<< April 2012 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
     2023.10.29 Sunday

一定期間更新がないため広告を表示しています

     2012.04.30 Monday
続き。




私がいくら英語を勉強してもいまいち自信をもてなかった要因のひとつに、きれいな英語をしゃべろうとしすぎて、自分が言いたいことがとっさに出てこないというのがある。これは、コミュニケーション軸に力を置いていないことによるのかもしれない。結果として変な間ができて、円滑にいかない。じゃぁ、コミュニケーション軸に重きを置いた英語とは?電話でも何でも良いのだが、せっかくなので、飛行機を乗っているときのことを書いてみよう。

飛行機に乗ってて、ICAOという国際機関で決められたフレーズを使っているうちは、コミュニケーションに問題はない。また、多少こなれた英語が飛んできても、空港の周りでタワーが何を言うかというのは、飛んでいれば大体分かってくるので、CPLになるころには、コントロール内(タワーとの交信が義務付けられている空域)のほうが、安心感があるほどだ。でも、こんな場合はどうだろう。



有名な「ハドソン川の奇跡」のVoice recorderに再現CGをつけたものだが、LaGuardia Approachの管制官が矢継ぎ早に言ってくる。LaGuardiaに戻るか?Teter boroにいくか?こんなとき飛行機を操縦しながら、Emergency drillをしながら情報を伝えるには、最低限の言葉を選ぶ力がなくてはならない。サレンバーガー機長が言ったのは、


0:28 Cactus 1539(49の間違い?) hit the birds, we've lost both engines, return back towards LaGuardia.
1:00 Unable, we may end up in the Hudson. ("無理、ハドソン川になっちゃうかも。"LaGuardia空港のRWY13にいけるか、という管制官の質問に対し)
1:30 We can't do it.(Teterboro空港のRWY01にいけるか、という管制官の質問に対し)
1:33 We gonna get to the Hudson.

難しい英語はほとんどない。でも、必要な情報はすべて入っている。これが、まず目指すべき英語だ。つまり、必要なことを瞬間的に短くしゃべれること。

私は、読み、書き、聞き、話しの4つの能力は、どれかひとつが伸びると、テーブルクロスをつまんで引張上げるようにほかの能力も少し後れてついてくると考えている。だから、英語の勉強で何をすればいいですか、と聞かれたとき私はよく「なんでもいいから苦労せずに楽しんで毎日続けられることを何かひとつ見つけて、毎日続けるといいですよ。」と答える。洋楽でも読書でも映画でもパブで外国人と飲むでもなんでもいい。でも、「さて、やるか」と自分のやる気をつかわないと出来ないような勉強は疲れる。疲れると続かない。続かないと、英語は伸びない。

この中で、圧倒的に難しいのは「聞き」だ。それは、生身の相手が目の前にいるため、自分のペースを守れなくなる場合があるからだ。「読み」も、それなりのものを読めば、知らない言葉が沢山出てくる。「書き」も、日本人の誰もが日本語で本を書けるわけではないことを考えてみよう。その点「話し」は、簡単だ。知っていることだけしゃべれば良い。上述の、最初に目指すべき英語、とも一致する。知っていることだけ書くのは?といわれれば、それはもはや書き言葉ではない。

たとえば外国で道を聞くときに Excuse me, can i ask the way to the station?という文章が何も考えなくても出てくれば問題ないが、これを頭の中で組み立てるのに1秒以上かかってしまうと、「話し」の能力としては5割引になってしまう。なぜなら、話すことは「直ちに」行わなければいけないからだ。正しい英語をしゃべろうとして、1秒、2秒と黙ってから答えていると、変な含みを持った受け答えに聞こえてしまう。だから、この場合、Excuse me, は考えなくても出てくるとして、重要なのはwhere is the station?でいいのだ。もっといえば、Excuse me, station, where?? といって、困った表情をしながら目を合わせた後、前後左右に腕を突き出しせば、駅までの道を聞いているとわかる。実際に、アラビアなど、母語が英語でないけど英語をビジネス上つかうようなところでは、こういうのが ぐろーばるすたんだーど な英語として普通に話されているらしい。現地のタクシーの運転手に次の信号を右に曲がれ、というのに、signal, rightというイギリス人もいるらしい。笑

