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     2013.01.30 Wednesday
こっち来てからそろそろ1ヶ月が経とうとしている。

いろいろなことがありすぎて何から書こうかわからないくらいだが、私は今、C Category (C-Cat) Instructorになるための訓練が始まるのを待っている。C-catはニュージーランドの飛行機インストラクターの最初の格付けだ。経験を積み、テストに合格するとB Category (B-Cat)に昇格する。A-Catが最高レベルで、A-catになるとテストを受ける為に必要なフライト時間は1500時間となり、これは一般的なエアラインの副操縦士に応募できるミニマム時間と同じだ。[1] だからA-catまでやる人はまれ。テスト代が高いし、エアラインに応募できるからだ。


ネルソン市内のバー。以下、写真はネルソン旅行の一部をお送りします。


ネルソン市内のどっかの有名な時計台?笑

こちらに来てから来てから今日まで9回しか飛んでいない。なぜかというと、クライストチャーチ以外の学校でインストラクターコースを受けようか吟味していたからだ。ニュージーランドの南島の北端にネルソンという町がある。きれいなビーチがある観光地だ。訓練でも行ったことがある。その北東にMotuekaという町があるのだが、ここにNelson Aviation Collegeという学校がある。そこに営業をかけていた。トレーニングをネルソンでやるかもしれなかったので、飛ぶのを控えていたのだ。[2]


ネルソン市内の馬車


ラビットアイランドの浜辺。

外国で仕事をとるということ
なぜ飛び慣れたクライストチャーチで以外の可能性を考えていたかといえば、もちろん仕事を取る為だ。インストラクターというのは資格を取ればかならずなれるものではない。大体どこにいっても「間に合っているよ」と言われるのが当たり前で、仕事なんかない。クライストチャーチで仕事が取れればそれはうれしいが、事はそんなに簡単には進まないだろう、かつ外国人ともなればこれは相当不利な戦いだ。違う学校を見て回っているのはそういう理由がある。やり方は、とにかく脚を運んで、顔を売って、コネを作ること。ネルソンでは、面接を受けた。旅行にいったついでにメールを送ったら、CEOが面接をしてくれるというので行ってきた。


リッチモンドでワイナリーを回る。


食事もできるワイナリーだった。

海外で受けた初めてのinterview(普通C-cat訓練を受けるのにも面接があってパスしないと訓練自体を受けられない。)だったが、かなり上手くいってコースへのオファーをもらった。NZのエアラインで飛んでいる師匠にも何回も相談し、レフェリー(自分の人となりを確認してもらうための人)にもなってもらった。大変感謝している。インタビューでは好印象だったようにおもう。気持ちとしてはかなり傾いていたが、ビザやコスト、仕事が無かった場合のオプションの数などを含めて総合的に判断した結果、クライストチャーチでやることにした。とても難しい判断だったが、最後の決断は自分一人でした。師匠もヒントはくれるが、私の代わりにジャッジメントをしないように注意しているように見えた。機長になるんだから当たり前だ。


帰りに見た羊の行列。なぜか一列になってどこかへ帰っていく。

というわけで今は古巣のクライストチャーチでブンブン飛んでいる。疲れるし、やることは多いし、例によってフライトは下手だけど、1日中飛行機のことを考えていて「いい」という状態がどれだけ幸せか知っているので辛くはない。日本で1年働いたことが大きい。好きなことをできるということに感謝して、ベストを尽くすしか無い。

やべー仕事あるかなー。




1. 日本ではそんなに要らない。
2. Nelson Aviation Collegeは、昔日本の学生を仲介するエージェント(日本の会社)が入っていたことがある。このエージェントのおかげでお金が余計にかかったり、訓練を中断した例、一部は訴訟にまで発展したことがあると聞いた。そのため、日本では「ネルアビ」という通称で非常に評判が悪い。現地の学校自体はすばらしいトレーニング環境(自分の目で確認してきたので間違いない。)なのに、非常に残念だ。でも、こういうのはよくある話だそうで、これからフライトスクールを選ぶ人は本当に慎重になった方が良い。説明会では皆良いことしか言わない。特にパイロットじゃない人間がニコニコしながら将来の明るい航空業界について自信満々に説明するところは気をつけた方が良い。自分の目でしっかり確認することが重要だとおもう。費用は直接現地に確認するべきだ。ちなみにネルソンの場合はこのページのFeeというところにちゃんと出ている。





     2013.01.19 Saturday
今日、一年ぶりに飛んだ。

ライセンスには有効期限が無いので一生モノなのだが、直近90日以内に離着陸を3回か、もしくは資格のあるインストラクターに離着陸に関して問題ないことを見せないと、機長として飛ぶことは出来なくなる。つまり、ソロで飛べないということだ。また、最後のフライトから2年以上経ってしまうとBFRと呼ばれるフライトテストまがいのフルレビューが必要になってしまう。私は2年も経っていないので、3TGL(タッチアンドゴーランディング)でソロフライトが出来るようになる。インストラクターになる最初の試験には、150時間のPIC(機長)時間が必要で、私のPIC timeは107時間程度。あと40時間以上必要になる。2011年の訓練の全体の飛行時間が228時間だったから、その1/5の時間と同じフライトタイムをここでつけるのだ。上手く使わなくては。

