと同じ程度の難易度のものが出た。ASLのテストは、生徒個人にランダムに違う問題が割り振られるので、同じ問題とは限らないのだ。かなりよい結果で、92点。それでもTAKA96点には勝てぬ。

うぬ!うぬ!(悔しがっている声。)

そしてLAW。これがひどい。IFRで飛んだことがない身にとって、この法律はかなりとっつきにくい。IFRのフライト全体のイメージがわかないので、ここではこういうことをしてこんなルールがありますよ、といわれても、ふーん。としか言いようがない。そして、細かい数字が多い。速度のRESTRICTIONなど最後は丸暗記だ。持ち込み資料(AIP VOL. 2 & 3)もあるが、問題の9割はVOL.1に書いてあることで、それは持ち込みできない。

ならば暗記だ!!教科書を丸暗記すれば100点が取れるはずなので、がんばって教科書のすべてのページにハイライトを引き、各章のREVIEWをすべてやり、巻末のSAMPLE TESTを2回やった。だが、ハイライトを引きすぎてあまり意味はなかった。笑 多分、数字の理由を知ることが大切なのだろうが、それには飛んだほうが早いように思う。笑

結果は、78点!!よかったー!!パスだー!って、PPLの頃の姿勢とはだいぶ違うな。。。笑 でもまぁあれだ。落とさない、ということが重要なんだ、どうせKDRで復習の成果を提出しなければいけないし。うんうん。きっとそうだ。

TAKAもやばかったらしい。なにしろ、勉強している時からわかんねーだの、記憶力が弱くなってきただの言っていた。テスト後も沈痛な面持ちで、落ちたかもしれないと心配していた。案の定結果は、


「90点♪」


ふざけんにゃろめーーーー!!!


「わかんなかったよ、わかんなかったけど、なんか取っちゃったんだよ。」


うるせーぞおめーーーー!!!!


IFRは得意技にしようとひそかに画策していたのに。じゃぁ引き続き大将に引っ張ってもらいますか。よろしく!!



     2011.05.16 Monday
最後のPROGRESS TESTで1人しか合格点が出なかった、INSTRUMENTAL RATING(IR)の本番テスト。日本人同期ではTAKAのみが今日、IFR NAVIGATIONの試験。



またやりやがった。



1問しか間違えなかったらしい。orz

週末勉強しまくった私の立場は、、、悲しくなるので明日、結果が出てから言います。。笑


でも先週教官の八木さんに言われたのは、パイロットはガリ勉じゃぁだめだってこと。ON/OFF をばっつり切り替える。わからないところは学校の教室で絶対に解決して、だらだら家で勉強しない。現実にそれが可能かは別として、少なくともその意識をもつ。それができないと、実際に業務に入った時に効率的に勉強ができないし、なにより飛ぶことが楽しくなくなってしまう。


確かにねーTAKAはねー。。。「いいところ」は見習います。プライドを捨てて。笑
     2011.05.12 Thursday
久々に飛べた。

Westerlyで荒れるかと思ったが、そうでもなかった。TIMARU便。地上で360/08KT V240-030、2000FTで320/21KT。離陸後にわりと強いPOSITIVE WIND SHIER。EN ROUTEで川を横切る時に、山からの吹き降ろしで何回か大きくフリップされたが、他は時々UP/DOWN DROUGHT につかまるくらい。


晴ーれーたー!!WESTERLYなので飛行機は西向きに駐機。


この学校では、NZの視程の良さが前提にあるためか、CPL XCで推測航法をあまり重視しないので日本人は独自の学習体系で訓練している。60時間あるSOLO XCを3つにわけ、PHASE1でKIWIスタイルのHDGをVISUAL REFERENCEで固定して飛ぶBASIC NAVIGATIONとDECISION MAKINGを仕上げ、PHASE2で1 IN60、GS・風の算出、それによるETA(予想到着時刻)のAMEND、PHASE3でそれらを統合して精度を高めていく。

今はPHASE1だが、つい中途半端にPHASE2の科目に手を出してしまい、仕事を増やして自滅することが多い。今日もそんなフライトだった。GSの算出!となるとすぐにNAV COMに手が伸び、下を向いてカチャカチャやりだす。AVIATEが崩れる。そんなことを何回も繰り返している。これじゃぁだめ。

訓練の目的をもっと明確にする必要がある。PHASE1の自分で考えた項目をもう一度洗い出してみよう。

PHASE1
[BASIC VISUAL NAVIGATION ]
POSITION FIX AND REPORT
EYE BALL
AMEND ETA & HEADING IN FLIHGT
AMEND SIRTIME IN FLIGHT
DONT GET LOST!