具体的にどうやってうまくなっていくべきかは、本を読んでもらうとして、なぜこんなに英語英語と私は言うのか。それは、上述のように緊急事態の意思疎通を世界共通語でできないことのリスクがひとつ。そしてもうひとつは、英語ができないことによって自分のパイロットとしての商品価値が下がること。この2点を懸念している。

TPPとかオープンスカイで規制が取っ払われるということは、航空会社間の競争が激しくなるということだから、会社がつぶれたり、クビを切られたりすることが簡単に起こる世界に、近い将来なるはずだ。職人として自分の技量を売っていかなければならないわけだが、その売り込み先にもはや日本の企業がない、ということだって十分考えうる。その際は、基本的には英語が(あるいはこれからは中国語?)で面接をする必要が出てくる。自分の、20点の英語でだ。

日本人なら、本当は「英語ができることが強み」ではなく「日本語ができることが強み」になるべきなのだ。この本読んで、がんばります。。。

     2012.04.30 Monday
先日、テレビで歌手の 一青 窈さんが出ていて、Village Vanguardで本を3万円分買っているのをみて気持ちがすごく分かる気がした。値段を気にせずに、好きなだけ本を買えるくらいの経済力は欲しいな。(まぁほかに何もしなければ、今でもそれくらいはできるか。。。)

ということで、さっそく、まねしてみた。笑

ただ、私は今は貯金もしなければいけないので、3万円も買うことは出来ない。そこで、3冊、新書を買うことに。単行本より安にしても、3冊買ったら新書でも2500円くらいはいく。うむ。気持ちが良い。一冊目はこれだ。





NZに行って分かったのは、実際に使える英語は、努力も大事だけど、結局は運動神経だということ。平たく言えば、慣れだ。「あるセリフがすぐに口をついて出るか、それが正しい英語になっているか」そういうのは、勉強した頭でぐだぐだと考えていては遅い。1年で大分慣れた部分もあったが、最低3年は向こうにいないと、この運動神経は育たないな、と思っていた。

また、私は今翻訳の仕事をしているが、時々通訳の現場にも借り出される。前にも書いたが、通訳というのは英語が出来るだけではだめで、聞いたことを覚えながら話す、という特殊な技能が必要だ。私が見てきた通訳者の人たちは、英語を聞いたり話したりすることにまったく問題がないレベルの人たちばかりで、その上で通訳という技術を学んでいる人が多い。私の場合、通訳技術というよりも、英語を正確に聞いて、話す能力がまだまだなのだ。上には上がいる。


でも、この本の銅メダルという概念は、ちょっと違う。著者は私のように英語が好きではなく、仕事で使わざるを得なくなり、それを切り抜ける術を編み出していくうちに、現在では「金メダル」になったのだそうだ。私は、この英語力を金銀銅と評価することに機転を感じだ。よく、英語ができる人のことを「ペラペラ」という風に言うけれど、私だって、ある分野の話(例えばKiwiとの話題で、日本に帰ったらどうするの?みたいに、よく聞かれたものなど)では、それこそKiwiと同じ位の速度と発音で「ペラペラ」話すことが出来る。でも、例えば今から英語でエアラインの面接にいってこい!とかいわれたら、たぶん「ペラペラ」ではない。だから、「英語ペラペラですね」と言われると、へぇ、などと中途半端な返事をして口ごもるしかない。きっと、「ペラペラ」という言葉の範囲が広すぎるのだ。

英語メダル制の良いところは、いわゆる「英語力」という軸に加えて、もうひとつ「コミュニケーション力」という軸を用意していることだ。著者によると、銅メダル英語力とは、

