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     2019.01.29 Tuesday

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     2012.02.02 Thursday
先日、ランディング時のTH(滑走路端)からTDP(接地点)までの水平距離(Sa)を求める公式を教えてもらった。

Sa=S1+S2=ht/r+rV^2/2g(n-1)

どれがなんなのかは、本日の論点に必要のないことなので割愛する。わたしは、この数式を教えてもらって、その意味を理解しようと考えていた。わからないことが出てきて、考えて、府に落ちずに、また考えた。で、たどり着いた結論は。


「いくら数式でパスを求めたって、GO NOGOの判断まで持っていけなければただの机上の空論なのだろうなぁ。」

と。

基準を知っているというのは、もちろん大切な事だ。どんなパスを描いて地上に降りるべきなのか、目指すべきところを知っていて、それを目指してコントロールするパイロットと、闇雲に操縦桿とスロットルを動かすパイロットでは、もはや別の職業といって良いとおもう。


幾何学的に求めたパスと接地点というのはあくまでパイロットが目安として持っておく参考データだ。だいたい、離着陸の距離なんていうのは、チェロキーで言えばP-chartという公式な書類(厳密にはこれはCASO4という古い形式で、新しい飛行機はまた違うやりかたなのだが)で求めたものしか使えない。パスの研究なんてのは私にとっては面白いので、ついはまってしまうが、気を付けねばならぬ。

そういう参考にしかならないものに没頭するより大切な事は、どんな時もGOとNOGOを判断できる基準を持つこと。計算していることで満足していてはいけない。パイロットは学者ではなく、運航責任者であるからだ。気象学をいくら勉強しても、直ぐ目の前に見える雲にどう対処するのか。上に行くのか横に行くのか。どっちでもいいけどそれぞれの場合で気をつけることは何か。勉強するときは、今の知識が「GOとNOGOの判断」に活かされるときはいつだろう、と常に想像しながらやるべきだ。

ランディング・マニアックス
NZでは、数式でランディングのパスを求めるなんてことはしなかった。でも、実はNZで習ったことをしっかりと復習して自分のものにすることが、正しい努力なのではないだろうか。着陸に限れば、NZではノーマル、ショートフィールド、フラップレス(orパーシャルフラップ)と3種類の方法を習った。

さて、前述の数式が意味するところを翻訳すると、
・アプローチパスから円弧を描いてランディングパスにして、
・その円弧が滑走路と接した所が接地点だ。

ということになる。まてよ、よく考えたらこれはただのノーマルランディングの「Round out」と「Hold off」じゃないか。

・正しいパスを正しいスピードでやってきた飛行機が、滑走路端でパスを丸めて(Round out)
・着陸の姿勢のまま滑走路のすれすれを水平飛行して足が着くのを待つ(Hold off)。


考え方はどっちでもいいのだ。重要なのは、Go/NoGoの判断をしやすくなるようにコンセプトをつくること。それを、ただ計算しただけでなにか高尚なことをやった気分になってはいけない。表現が違うだけで、どちらも同じ事を言っているのだから。では、ここで、Go/Nogoの基準を作るというコンセプトにそって知識を当てはめたらどうなるだろうか。

着陸時のGo/NoGoといえば、Go Around(着陸のやり直し)だ。スタビライズドアプローチといって、旅客機はファイナルのある基準点までに一定の速度と降下率と姿勢になっていなければ、Go Aroundする。つまり、

・基準1.滑走路端でRound Outに移行する条件(正しいパスと正しいスピード)が確率しているか否か。

もう一つは、狙ったところに接地させられないとき。滑走路が足りなくなってしまってはいけないからだ。スタビライズドアプローチ(正しいパスと正しいスピード)でやってきた飛行機は、滑走路の端っこを決められた高度と速度で通過するはずだから、そこからの操作を毎回同じにすれば、同じ所に足がつくはず。具体的には、Round Outで3度ピッチを上げて着陸の姿勢にし、Hold OFF、降下率がいつもどおり(VSIをあわせていくには、パワーを使うだろう。つまり、パワーだけは日によって違う。)であれば、多少の風の変動があっても、決められた範囲に脚はつく「はず」。すべての状態がいつもどおりなのに、いつまでもいつまでも脚がつかない??それはものすごいTAIL(追い風)が入っているということだから、Go Aroundだ。