[DECISION MAKING]
DIVERSION
OFF TRACK ESTIMATION AND CORRECTION
TRAFFIC SEPARATION
MOUNTAIN FLIGHT
ETP & PNR
CLOUD AVOIDANCE

PHASE1だかからってナメていてはいけない。PHASE3にいったあとも、PHASE1の手順を踏む。PHASE1が基礎だ。これができないと、負荷の高い仕事がAVIATEとかち合ってすべてが崩れる。今の私がこの状態。

たとえばDIVERSION。教官からのDIVERSIONの指示に単純に反応するのではなく、発動点を少し先にとってとりあえずそこにVISUALで向かう、「大まかなNAVIGATION」を開始。正確な値はその後にAMENDすればいい。AVIATEに影響させないほど小さい負荷のNAVIGATEで、とりあえず飛行機を正しい方向に向けられるようにする。向けた上で、考える時間を確保する。

この場合、次の発動点までにAVIATEのRECHECKとHDGとEETの計算をする。これがPHASE1でできなければいけないことだ。GS!ってなったときにいきなりNAV COMに手を伸ばすから、AVIATEが崩れる。順序を間違えてはいけない。精度は後から情報をAMENDすることで達成する。いずれはこれがいきなりできるようにならなければいけないが、最初は時間がかかっても正しい順序で行い、それを短縮していく、というプロセスを経るべきだ。そうしないと、フライト全体を管理することがいつまでたってもできないだろう。


関係ないけど、この前来たWAR BIRD。給油中にコクピット座らせてもらったが、中身はパイパーだった、、、笑


また、TIME BASEではなく、ACTIVITY BASEでWORK LOADを平らにする。CHK LISTやPROCEDUREを覚えていることはいいことだが、たとえばSADIE(CREAR) CHKを15分おき、というふうに決めてしまうと、時間になって他の仕事とかち合うことが多い。大体、うまくいかない。笑 

今日は見事にそれにハマった。何かというと、SIRTIMEのAMENDが遅れるという致命的なミスだ。SIRTIMEとはSEARCH & RESCUE TIMEの略で、自分でNOMINATEした時間を越えると、その飛行機が墜落した可能性を前提に自動的に救難活動が始まってしまう。絶対に超えてはならない時間だ。TIMARUに降りてから電話で更新したが、7分ほど遅れてしまった。

SIRTIMEは通常ETAの30分後に設定しているが、今日はTIMARUにJOINING する前にすでに15分前になっていた。いつもは空港に着く前のBRIEFINGの最初にAMENDすることになっている。(この考えがTIME BASEだった。)そして、そのとき同じくTIMARUに向かっていたKIWIと無線でしゃべりながらSEPARATION を取っていたので、ラジオの周波数を変えられなかった。(他の仕事とかち合ってうまくいかない例。。)

15分あるし、降りてやれば大丈夫だろうと考えJOINING。この時点でCIRCUIT(仕事2)に注意が向き始める。LANDINGして安心していると(この時点ではまだSIRTIMEは超えていない。)教官から電話が。なにやら、WESTERLYで荒れているところがあるのでこちらはどうか、という確認の電話だった。(仕事3)

仕事が3つ重なって、頭からSIRTIMEの意識が完全に飛んでいた。それでも何とか思い出して時間を見ると、



3時7分。。。。



うぎゃー!!!!



という顛末だ。


「覚えといて、後でやろう」は、絶対に忘れる。今回は、まずそもそも通常ETA+30分で設定されているはずのSIRTIMEが、JOINING 寸前で15分しか残っていなかったこと自体が問題だ。実は、今回はSEAL RWYでCHを離陸した際、ライン機の間に挟まって20分ほど待たされた。風向きもかなり途中で変わったり、地上での予想より到着が遅れるはずだったのだ。それにもかかわらず、上空で出したETAとSIRTIMEを見比べなかったので、SIRTIMEとETAの接近に気づけず、更新をいつもどおりAABRIEF(着陸前のCHK LIST)でやろうとほったらかしていた。


HOLD3で待つの図。前に3機もいる。

そして、AABRIEFの時間でやる、というTIME BASEの考えでやった結果、RADIOという仕事とかち合って結局うまくいかず、ERRORが積み重なっていく。

最後は、「覚えておこう」で案の定「忘れた。」


頭を柔軟に。PROCEDUREを決めてそれをきっかり○分後にやろう!とか、GSをすぐ出さなきゃ!!とか、そういう理想論はすぐに瓦解する。まとめてぐあっと、とか、最初から正確に!!ではなく、最初は大まかでいいから。できる仕事から少しずつやっていって、最後にぴったりあわせる。