・自分の言いたいことが伝えられる
・外国人と一緒に仕事ができる
・海外出張や英語プレゼンテーションができる
・留学(大学[院])のための最低の語学力
・現在介在駐在している人の語学力
・「英語がうまい」とはったりを言うことができる
・英語力20点

というものだ。最後のが、衝撃的だ。それまでの項目は、普通、「ペラペラ」に分類される人たちに当てはまると私は感じたが、それでも英語力は20点である。逆を言えば、20点でも相当なことが出来る。20点であれば、私はもうそのくらい「英語軸」はいっているとおもう。それどころか、日本人の大半は20点くらいならいっているだろう。ということは、もうひとつの軸「コミュニケーション軸」を伸ばすことで、上記のようなことが出来るようになるということだ。うん、なんだか勇気が出る話ではないか。

具体的にどうすれば良いかは本を読んでもらうのがイチバンなので、私が印象に残ったところを書いてみる。

【P102 褒めまくりが横行する欧米の職場】
これにはひざを打った。よく、挨拶でHow is it going?(調子はどうだい)といわれたときに、日本人の感覚では、am sleepyとか bit tiredとか、sosoとかいってしまいそうだが、こんなことをいうKiwiはひとりもいない。大体はfine, good, pretty goodだった。悪いときは、not very good とか、疲れた顔しながらもyeah, am greatとか。笑 日本語で「ん、まぁまぁだよ、、、」ぐらいの意味がすでに「good」なのだ。

つまり、英語ではNegativeなことを伝えるときに、表面上の言葉はすごくPositiveに言うので、Good がBad になることがある。これは、英語の本音と建前といっても良いかもしれない。日本人は本音と建前があって分かりづらいとかいうけど、そんなことはない。日本人は、必ず顔に出るから。笑

だから、フライトの後のブリーフィングでnot very badとかgoodとか言われたら、それはあんまり良くないということになる。(もちろん文脈でも変わるけど。)そういえば、CPL XCの最後のレビュー(自己評価は最悪とおもっていた)で言われたっけnot so bad...って。そのときは、そんなに悪くないよ、と日本語で捉えてしまって「うそだー」って答えたけど、それじゃぁ意味がまるで逆じゃないか。。。笑

うん、まぁ、過ぎたことだ。


長くなったのでつづく。 
     2012.04.28 Saturday
先日、1年と半年前の私と同じように、これからNZで訓練を始めようとしていらっしゃる方から、こんな質問を受けた。


「Atsusukeさんは、心が折れることはないんですか。」


自費でパイロットを目指すのは、精神的、経済的にすごく追い詰められる選択なので、言いたいことはよくわかる。パイロットになんかなれるはずないと思わせるような要素は、日本にはたくさん転がっているし、そういったことから離れていようとするだけでエネルギーを使うから、ふとした瞬間に心が取り込まれる。私も、NZで訓練をする前はそうだった。自社養成というシステムでふるいにかけられたエリートでなければ、パイロットにはなれない。それが、日本の常識だからだ。



冗談じゃない、空はそんなに狭いところじゃない。



NZで1年間、PIC(Pilot In Command = 機長)としての自覚をもって訓練してきたことで、そんなことは自然と考えなくなった。お客さんを乗せたのが一番の経験だった。何しろ、パイロットの心が折れたら、即、墜落なのだから。笑 私は、身体的な理由以外で、自分がパイロットになれないことは、もう100%ないと思う。何らかの形で、どうせパイロットになるんだから、心配なんかしていない。どこからそんな自信が?と思うかもしれない。確かに、自分だけだったら、こんな自信は持てなかったかもしれない。

でも、ニュージーランドでラインパイロットをしている恩師(日本人)からメールで「君はうまくやると思う、簡単になれると思うよ」と言われたとしたら?ニュージーランド人でもバンバン落ちてた機長昇格試験にスパッと受かってしまうようなキャプテンが「なれる」というのと、ペーペーの私が多少落ち込んだときに「ほんとうになれるのかな」というのと、(そんなこと基本的に思わないけど)どちらのパイロットの意見に信憑性があるだろうか、と都合よく考える。笑  だから、私は、なれるのである。簡単でしょう。まずは、そこから始まるのだ。


