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     2023.10.29 Sunday

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     2013.10.31 Thursday
前回の記事を読み返すと、自分が本当に悔しがってんだなということがよくわかって笑ってしまう。同期に先を越されて惨めな思いでいることを必死で否定して、この逆境には何か意味があるはずだとか、いつかおれだってとかそういう感情が丸見えだ。

でも、逆境や苦境に意味なんか無い。単なる状況だ。そこに意味をつけるのは自分自身の解釈だ。解釈というやつは、たいてい否定的で、卑屈で、嫉妬に満ちていて、ドロドロしていて、抵抗になる。強風の日にフラップを一番下まで下ろしてエンジンを吹かしながら下りてくるのと一緒だ。

向かい風があることをそのまま認めればいいだけなんだけどな。Head windを逆境だと感じること自体すでに解釈が始まっているけど、坊さんじゃないからそこまで悟ることはできないかもしれない。でも、ありもしない逆境の意味なるものを考えるくらいなら、あぁおれは今逆境にいるんだへぇとその存在そのものを認めたらどうだろう、別にいいだろう、そばにいるくらい。

きっと、私は「恐い」んだとおもう。海外でエアラインにいくという目標があって、それを目前に空回りしているような気がするのだ。「なにかになりたい」と思うことは、同時に「なれなかったらどうしよう」という恐怖に常に苛まれることを意味する。それは自社養成に挑戦したときからずーっと続いている。このブログを書いていることの目的は、素人が飛行機乗りを目指したらどうなるんだという一次情報を世界に向かってぶちまけることなのだが、おそらく私の精神の調整弁にもなっているはずだ。抑圧した感情は、怒りになるから言葉にして解消しないと危ないのだ。

偏りが感情の抑圧を生み、恐怖や不安として蓄積していき、それが腐敗して怒りにかわる。「なりたい」という気持ちがなければ目標へ前進はできないが、強すぎても問題だ。「なりたい」のなら、「なりたい」と思いすぎてはいけない。なんだか禅問答みたいだけれど、私たちは常に真ん中になければいけないのだ。

じゃぁ、「なりたい」と思いすぎないために必要な反対の気持ちとは何だろう。それは「今のままでいい」だと思う。1分1秒ごとに更新されていく今、ここにいる自分に満足すること。それが上手く「なりたい」という気持ちと拮抗しないと、上手く動けない。両方が同じ力で綱引きをして初めて、バランスが取れるのだ。直感に従って、やりたいことをやりたいようにやればいいだけなのに、過去の失敗や先に行っている同期やエアラインという目標が私を真ん中から誘い出し、偏らせる。

こういっちゃ何だが、私は自分自身を全く信用していないし、ちょっと気を抜くと何をしでかすかわからん相当なアホだと、心底そう思っている。パイロットになんて本当になっていんだろうかとよく考える。だからいつも気をつけている。自分がアホな行動をしないように気をつけている。そのぐらいアホだ。[1]だからこそ、なにか胸を張れる肩書きが欲しいのだろう。もしそうでなかったら、今のこの状況をちゃんと楽しめているはずだから。いやだ、と思っているということは、今の自分がダメだと思っているのだ。何かしら肩書きを身につけて、「おれってば本当はすげぇんだぜ!」と言いたいに違いない。

でも、当たり前のことだが、自分だって実はそう捨てたもんじゃない。アホなこともするときもあるし、天才的な嗅覚を発揮することもある。両方ある。ただ、それだけのことだ。今回の記事では、とくにいいたいことはない。

まぁ、みんな同じだと思うけど。



1. でも少なくとも自分のことをアホだと知っているアホですが。

     2013.10.28 Monday
最近は、ぼちぼち飛びながら、各国からやってきて町中に散らばって住んでいる20代の若者(主にインド人)を学校の三菱デリカでピックアップしてドロップオフしてわがままを聞いて医者を予約して1日で信じられないくらい汚れるキッチンを毎日ピカピカにして帰るというまったく報われない仕事をしていたかと思いきや、今週からは学校のサテライト飛行場であるウエストメルトンでの地上勤務と相成った。

DSC07101
ウエストメルトン。クラブハウスから。

辺縁系から。
なんというか、これは左遷だ。

ちなみに私のC-cat訓練の同期はすんなりと雇われてしんなりと週末の飛行業務に就き、はんなりとウエストメルトンに移ってきて、私はそいつの名前をパソコンに入力するという屈辱的な仕打ちを受けている。他の連中が飛ぶのはまだいいけど、同期が飛ぶのはストレスだ。こういう不平等っていうのは、大なり小なり誰にだって思い当たる節があるはずだ。出世競争において、もともと平等というのは幻想なんだから、どうやってサバイバルするのかを考えるしかない。これが「海外でパイロット」という美辞麗句の裏側だ。

エアラインにいってからもずっと続くんだろう、外国で働くっていうのはこういうことだ。だが、負けねぇ。やられたらやり返す、、、、はもう最終回終わったか。

DSC07096
8月入学生。今日こいつらが初飛行しました。オリエンテーションを担当した私が飛べれば良かったのだが。

視点を換える。
以上は私の中で主に脳みその奥の方から出てきた考え方だ。新皮質のほうでは、もう少し違う意見を持っているみたいだ。

WLの地上勤務っていうのは、飛行場のコントロールタワー、とまでは行かないけど、トラフィックの状況を常に見ている必要がある。地上からみて危ないと感じるオペレーションや、上手いなと感じる無線も逐一観察できる。タワー側の視点が見えると、パイロットとしての状況認識にも大きな影響が生じるだろう。実際、今日1日だけでも質的な変化が生じているような気がする。