自分の仕事を、簡単にする。やっていることは、実はそう難しくはないのだ。地上ではできるのだから。
     2011.05.07 Saturday
週末も学校に。


NZKIにて。先々週はこんなにいい天気だったのに。。。

先週からずっと天気が悪い。IMC下でバンバン飛んでいくライン機を見ながらIFRのLAWの勉強。飛び込んできたのはこんな内容。。。

INSTRUMENT APPROACH NAVIGATE FAILURE
IF THE NAVIGATION AID BEING USED FAILS DURING THE INSTRUMENT APPROACH PRIOR TO THE MISSED APPROACH POINT AND BEFORE VISUAL REFERENCE HAS BEEN ESTABLISHED, THE APPROACH MAY BE CONTINUED USING AN ALTERNATIVE AID PROVIDED METEOROLOGICAL CONDITIONS ARE SATISFACTORY FOR THAT AID.

要約「ある計器を使ってアプローチ中に計器が壊れたら、他の、違う方式の計器を使ってそのアプローチを続けることはできるよ。」

言うのは簡単ですけどね。実際にアプローチ中に計器が壊れてもパニクらずにさっと他の計器に移行するっていうのは、何度もその移行を練習しないと上空には使い物にならないだろう。こういう法律のさらっとしたパラグラフひとつひとつに、地上でパイロットが準備しなければいけないことが山ほどくっついている。


べったりどんより。この空の違いを見てよ。orz

ところで私はよく、車を運転しているときに、飛行訓練で試してみたいことや、認識をシフトするような考えが浮かんでくる。たとえば、

手の握り方。指の先端に何かが一定の圧力で軽く触れていると、指先の触覚が研ぎ澄まされるような気がする。指の中の小さな血流を感じる。合気道で杖に気を通していく時に似ている。軽すぎてもいけない。一定の圧力が必要だ。操縦桿はよく「軽く握る」といわれるけど、「軽く握る」という言葉だけでは、人それぞれの「軽く」がある。操縦教育の難しさはここにある。

操縦桿を通して飛行機と会話するには、また、髪の毛一本分くらいのピッチコントロールを実現するには、操縦桿の圧力をもっともっと細かい単位で(今までがセンチ単位だったとしたら、ミリ単位にするような感じか)拾わなければならないと感じている。月曜日に試してみよう。


たとえば、


四角いワッカ。JEXの自社養成(C制度)を受けたときに、採用試験の適性検査でこういうのがあった。ゲームに使うような操縦桿がパソコンにつながれていて、パソコンのディスプレイには空を象徴するような青い背景に、赤い細線でできた四角形が画面の奥に向かって連なっている。ちょうどジェットコースターのレールが目の前にあるような感じ。ただしレールではなくて、それが四角いワッカの廊下で表現されている。試験開始とともにそのワッカがこちらに向かって動いてくる。それをくぐる。廊下は上下左右にうねっていて、四角の中心を通過するように操縦桿を動かしていく、という内容だった。

四角をうまくくぐるには、四角が自分の直前に来てから動かしたのでは間に合わない。もう少し前方にある四角がどういうふうになっているかを予測して、たとえ今廊下が下っていても、次に上がるのなら下りながら操縦桿を引いていく。うまくいくと、四角を通過するときに操縦桿が動かない。うまくいかないときは、修正が間に合わずに操縦桿を動かし続けている。


今日のラウンジ。離着陸する飛行機を見ながら、TWRの周波数を聞きながら勉強できるこのラウンジが気に入っている。



あの時は、こんなので本当に操縦適正がわかるのか、と勘ぐったが、今思うと意外にATTITUDE FLIGHTの真髄をついているような気がする。次にどこに飛行機を置きたいのか、予測して、姿勢を止めて、待つ。

実は、私がうまくいかないのは、そこではない。姿勢を止めて、待つことはできる。できていないのは、四角いワッカの廊下をちゃんとイメージすることだ。あのときのテストでは、飛ぶべき道が赤い四角で示されていた。車を運転しているときも、道路は目の前にちゃんとある。モトクロスでも、コーナーでバンクさせた瞬間に次のコーナーが見えていると、立ち上がりでためらいなくアクセルを全開にできる。

自分が行くべきところが示されていれば、私はわりとうまく乗り物をそこに持っていくことができる。実際の空には、当然だがそんなものはない。自分で引かなければならないが、それができていないので「ANTICIPATION」が働かない。

