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     2023.10.29 Sunday

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     2013.02.23 Saturday
お客さんを乗せてクライストチャーチ上空を遊覧してきた。(すげー贅沢に聞こえるが訓練飛行の一環です)

今回は隣で撮ってもらった写真をPicasaに載せてみた。こちらからどうぞ。


やはり隣に人、それも全くの素人を載せるというのは本当に良い勉強になる。ちょっとでも粗い操作をすると、悲鳴を上げられてしまうので、操縦桿を動かす範囲と速さがものすごく小さくなる。操縦桿をゆーっくり、ほんのすこーししか動かせないので高度を直したくてもすぐには直せない。ズレる前に対処するAnticipateが必要になる。Reactiveに(計器の針を追って)操縦するとこれはもう全く間に合わない。計器から自分ではなく、自分から計器にコマンドを出すAttitudeフライトをしないといけない。制約をかけると見えてくる世界というのは確かにある。[1]

また、お客さんを乗せると操縦することだけに頭を使うことが出来ない。むしろ、脳みその半分はお客さんのケアに使う必要がある気がする。表情を観察したり、リラックスさせる話題を考えたり、サーマルでぼこぼこするときに大丈夫だとなだめたり、、、だから、本当はフライトというのは頭の2割くらいで出来るようにならないといけない。車の運転ならそれが出来ている。強制的に頭を半分奪われる状況で飛んでみて、普段自分が何割の頭で飛んでいるのかが分かった。当たり前だが、人に教えるのだから車の運転と同じくらいにならないとお話にならない。

まだまだです、でも勉強になりました!




1. イニシャルDという車の走り屋の漫画で主人公が水を入れたコップをこぼさないように峠をドリフト走行するというシーンがあるが、あれと何となく似てる気がした。今日の私のフライトでは水はこぼれてしまうだろう。
     2013.02.17 Sunday
パター(飛びながらやるインストラクション)は、演劇の台本のようなものだ。PPLとCPLの科目をどのようにやるのか、その流れが言葉でずらっと書いてある。Effect of Controlから始まり、Climb、Descent、 各種Turn、Stall、Circuitといった科目を全て網羅するのは結構しんどい。でもやってやれないことはない。カラオケの歌が覚えられるんだから大丈夫だろう。

ポスト・パター[1]
さて、パターをやって気付いたのは、飛行機が安定するということだ。しゃべりながらやるとフライトが崩れるかと思ったけれど、基本が正しい順番で全て入っているので、頭を使わずにしゃべることが出来ればぴたっと安定する。地上で徹底的に暗記していくというしんどい準備が必要だが、その分得るものは大きい。Kiwiは英語がしゃべれるのであまり一言一句覚えていくことはしないそうだ。だが、私に取ってはお手本をそのままコピーするのが正しい。下手にアレンジして間違った文法で話すよりは良いだろう。

例えばパワーとAttitudeをセットしトリムをとるという基本作業の後には必ずそれらのリチェックが入る。そんなことはPPLのときから言われてきたことだが、自分が「しゃべる」となると、それらを「やり忘れる」ということが構造的に不可能になる。リチェックのタイミングも毎回同じになるので、フライトの精度にばらつきが出ない。パター以前のフライトでは、一人で飛んでいてかつタワーに何か言われたりするとたまにそのリチェックが抜けたり、タイミングがバラバラだったりしていた。リチェックをせずに微妙に合っていないトリムで飛んでいると、コントロールに力が入っているのでいつの間にか100ft単位で高度が、、、、そういう恥ずかしいことをしない為には、基本に立ち返ることだった。パターは基本を一つ一つ再確認していく良い機会になっている。っていうかPPLのときにパターノート欲しかったな。。。


学生を自分より上手くできるか
パターをやりだして「あぁ確かにこの基本通りやればずれないべや」という自分と、まだまだ諸元のぐらつく自分とが今は共存している。この感覚をよく覚えておこうと思う。後者たる学生をどう前者に持っていくか、初めから前者だったり、後者だった自分を忘れた教官には分からないだろうから、ここを意識できるならそれは私の財産だ。自分がどう上手くなったのか、逐一言葉で説明できる教官というのは希有だろう、皆大体「経験を積めばうまくなるよ」と言って片付ける。

確かにそうだ。平凡なパイロットが何千時間と飛行時間を貯めていけば、自然と飛行機を操縦する技量というのはある一定レベルに収斂していくし、経験によってうまくなるところというのも確かにある。でも、じゃぁどのくらい経験を積んだら上手くなるのか、そのときはいつくるのか、PPLのレベルではどの程度上手くなっているべきなのか、CPLならどうなのか、PPLやCPLのゴールは何千時間も経験を積んだパイロットと同じ操縦技量なのか、そうでないならそれらのゴールは経験によって達成するものではないのだろうから、どのように達成したら良いのか。。。