・基準2.Hold offを続けるか否か。

実際には、基準2.までいってGo Aroundしたら、読みが甘いことになるだろう。TAILが入っているかどうかなんてのは、もっと早くわかるだろうから。でも、知識を判断に利用するというコンセプトとしては正しいと思う。

狙ったところは狙いに行くのではなく、仮説をぶつけて結果を待つのだ。やり直すのはどこかを決めるのに、知識を使えばいい。







     2012.01.30 Monday
先日、北海道にある学校の見学に行ってきた。

大学時代につくったクレジットカードでコツコツx貯めたマイレージで高い羽田-函館路線に乗った。



30000FT イエーイ

普通、マイルには有効期限があるのだが、UNITED AIRLINEのカードはカードを利用した時点で有効期限が更新されるので、携帯電話の料金をカード払いにしておけば実質無期限でマイルを貯めることができるのだ。実際、一度も飛行機に乗って貯めたマイルはない。笑


さて、勢いで学校の予約を入れたはいいものの、よく考えたら冬の北海道などと。しかも今年は大雪だというではないか。行く意味あるのだろうか、と思ったが、よく考えたら夏の清々しい北海道を見たって訓練学校を決めるうえでいい情報は得られないのだ。よし、ここはあえて厳しい冬にいってこそ、、、



いや、力むな力むな。北海道だ。寒けりゃラーメンでも食ってそれなりに楽しめばよい。



授業を見学した後に、なんと、学校の方が172Pで10分くらいだけど飛んでくれて、五稜郭の上を一周してきた。日本のATIS(飛行場が音声で出している気象情報。飛ぶ前にラジオの周波数をあわせてこれを聞くのだ。)ってアメリカ発音でしかも声が微妙に陽気(と感じましたすみません。NZのはお経みたいに抑揚がない。)で聞き取りづらいこと。笑


函館空港DW

五稜郭に向かう途中、前からHACのサーブが4000FTから降りてくるって無線を入れてきて、気づいたら目を皿にしてトラフィック探していた。笑 


CITY上空1700FT 先手必勝!見敵必殺!!トラフィックはどこだ!!!

下を見ると五稜郭の見事な星型が!!でもサーブが気になる!!サーブにコンタクトしていた函館TWRがこちらにその旨を伝えてくるやいなやインサイトして、指でさしたらパイロットの方は「高度差があるので大丈夫ですよ」と。折角の遊覧なのにお客さんになりきれず。なんか損した気分。。。笑


五稜郭。星型で銃座からの死角を減らしている。


ふう。降りてきた。

函館というのは、なんとなくクライストチャーチに似ていると感じた。程よい規模。綺麗な景色。視程の良さ(?)ILSのある空港。笑 雪はあるけれど、北海道の他の地域に比べると、積雪は少ないそうだ。

授業もわりとしっかりしていると感じた。がっちりシラバスくんでやる感じではないが、教官もこちらにどんどん質問してくるし、自分からも聞けるし、その距離感はいいなと思った。難点としては、北海道という北国にあることで、冬季の訓練ができなくなる可能性が高いという点と、資金調達の目処(提携ローンなどはない)を立てるのが難しいということが挙げられようか。





ん?



旅行じゃないですよ。



あくまでも



学校見学が



目的であって。



断じて遊んできたわけではない!!


これからも学校見て回りますよー。









     2012.01.18 Wednesday
今朝、自分の机につき、パソコンの電源を入れてぼちぼち翻訳にとりかかるかー。というところで、ボスがひとこと。

「今日、エライさんが海外のお客さんと会議するんだけど、午後から通訳頼める??」


なんですとー。


翻訳すら未経験で入ったのに、会議の、しかも同時通訳だという。しかも準備はまったくなし。事前情報、全くナシ!