それでも、楽しかった訓練を終えて、毎日電車に揺られて、わけのワカラン大量の技術用語を英語に訳す作業を毎日続けていると、ふと、NZにいたことが遠い昔の夢だったような心地になることがないことはない。そして、訓練をいっしょにやっていた同期はどんどん前に進んでいる。たとえば、こんなふうに。




「(いいないいないいないいないいないいないいないいないいないいな!!)」

人がやっていることをみてうらやましいな、という感情が出てきたら、注意したほうがいい。笑 

なぜなら、それはPIC精神と正反対の、依存心に満ちた感情だからだ。その人の人生をうまく転がすのにまったく意味のない感情。プラスチックでできた食べ物の見本を食うようなものだ。まずは、そのことに気づこう。メタ認知である。

このブログのタイトルにもあるように、私はエアラインパイロットになることを目指しているが、別にエリートパイロットとしての自分を誰かに知らしめて、「ほら、ボクってすごいでしょう。」といいたいわけではない。(そういう人は、実は多い。)そりゃぁ、たくさん給料をもらってエアバスやボーイングに乗れたら、うれしいだろうし、多少は自慢したくもなるだろう。でも、それが本当に一生涯の仕事の目的になるんだろうか。エアラインパイロットとしてのステータス?うん、10年若かったら、それだけで進めたかもしれないね。

夢が崩れる瞬間をちゃんと思い浮かべてみてほしい。そうなったとき、そのあと自分の面倒をみることを想像できるだろうか、その事実を直視することができるだろうか。逆説的だが、ここをしっかり支えられない人は、いいPICにはなれないと思う。私がパイロットになっても、なれなくても、莫大な借金を背負っても、私は私から離れることはできない。それはあなたも同じ。一生、あなたはあなたから離れることはできない。だから、今何を考えても、発言しても、それは全部、他の誰かへではなく自分への賞罰として送り返されてくる。どんな選択をしても、どんな選択をしてもだ、自分が自分でやったことの尻拭いをすることには変わりはない。私がパイロットになることと、あなたがパイロットになることは、完全に別の出来事だ。そういう「PIC精神」を持った人が、つながると、強い。望ましくないことが起こったときに、それを直視して、生き残る選択をするのは、PIC(パイロットではなく)を張ってきた人にしかできない。


いいパイロットの第一条件は、やはり経験ではなく、インスピレーションなのだ。(紅の豚より。)






     2012.04.24 Tuesday
同期のMakiが、NZの学校でC-category instructorの試験に昨日、合格した!!!

ん?なんか同じような記事昔書いた気が。。。

この記事の日付が、3/29だから、PPLから1年と1ヶ月で教官になったってことだぜ!さくっとやっているけど、C-cat試験ってすごく大変だって聞いた。こんなにすんなりいくのは、、、まぁ、Makiにはいつものことか。笑


「ひゃっほーい!」

もうKAPITIアイス買いにいったんでしょうか。そうはいってもここからが正念場だけれども。海外でやっていくのは、国内で1000万払うよりある意味大変なのだから。。。

そして、大阪の学校にいったTAKA & RYOは、座学が終わってそろそろセスナで飛び始める頃だろう。ちゃんとMET MINIMAメートルで覚えなおしましたか。(何でメートルにするんだろう。。。)


「(せまい。チェロキーはせまい。。。)」

さらに、私がPPLをやっていたときに突然現れ、CPLをかっさらって寒冷前線のように去っていったある先輩も、着実にラインへの道を進んでいる。RyoもTakaも、おそらくチャンスを掴むだろう。今、日本で大金を払ってパイロットになろうとする人は少なくもないが、多くもない。一番デカイ学校にいって、そこでイチバンになればいいのだ。海外でどれだけやってきたかは、それが全てではないけれど、確実に一定の重みをもつだろう。