人によって意見がたくさんあるかもしれないけど、私はもし学生にそう聞かれたら「CPLまでに、私と同じレベルの操縦技量になってください。」と言いたい。[2] 狭義の意味での操縦技量[3]というのは基本を基本通り正しい順番で正しいときに出来ればそんなに難しくない。職人レベルのアクロバット等でない限り、上手い下手が学生に出てしまうのはそれは教官の教え方が悪いのだ。飛行機だって車と同じく工業製品なのだから、少しのトレーニングで安全に運転できるようにインターフェースが作られているはず、それをもったいぶって職人級にうまくならないと飛べませんって言う教官がいたとしたら、それは教官の言い訳という可能性が大きい。

そういう意味で、諸元がずれる自分とパターで次元を超えた自分が共存する今の時期がものすごく大事な時期に思えている。その差異を念頭に置いて最短距離を示してあげれば、諸元の維持を目的にした狭義の操縦技量を早々に固めてもっと大事なJudgementやDecisionという問題を含めた「広義の操縦技量」に進むことが出来るからだ。



1. それらしいタイトルをつけていますが特に意味はありません。
2. どんな仕事でも、そこに自分がいなくても現場が回るようにするのが最も望ましい働き方だとおもっている。んだけどいざ自分でやってみたらそんなに上手くはいかないだろうなー。
3. 主に速度や高度、昇降率を維持するといった飛行機をどう動かすかに焦点を当てた操縦技量。飛行機の操縦は管制機関とのコミュニケーションや時間管理など操縦以外のことが複雑に絡み合って成立しているので、そういうものを含めた操縦技量は「広義の操縦技量」と考える。


     2013.02.03 Sunday
クライストチャーチの学校でやるときめてからは、ぼちぼち飛んでいる。C-catのトレーニングが本格的に始まるのは3月なのだが、なぜか2月と勘違いしていて早く飛ばなきゃ!と思っていたが、全然余裕だった。笑 C-catのフライトテストを受けるには150時間の機長時間が必要で、コースが始まる前までに140時間くらいまで貯めておけと言われている。地上で勉強することが多すぎて飛んでいるとそっちが追いつかないかららしい。140まで貯める期間をHour buildingと呼んでいるが、多分一番楽しい時間だと思う。何しろ、自分で好きな時間に飛行機のブッキングを入れて好きなことを好きなだけできるのである。訓練時間も自分で決めるし、決まった教官はいない。その辺の教官を捕まえて質問をして、いろいろな人の意見があることを知ってニヤニヤしている。

今は「ローカル」といってクライストチャーチ近郊の訓練空域で飛んでいる。CPLまでは訓練空域に行って課題の練習をすることが多かったが、今は少し違う視点を持っている。訓練空域の境界を身体で覚えたり、遊覧飛行を頼まれたときの為にCity上空をぐるぐる回ってみたり、西の訓練空域に向かう経路を途中で北向きに変更したり、そういう空域の「ローカルナレッジ」をつけることを念頭に置いている。ここで働く(学生のニーズに応える)のと、日本に帰ってコンバージョンをする(自分が上手くなって会社に雇ってもらう)のとではやはり目線が違ってくる。そろそろパターもやらないと。パターとは、飛びながらやるインストラクションの台詞のこと。台本は同期のMAKIにもらった。しゃべりながら飛ぶって難しいだろうな。


訓練空域の見え方。地図上に青い線で空域を分けると準備した気になる。得意顔で飛行機に乗って上に上がると、、、


上空での見え方と全然違って愕然とする。引かれてる青い線はもちろん見えない。


1発クロスカントリーにも行きたいと思っている。新橋で3000円もしたこの本には、航法について2年前のトレーニングでやり残したこと[1]がたくさん書いてあったので、それを試すことにする。楽しみだ。



学校の本棚にあった「基礎航法教室」という古ーい本にも、その昔「航法士」という職業があったときの航法のやりかた[2]が書いてあって面白い。




1. 航法については私はあまり深く出来なかった反省がある。正直、安全に突発事項に対応すること、お客さんをのせたフライトで安全に目的地にたどり着くことしか出来ていなかったと思う。飛び石づたいに飛んで、ただ目的地にたどり着くだけなら航法とは言わない。そんなのは誰だって出来る。到着時間の予想があって、チェックポイントやフィックスで現在位置を確認し、予想とのずれを修正しながら結果として目的地にたどり着く技術が航法だ。そういう意味では、予想を立てる能力は未完成だった。

2. なぜ地文航法がPilotageなのか、推測航法がDead Reckoningというのかが分かった。航法というのは、もともとパイロットの仕事じゃ無かったのだ。



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