また、このポジションは、リモート飛行場での地上責任者という立場だ。それがどんなに名ばかりでも、マネージャはマネージャ。これはやりよう次第で自分のキャリアにプラスになるだろう。エアラインにいくときの面接のネタが増えたというわけだ。名ばかりにするかどうかはこれからの自分のはたらき次第。今までだって、普通なら人が嫌厭するような汚れ仕事を逆手に取って、期待を上回ってみせることが私の働き方だったはず。いつもどおりやればいい。[1]

さらに、これが最も重要かもしれないが、Kiwiの社会で生きていく上で、彼らが何を一番重視しているかを知るいい機会になる。最近仕事をしていて思うのは、日本人が普通に考える仕事のクオリティというのは、彼らには基本的にオーバースペックであり、完璧主義の弊害をはらんでおり、瑣末なことに拘泥して自分の人生を台無しにするやり方、みたいに映っている(ように思う。)

上に述べたように、期待を上回ってみせるというのは確かに私の売りの一つだが、そもそも相手が期待していないのだから、驚きはあってもそれが期待したような評価につながらないことが多い。また、新しいものを作り出そうとするから、どうしてもリスクが大きくなる傾向がある。失敗が増える。だから、それより遥かに小さな労力でそこそこの結果を出し、つまらないミスをしない同期が評価されて、こちらは評価されないということがありうる。[2]よしんば評価されたとしても、それをもって相対的に優れていると判断される可能性は低い。「みんな同じくがんばってるね」といわれるわけだ。結局、こちらには不公平感、徒労感のみが残る。機嫌が悪くなる。かたや、さくっと飛んでさくっと帰り、しっかり寝てご機嫌で出勤するKiwi。


ぱっと見では、なんでアンタそんな不機嫌な顔してんの??ということになる。


だからといって私がKiwiのように働けばいいのかというとそれも違う気がする。この辺が今の私の課題。




1. その結果、ちゃんと評価されたり、物理的な利益につながったことはない。それは事実だ。損ばかりしているというふうにも見られる。知るか。よかったのか悪かったのかなんて、自分が死ぬときにはわかる。
2. 遥かに小さい労力で、普通の結果と、120%の労力で、すごい結果。「すごい」の程度によるけど、前者のほうが「効率的」とする見方もあるわけだ。
     2013.10.07 Monday
日が経ってしまって何が起こったんだっけという感じなのだが、雇われてから結構色々あった。

まずは、仕事を取った日の夕食。ずっと私を支えてくれた彼女が記念にワインを買ってきてくれていた!OLD COACH ROADはネルソンに行ったときに通った道だ。そこのワイン。辛口。これが格別だった。一緒に飲めない(酒飲めない)のが残念だけど、めっさうまかった。両親にもスカイプで報告し、喜んでもらった。ご心配かけました。ありがとうありがとうありがとう!!(((orz

IMG_0034
後ろにバスタオルと冷蔵庫。。。


そして、この記事でも書いた日本から来てくれたお客さんにインストラクターとして初仕事をさせていただいた。まさに滑り込みでギリギリセーフ。最初の2フライトをねじ込んだら、あとは強引に「私の担当」みたいな空気をつくって残り全てのフライトを引き受けた。最初のC-catというのはほとんど飛べないのが常なのだが、いきなり2週間で10時間以上飛ぶという荒技だ。私と飛びたいといってくださっているんだ、仕方ないだろう。Customer firstだっていつも言っていたじゃないか。

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これを自分のオフィスにする日がくるとは。。。[1]

このお客さんは、私が1歳のときに初飛行したという大先輩だ。そんな人に「教える」もなにも無いのだが、お金をもらう以上そんなことは言っていられない。何かひとつでも持ち帰ってもらおうとガストファクターの話やフラップが機体の安定に及ぼす話とか、基本的なことを中心にブラッシュアップした。着陸は私なんかより全然上手で、接地間際の高度の判定が完璧なので接地点を外さない。初めてのインストラクションということもあり、私の方が我慢できずに操縦桿に手が伸びるもそのままのほうが良かった、みたいなのもあった。そのおかげで、私がどこまでじっとしていて良いかのバッファを気付かせていただいた。優秀な学生さんでよかった。。。笑

この10時間は、私も学んだことがものすごく多かった。同じだけ還せたか分からないが、次にお会いするときもこの気持ちを忘れないようにしよう。うちの学校には、インストラクターだ!っつってふんぞり返っている人がたくさん居る。それもそれで一つのやり方だから、否定はしない。でも、私は違う。「学生と一緒に伸びてくインストラクター」という方向性を決めた10時間だった。

元々下手だったから、上手くなるための引き出しは割とたくさんありますよ。[2]



1. たとえ単発レシプロのうるさいコクピットでもね、自分がパイロットという職業で社会とつながった、つまり「プロ」パイロットになれたっていうのは私にとってものすごい出来事なんです。本当に目標だった。ファーストソロより嬉しいかもしれない。自社養成に落ち続けながら始めたこのブログ、最初の記事は2008年11月だから5年、、、時間かかったけど、やってよかった。
2. まだ下手だけど。



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2010パイロット訓練
2013インストラクター
2018エアライン

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