「(おれに、ついてこいよ。。。)」


それは、ごめんなさい。m(_ _)m
     2012.04.09 Monday
と、反抗期の少年がわめきだしたら、

「君がパイロットになったらどうするんだ、ファイナルの偏流修正角を出すときに使うんだよ。」

と諭してあげましょう。つまり、こういう状況です。



北(360°)を向いている滑走路にアプローチしているときに、左から風が吹いてくるとする。吹いてくる方向は300°から10kt(管制官やATISがレポートしてくれる。)こういうときに、もし機首を360°(滑走路と平行)に向けてまっすぐ突っ込んでいったら、右側に流されていってしまうのは分かるだろう。



そこまではいかなくても、滑走路の真ん中にあるCentre lineから外れてしまうかもしれない。Centre lineは伊達で引いてあるのではない、ここに接地すれば、A380だって翼のどこにも障害物は当たりませんよ、という目印なのだ。逆を言えば、ここに沿っていなければ、翼端に何かを引っ掛けても知りませんよ、ということだ。絶対にAlignさせなければならない。

さて、じゃぁ何度向ければ良いのだろうか。ここで三角関数が役に立つのだ。



この図から、横風成分が 9ktであることが分かる。ちなみに、式には近似がいくつか入っている。これを知っていても上空で筆算するわけには行かないので、ショートカットを覚えておく。風が斜め60°から吹いていたら、9掛けにすればいい。つまり、1割引。では、30°だったら?60°だったら?あとは応用だ。(どうだ!社会でも使うぞ!!かつての私め!!まじめに勉強しとけ!!)

でも、横風成分が分かっても、まだ「何度機首を振れば良いのか」という情報にはなっていない。これを解決するためには、もうひとつ工夫が必要だ。それがこれ。




1 in 60 rule である。別名 6度1割の法則。半径が60nm(kmでもmでもなんでもいいけど)円の中に、1度という極端に細い扇形を考えると、扇形の外周の長さは1nmになる。これが、扇形の角度の1°と対応する。



底辺が60nmの直角三角形は、図のように角度と対辺が一致する。つまり、辺の長さが分かると、角度が分かる。これを先ほどの横風に当てはめれば、、、



めでたく、9度と分かるわけです。60ktはセスナの一般的なApproach speedである。ちょうどよく作ってあるもんだ。つまり、「60ktで飛んでいる飛行機は、横風と同じだけ機首を振り向ければ、適切なWCAがとれる」ということ。じゃぁ、120ktだったら?180ktだったら??


どうです、学校で習ったことは、ちゃんと社会に活きるんですよ、ってか。

(この内容は、座談会のときに喫茶店で先輩に軽く教わった内容を私自身が編集しなおしたものです。H中さん、ありがとうございました!)






     2012.04.06 Friday
その秘密はこれだ!!



【飛行機を支える力。。。んなこた!! ごめんRyo...笑】



よく、飛行機が飛ぶのは翼が上に向かって凸形状をしていて、これに空気の流れが当たると翼の上面には丸みがある分上面に回った空気は下面より速く流れなければならないから流速の早い上面の気圧が下がり、揚力が発生するため、と説明されるが、これは誤りだ。なぜなら、これでは背面飛行はできないことになるから。 コメント指摘いただきました!勉強しなおした結果。下記の青文字の部分も同様。

【こんなことも出来ないわけです。バレルロールからハンマーヘッド、でちょっと失敗。KUNIさん載せてすません。。。笑】

誤りというか、揚力が発生する根本的な理由を説明していない。翼の上面の丸みは、そうしたほうが効率よく上面の空気を加速できるという、ただの工夫だ。実際に対象翼といって上下が線対称の翼も存在する。翼が揚力を生むのは、Angle of Attack(仰角)により渦が発生するからだ。一定のAngle of Attackを保持した翼を回り込んだ渦は、翼の上面の気流を加速させるようにはたらき、また、飛行機が浮いた瞬間から自分の後ろに自分とは反対向きの渦を次々と発生させる。飛行機はその渦の道(航跡)の中にいるから、空中に浮いていられるのだ。参考サイト