また、教官は左右に並んだ座席の右席に座るので、右席で操縦するための練習が必要になる。

これがとんでもなく難しい。

ただ席を変わっただけだと思うがそんな単純なものじゃない。基本的に飛行機のスロットルは左右どちらの席からも動かせるように自動車のシフトレバーと同じ位置についている。今まで右手でコントロールしていたスロットルを左手にして、コントロールヨーク(飛行機のハンドルみたいなやつ)に右手を添える。戦闘機はこのスタイルだ。目の前に見える飛行機のカウリングの見え方が違うように見える。センターライン状をタキシングしていると思っても、右にずれる。

また、パララックスエラーと言って左席の正面についている主要計器を右席から斜めに参照しなければならない為、計器の見え方に誤差が出る。高度計なら、右席から見て10FTくらいずれたところに針をもってくると、左席からみて丁度ど真ん中にくる。計器までの目線の移動距離が長い。難しい。ATTITUDEがすぐずれる。いつのまにか計器を追っている。今日のフライトは、信じられないくらいひどかった。これではCPLどころかPPL、いや、ソロにさえ行けないだろうというところまで落ちた。笑 

でも今日はPPLの時みたいに無駄にへこまなかった。直し方を知っているし、この「頭で分かってても実際に出来ない」という状態を知っていることは、将来学生を持ったときに必ず活きると思っているからだ。教官は学生に「なんで出来ないの?!」と言ってはいけない。学生の準備不足ならともかく、準備をしてもできるべきことができないというのは教官の想像力の問題だ。

今日出た主な症状
症状は、Ref. 高度をぶっちぎる、Jolty なびっくり舵を使う、ピッチが必要以上に上がり、下がる、スピードが速い/遅い、ボールが飛んでる、ファイナルの安定が著しく悪い、スピードが決まらない、Radioの英語が聞こえない、インストラクターの英語もよくわからない。ポジションレポートができない、Joiningの無線も使えない、トラフィック情報を聞き漏らす、ファイナルの高度判定が出来ない。バックサイドに入ったときの修正が遅く、弱い。。。

原因は、

1. Attitudeが見えていない。外で飛べていない。Attitudeを見つける為のフライトをしていなかった。例えば、1500にあわせようとして100フィート下がったときに、教官は1500に戻れという。でもS&L(水平飛行)のAttitudeを見つけないまま1500に戻ろうとピッチを上げるからまた同じことが起こる。

2. パワーの調整が遅い。Attitudeを高度計を見ながらあわせていくと、水平飛行を瞬間作ることができる。でもパワーが不適切ならその結果はスピードに現れる。ASI (Air Speed Indicator)がおかしな値を指しているにも関わらず、それを感じない。Attitudeもそうだが、修正の必要があると気付くのはそんなに遅くない。でもそれに対してどんな修正をすればいいか、自動的に手が動かない、動いても遅い。おそらく、右席に変えたときに起こる一番の問題はこれだろう、今までとは逆の手でスロットルやコントロールヨークを調整しなければならない。右利きの人が左手に箸を持って食事をするようなものだ。

3. パララックスエラーを考慮したボールの位置をよくわかっていない。too much right rudderが多かった。

4. ファイナルの不安定はAttitudeが分かっていないためにスピードが作れていないため。スピードを追っているとパスの判断が遅れてToo Low!となり冷や汗をかく。バックサイドとはパワーを加えてもスピードが上がりづらい遅い領域のこと。ここに入ったら大胆にパワーを増減させてスピードとパスをキープしなければならないのだが、これも左手が動かず教官に操縦を取られた。沈みを感じたが手が動かない。

5. 英語は英語力そのものよりも操縦に忙しくてそれどころじゃなかったというのが多分にある。Situation Awarenessがさっぱり無かった。また、地上でできる準備として、言われることを予測することも怠っていた。Class Gでで聞かれることのほとんどは「今どこ?」「これからどこに行くつもり?」「トラフィック情報」だ。それに対するスタンダードで短くてシンプルな受け答えをもっと準備しておくべきだった。また、ポジションレポートするときに「いまここはWestern firebreakのー西?あれ東?いや南だっけ?」みたいに逡巡している。どこ?ときかれたらすぐにここ。と言えないといけない。


解決策は

1. 1400でもいいからとにかくどこかの高度で計器を30秒見ないで水平飛行できるAttitudeを見つけてから高度の修正をする。これは練習なんだから。Attitudeに自信が無いのに1500をばっちり飛べても意味は無いのだ。