誤解している人がたくさんいるのだが、英語が喋れれば、通訳ができるというわけではない。やってみればわかるけど、聞きながら話す、というのは言葉を理解する能力とは異なるスキルだ。試しに、ニュースでもなんでもいいから話された日本語を、聞いたとおりに日本語でオウム返しにダーッと真似してみてほしい。意外と集中力を使うと思う。では、次にこれを15秒くらいのまとまった内容を聞いて、それをあとから思い出して同じように言う、という方式で同じように進んでいってみる。すると、自分がしゃべっている間に次に聞くべき15秒がかぶってくる。日本語ですらかなりの難易度だと思う。

そんなことができるわけがない。ということで、泣く泣くこう答えた。


「本当ですか、ぜひやらせてください!!」


いやー、怖かったけれども実際に通訳をするのは午後の私であって、午前中の、返事をしたときの私ではない。社員という身分をある意味保証された上で、通訳の経験ができるというのは、考えようによってはチャンスだ。テンパるのは午後の私に任せて、午前の私は「おっかないけど快諾する」という仕事をした。かわいそうに、午後の私。笑


会議は、普段社員が入れない「役員階」の会議室で行われた。マイクなどの装備は一応ある。内容は、インドからきたサプライヤーが、主に技術的な提案をするというものだった。私の他に、昨日、通訳として新しく入った同僚(こちらもかわいそう。事前知識全くナシ。)が一緒にやってくれた。ほどなくして、すさまじいインド訛りの英語が聞こえてきた。だが、なんだか懐かしい。ニュージーランドでたくさんインド人の友達を作っておいてよかった。その経験がなかったら、この発音にまずアレルギーを起こしてしまっていただろう。

同僚が20分ほどやり、(かなりうまい。事前知識なしでちゃんと日本語の文章になっている。)はい、私の番。通訳のコツは、全部やろうとしないことだ。落とすところは落とす。ただし、話のアウトラインだけは見失わないように。


見失わないように。




見うしな、、、



「。。。。。」



見失った。 orz



通訳が一番やってはいけないのは「黙る」ことだ。なんでもいいから喋らなければならない。だが、一度フリーズした脳みそを再起動するのは、のすごく大変だ。立て直すスキルは、ない。学科試験を受けただけで、フライトテストに臨むようなものだ。わかっていたことだが、これはまずい。

15分くらいねばっただろうか、恥を偲んで、交代をお願いした。


そこからは、私が同僚の補佐をするようにした。とにかく話されている英語をしっかり理解して文脈を掴み、同僚の集中力が落ちてきたところ(かなりがんばってもらって、だが 笑)で、私がベストを尽くす。その間に、同僚に回復してもらう。笑

数字が出てくるとまずい。数字は、ごまかしが効かないからだ。何度か黙ってしまったが、最後の方になるとランナーズ・ハイのような状態になって、とりあえず曖昧な日本語の文章をしゃべることができてきた。まぁそんなこんなが4時間。

終わった頃には、疲労困憊だ。こんなに集中力を使うとは。


まぁでも、楽しかった。そういえば、通訳者になるのも夢のひとつだったっけ。








     2012.01.07 Saturday
つけないのは、落ち着くからだ。真っ暗ではない。外から、いくばくかの光が入ってくる。

仕事から帰ってきて風呂につかっていると、頭のてっぺんが かぱっと開いて運動会の万国旗みたいにつながった思考がダダ流しになる。ダダ流しに流した思考の断片を眺めるでもなく眺める。これがことのほか気持ちがいい。面白いことに、昼間、頭にストレスがかかればかかるほど、面白い考えが浮かんでくるということだ。アイディアが出るのはリラックスしているとき、と良く言うけれど、この実体験からいうと、正月のように一日中ボーっとしていればいいわけではないようだ。


イスラム教徒が毎日、夕刻に祈りをささげるのもこんな気分なのかな、とふと思いついた。(ぐらいの振れ幅で思考が飛ぶ。笑)


毎日カッチリと働いて、一日の終わり決まった時間に、同じことを繰り返す。一日かけて頭の中で組み立てたものを、レゴブロックの箱をひっくり返すみたいにして方々にぶちまけ、ばらばらになったブロックの断片を眺めてみる。これはもちろん、まるっきり私の想像だが、コーランを唱えながら頭を地面にこすり付ける彼らの頭の中も、似たような感じになっているのではないだろうか。

彼らの場合はアッラーに、私はきれいな湯をもらえるということに感謝している。一日の終わりにそういうことがあるとわかっていれば、昼間に思い切って自分にストレスをかけて大きな仕事をすることもできよう。何かいやなことがあっても、あとでそれを開放できると知っていればいいだけの話だ。