このように飛ぶためには渦がなくてはならないものなのだが、実際の運航ではこの渦が仇になることもある。そのひとつが、Wake turbulenceだ。Wakeは航跡と訳せる。航跡によるタービュランス。翼が本来的に渦発生器であるために発生してしまう乱気流だ。

特に、低速で重い飛行機が飛んでいるときの渦が一番強力で、それはつまり大型機の着陸や離陸時が当てはまる。POFという学科で何気に習った知識だが、実際の運航では管制官が先行機との間隔をとってくれたりする(ただし、Wake turbulenceの回避判断は、最終的にはパイロットの責任。)ので、実際に空港で遭遇することはほとんどなくその危険性を実感しづらい。


【成功したHammer headも載せとかないと、、、笑】

だが、CPLでMAX Rate turnという科目を練習していたときに、その恐ろしさを肌で感じた。要はその飛行機の、MAXの急旋回だ。失速警報をならしながら、フルパワーで60度バンクで曲がっている。練習していくうちにだんだんうまく出来るようになり、VSIが動かないのを見てニヤニヤしていると突然、巨大な濡れた雑巾で飛行機を思い切りぶん殴られたような衝撃音とともにバンクが瞬間的に深まり、頭の上に地面が見える。

自分のWake turbulenceに入ったのだ。

最初、これにはびっくりしてニヤニヤしていた口元が凍りついた。気持ちよく安定していた飛行機が突然内側にひっくり返ろうとする。ワケが分からなかったが、操縦桿を固定していれば大丈夫そうだ。失速に近づく機動なので、あわてて反射的にエルロンを外側に切ると逆に危ないかもしれない。何度かやっているうちにくるぞくるぞくるぞというタイミングが分かってきそうなものだが、こいつは富士急ハイランドのドドンパみたいに、来る!と思った1.5秒後くらいに不意打ちしてくるので、なかなか慣れない。チェロキーの渦でこれだ、777の渦なんかに入ったら、、、しかもそれが進入中で高度も速度も低い状態だったら。。。そのままスピンに入ったら。。。。


ロビンでのスピン。私はCPL終了後におまけみたいに取ってきた。同期のMAKIは、これを教官になるためにやるので、10回転くらいのを何本もやるらしい。固まった生徒をひじで押しのけてコントロールを取る練習とか、、、楽しそう。。。】


AIMには、追い風が斜め45度から来ているときは渦が滑走路上に停滞して危険だとか、自分が着陸する滑走路と交差する滑走路を離陸する飛行機が、交差点前に浮揚した場合は絶対にその下を飛んではならない(つまり自分は交差点までに必ず脚をつけろということ)などとかなり細かく書いてある。渦の怖さと回避にはパイロットに責任があるということを考えれば、納得できるというものである。







     2012.04.01 Sunday
つづき>>

クロカンの訓練の目的が、お客さんをのせて「安全・定時・快適・経済」でOperationをできるようになることであるならば、全ての訓練の発想は、隣にお客さんがいたら自分はどうするだろう、という問いから出てこなければならないはずだ。こういうOperationを、ここでは仮に「Normal Ops」と呼ぶことにしよう。


このFuel Stationに無事に帰ってくることが一番重要なこと。


「Normal Ops」で、地図を頻繁に見ていること自体本当はおかしい。少なくとも最初の目的地までは、地図を見なくてもいけるようになってから、行くべきだ。だって、お客さんを乗せるなら、そういうところにいくでしょう。上空でパイロットが地図を開いただけで、お客さんは不安になるものだ。

「でも、Map readingの知識も重要じゃないか!地図が読めないパイロットでいいのか!」(←1年前の私。)