「ANTICIPATION」これがほとんどすべてだ。AVIATE NAVIGATE COMMUNICATE ADMINISTRATEのすべての次元で意味をもつ言葉だ。次に何が起こるか、それがわかっている状態を「コントロールしている」というのだと思う。車もバイクも飛行機も全部同じだ。逆に、自分の乗り物が次にどう動くかわからない状態は「コントロールされている」ということだ。


飛行機は楽しい。

     2011.05.05 Thursday
今週は天気が悪い日が続いている。

今日もキャンセルだった。午前中の授業が終わり、いざ飛ぶぞ!という段になってBKN800の雲が南の海岸から襲ってきた。自分から見える範囲の空の5/8〜7/8を雲が覆っているという状態をBROKENといい、BKNと略す。800ftの低い雲だ。

TAFでは0204でBKN800という情報だったので、1時間ほど早く広がってきている。先週の晴天をもたらした高気圧が東の海上に抜けて、そこで停滞している。これが北東の風(海から陸へ吹く風)を常に吹き出していて、海から湿った空気が陸に向かって流れ込み、国土の東側に低い、層雲系の雲を運んでくる。雨のち晴れ。いや、晴れのち雲。まったく、厄介である。

今はCPL XCの訓練なので、すべての判断に「お金をもらって飛ぶ」ということを練りこむ。飛行をキャンセルするにも、お客さんが納得のいく理由を考える。お金をもらって飛ぶ以上、法律で定められた最低条件を満たしていれば、基本的に飛ばなければならないからだ。今は、自分で自分のフライトのお金を出しているので、お客さんとパイロットを一人二役で演じているだけだ。

今日のような場合、違う空港へダイバートする可能性などを説明してお客さんの了承を得た上で飛ぶ、「条件付フライト」を考える。ちょっとニュアンスは違うが、今日私がやったのはもともとプランしていたTIMARU-OAMARU(南に向かう便)をあきらめて、北に行って1時間で帰ってこられるルートを計画したことだった。

これは間違いだった。

天気が南から悪くなってきているので、単純に北に逃げたら良いのではと早合点した。ちょっと考えたらわかるが、これが頭のいい判断ではないことは明らかだ。行っても、帰ってこられない可能性が高い。

こういうときは、逆に南に向かう。悪いほうに向かって突っ込んでいって、ダメだったら引き返す、という方法だ。雲がもう少し南にいたら、できたかもしれない。でも、この段階では雲の先頭が空港の上空に入り込んできたので、NO GOである。お客さん役の自分が、金を出したくないと判断した。パイロットとしての自分は、法律上は飛べるので飛ぶ、という判断だった。

実際は、学校として学生をSOLOに出してよいMINIMAが決っているので、判断は1秒でできる。雲底が地上から1500FT以上なければ、基本的には飛べない。ただ、これとて自分でダイバート案や今後の天気の傾向(悪化傾向?回復傾向?)などをしっかり説明できれば、A-CATのAUTHORIZE のもと、飛ぶことはできるかもしれぬ。



フライトがなくても飛ぶことはできる。最近は地図を持ちながらハンガーの中にある超高性能シミュレータでイメージフライトの日々だ。TIMARUまでの64NM。この直線レグをTIME、ETA EET HALF WAY でのHDG CORRECTION、RADIO、エアスペースに入らないように高度を管理することなどで大忙しにして、それらを余裕できるように何回も何回も同じレグを繰り返し飛ぶ。頭の中でだ。地図上に自分が今飛んでいる想定の場所にXを取っていって、その横に時間を記入。GROUND SPEEDを出してみると、330KTなどと出る。笑 時速600km/hくらいか。そんな飛行機はこの学校にはない。(はず)

ただ、一緒にやっていたRYOもいっていたが、やがてそういう飛行機に乗るときが来る。300ktで飛行している時間間隔で今やっているすべてのことができるようになったら、通常のプロペラ機で余裕が出てくるに違いない。まったく、無駄ではない。B3にでも乗っている気でやろう。


IFRの学科も量が多くてかなり大変だ。もうテストのスケジュールも出た。あと2週間足らずか。。。


そうそう、


今日、先輩がCPLのフライトテストに合格した!PPLとIFを終わらせた状態で一時帰国されていて、1ヶ月前くらいに日本からこちらに到着し、ご自身でほとんどすべてのレッスンプランを立て、ちゃんと結果を出して、明日(←ここがすごい)帰国。こちらに来る前に日本の訓練の算段も立てられていたので、一週間後には日本での訓練を始められる。。。いろいろ、特に訓練への姿勢について、学ぶ点がたくさんありました。合格おめでとうございます!!



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2010パイロット訓練
2013インストラクター
2018エアライン

命を削って、ニュージーランドでキャリアを掴む
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