2. Attitudeを見つける練習がまず先にある。スロットルの調整を左手に覚え込ませるのは、スローフライトでやるといいだろう。

3. 機体の滑りを感じられるようになるような練習をする。教官に飛行機を強弱をつけて滑らせてもらって、それを計器を見ずに言い当てるのもいいかもしれない。

4. 2. と同じ。

5. 何を聞かれるはず?という質問の答えを出来るだけたくさん持つ。ポジションレポートについては地図を机に置き、目をつぶって指差したところを5秒以内でポジションレポートする練習。


とりあえず、PPLレベルまで早く上げないと!
     2013.01.09 Wednesday
6日にクライストチャーチに着いた。

年明けから中学時代のサッカー部連中と飲んだりサッカーしたり飲んだり渡航日前日になってやっぱり荷物が入りきらないと分かってスーツケースを新調するなどバタバタしていた。思いがけず餞別などもらってしまいびっくりすると同時に感謝した。

その昔「サッカーをやる同い年」というだけで1カ所に集められた少年たちがそれから15年経ってもこうやって付き合っていられるのはよく考えたら奇跡的だ。中学の時サッカー部を選択したことは私の人生の中で間違いなく5本の指に入るFine Playだった!皆、それぞれの生き甲斐と問題を抱えているけど、それらを全部背負って日々をサバイバルしていくしかない。それにしても、荷物が多い。[1]


さーてどうしたもんか。。。


夕食。


朝食。同じB777-200でもシートピッチの広さや食事の内容は前回の復路に乗ったシンガポール航空の方が良かった印象。

前回は、費用節約のため往路でジェットスターで気合いの1日渡航(うちオークランドで国内線半日待ち)であったが、今回は贅沢にもニュージーランド航空のクライストチャーチ直行便を利用、11時間弱と長めの飛行だが乗り継ぎが無かったのと、偶然同じ便に乗り合わせたIAANZに入る学生さんと色々話していたことで前回よりも近く感じた。



ニュージーランドの南島と北島の中間あたり、北から進入。この高度から見るとクロスカントリーで右往左往していたのがあほらしくなるくらい小さな国だ。

南風のため、RWY20。ファイナルターン後、結構揺れる。西風でもないのに。計器飛行の訓練のとき、確かこの辺で怒鳴られてたなーと思い出す。どんどん地面が速さを増して後ろに流れていく。着陸帯の上まで来た。瞬間、パワーが入る。ゴーアラウンドかと思ったほどだが、そのまま続けて接地。直後にスポイラーが立って翼から揚力をはぎ取る。777が飛行機から車になった瞬間だ。ついに帰ってきてしまった。


飛んでいる時と比べると、翼のしなりが取れているのがわかる。

1年前にこの滑走路をシンガポール航空の777で離陸したときは、当分この景色は見納めかと思っていたが、ことのほか早いクライストチャーチ凱旋となった。

入国カードに食品と薬の欄に正直にYesと回答したので、入国時と税関で色々質問を受けた。入国では渡航の目的を聞かれた後に「食料は何を持ち込むんだ?」と聞かれて、色々あるので軽めのものから「えーと、キャンディーと、、、」と言った瞬間に赤ペンでチェックマーク。OKになってしまった。いや、まだ色々いろいろあるんだけど。。。そして、税関では薬について聞かれる。風邪薬だというと、何日分だという。「多分、2週間くらいだ」というとそれも同じようにチェック。いや、やっぱまだいろいろ、、エックス線検査に進み、荷物を全部ベルトコンベアに乗っけて自分は機械の脇を通って待機。嫌な予感。ベルトコンベアが止まった。やっぱり申告してないものが引っかかってんじゃないのか?!?とビビったが、お土産用に買ったハンドクリームが油脂類と誤解されたようで、土産用のパッケージに入っていることを確認されてことなきを得る。まったく、心臓に悪い。

着いてすぐ、おなじみのスーパーPAK'nSAVEへ。買うものは決まっている。




リンゴとバナナとミルクと

ウィートヴィックス![2]

その後、お世話になることになっている友人宅へ。友人は台湾人と日本人の夫妻。台湾人の夫の方は、ジェットスターニュージーランドのパイロットで私より1歳年上。どんな家か楽しみだ!




1. 預け入れ荷物の枠を1つ事前購入して2つ預けられるようにしていた。6000円位だったので、23kgをあとで送るより安いだろうと。
2. ブロック状にまとめた味の無いシリアル。最初に食べた時はまずくて馬のエサかと思ったほどだが、他のどんなシリアル(ケロッグコーンフロストとか)よりも安いので買い続けて食べているうちに、バナナを輪切りにしていれると意外とイケる、ということに気付き、今はこれが無いとだめだ。



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2018エアライン

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