目的から逆算していないから出てくる考えの典型だ。では、地図を見ることが、Map readingの技術だというのか。

「えっ(そうじゃないの??)。。。」(←黙る1年前の私。)



うわー三角を目印にしようとしたのに三角が一杯ある!!(かつての私。)


「Normal Ops」では、地図で自分の位置を確認しているのではない。外の景色を見るだけで、自分がどこにいるのか分かっていて、通過時間がきたら地図にそれをメモしているだけだ。違う言い方をすれば、「知っている」という状態によってNavigateが簡単になるように「工夫」している状態だ。これだって広義には、Map Readingの技術に含まれないだろうか。

実際に地図を見て自分の位置を知るのは、知らないところに行くとき。つまり、Diversionや、初めての場所へのフライトだ。今までと違い、外を見てもここがどこかよく分からないという状態。こういうのが延々と続くのを放置していては、十分に「工夫」されているとは言いがたい。たとえよく分からない場所に行ったとしても、いかに早く地図をしまうことが出来るか。それがMap Readingという技術の本当の意味だ。

私がかかっていた「地図見すぎ症候群」は、地図を見て、地上を見て、地図をみて、地上を見て、当たりをつけて、でも不安で、また地図を見て、、、目があちこちに動くので飛行機のノーズも「ししおどし」のように落ち着かない。Aviateぐしゃぐしゃ。さらにその状態で、ETA(到着時刻)やらナブコンやらに意識を伸ばす。絶対に立ち行かない。


平野のNavigation が一番難しい。


今の私だったら、初めて行くところへは、地上のプランの段階で、絶対に間違えようのない大きな目標のみを選定して、それらをつたっていく。チャートから1mくらい離れたところに立ってパッと目に付く大きな目標(川を二つ越えるとか山と海岸線との距離感とか。)を掴んで、目的地上空につくまでに何が見えていれば安心して良いのかを頭に入れる。上空で安心するためにである。実際に飛んだら、測風などは行わず、プランした目標がプランどおり見えてくるか、どんな見え方をするのかを覚えて、地図を見なくても飛べるようになったら、その次のフライトで測風やETAの精度にこだわるようにする。


間違えようのないところを飛べ!




順番が重要なのに、全部やろうとする。その結果、事故はおきた。事故に至らなくても、Solo(単独飛行)でのヒヤリハットはある。特に恐いのは「やり残したことがあるのに次にいく」という性質のもの。Soloでは何故か気が急く。それは、教官が管理してくれていた「時間」を、自分で管理しなければならなくなるからだ。自分が午前中に飛び、同じ飛行機を午後違う人が使う場合は、その返却時間に頭をとられることがよくあった。時間の管理は、ANCAでは最後のAdministrateに含まれる。「ANCA」が「ancA」という状態になって、AviateのひとつであるLanding Checklistが抜けたりする。


着陸!

何か失敗をしたら(例えばプランが甘くて飛行機が返却時間に間に合わない!とか。)それをそのOperationで取り戻そうとしないこと。「急いで」間に合ったとして、そんなことに何の意味もない。決して急がず、Slow and Sureに。自分の一挙手一投足を頭の回路に通して「うまくいかなかったこと」を安全に地上に持ち帰るだけでよい。帰ったら怒られるかもしれないが、死んでしまったら怒られることも出来ないのだ。


ダメだったら、やり直し!



Ashへのご連絡はこちら
質問箱へ
プロフィール
2010パイロット訓練
2013インストラクター
2018エアライン

命を削って、ニュージーランドでキャリアを掴む
ブログ移行しました。
2018年9月から、note.comに移行しました。
ランキング
にほんブログ村 転職キャリアブログ 20代の転職・転職活動へ
にほんブログ村
にほんブログ村 海外生活ブログへ
にほんブログ村
にほんブログ村 海外生活ブログ ニュージーランド情報へ
にほんブログ村
JUGEM PLUS
PR