もちろん、私にとっての風呂や、イスラム教徒にとってのお祈りが、人によっては音楽だったり、飲み物だったり、自動車のシートだったりするわけだ。思考を開放する瞬間を持っていることは、とても幸せなことなんだろうな。












     2012.01.05 Thursday
今日は仕事はじめだった。

正月リズムのあたまが午前中に眠くなり、眠気を覚ますために富士山の見える休憩室で一服していたら手の甲に熱湯をこぼして結果的に目が覚めた。寝耳に火傷である。

正社員の人たちは有給奨励日らしく、ほとんどいない。ウォーミングアップみたいな仕事だったが、翻訳の仕事をひとつ上げた。明日の仕事をもらって定時で帰る。今のところ業務負荷が少ないので定時で帰れる。仕事が増えても、定時で帰れるようにしよう。

帰宅途中に本屋に立ち寄り、家に帰って、うまい飯を食い、風呂に入る。熱い湯が出る。湯船につかりながら飛行機の着陸返し操作について考える。

なんと幸せな暮らしであることか。

パイロットとは関係のない仕事をしていることで、ほうっておくと心が焦りだすこともあったが、最近は少ない。「関係のない」と誰が言ったわけでもなし。まわりまわって「関係する」ようになるはずだ。少し考えればわかることだ。仕事で自分にがっちりとストレスをかけて、風呂の湯気でそれを開放しながら、飛行機について融通無碍に思考をめぐらす。自分の周りにあることすべてに感謝して、力を借りれば、うまくいかないことなんてないんじゃないか。

その気になればフリーザだって。。。










     2012.01.01 Sunday
あけましておめでとうございます。

今年は、いいパイロットになるための伏線を張る年、我慢の年である。来年はお金のかかる訓練が始まる。ひたすら貯金に励む。。。

そもそも何故、日本でパイロットになるための訓練費が高いのか。それは、飛行機を使うときの単価が高いからである。一時間当たり大まかに、事業用操縦士課程のセスナで5万、計器飛行証明課程のバロンで12万である。(繰り返すが、1時間あたりの値段である。)

日本の訓練学校に見積もりをとると、標準的な訓練時間と称して大体、事業用、計器飛行証明共に30から45時間を見込んでいる。これが10時間違うだけで100万円違う。だから、個人によっていくらかかるかは、ぜんぜん違ってくるだろう。よく日本での訓練は、1000万越えだ、といわれるが、それはそのぐらいの時間飛んだ場合で、だ。

この1年では、訓練の濃度を高める準備をしようとおもう。この準備次第で訓練費を見積もりの半額にすることも不可能ではないと考えている。パイロットの訓練というのは、頭の訓練、パイロットの仕事は、頭脳労働だ。訓練では、飛行機に「慣れる」ために飛んでいるわけではない。いつ、どこで、何を「考える」か、差がつくのはこの一点だ。

仮に、訓練時間を半分にできたら、500万になる。「そんなの不可能だ」と思うかもしれない。そうかもしれない。まぁできるかできないかは私が人柱になってやってみればいい。簡単じゃないか。笑

今年も目の前のことをひとつひとつやっていきましょう。











     2011.12.31 Saturday
私がニュージーランドで飛行機に乗ってきて、学んだことの中に、

上空で使えない知識には、穴の開いた長靴ほどの価値もない。

がある。

ニュージーランドの学科は量も多く、1000時間以上の授業があった。だが、各科目ごとに勉強した知識が上空でどれほど活用されたか。意識して活用していたか、となると、正直、個人的には5割程度ではなかったかと実感する。実際に学んでいたこと、知っていることが、上空で出てこない。意識はしていたが、飛んだことがない人間には、上空で使える準備と使えない準備の見分けがつかないので、一生懸命やればやるほどはまることもある。(私が、はまったクチです。orz)

誤解しないでほしいのは、はまることも、大事だということ。海外の比較的安い訓練単価だからこそ、失敗をたくさんできる。自分の魂に刻まれる失敗をだ。もう一度言うが、魂を削られるような失敗である。笑(←笑うな。)

だが、日本の訓練でこれをやると、非常にまずい、Try and Errorを繰り返すほど、お金に余裕がないからだ。という危機感から、最近はこんなことをしだした、、、





汚い落書きではない。マインドマップと呼ばれる方法で、フライトの段階ごとに関連する事象や行動を分類して、学科の知識を体系化し、上空で使えるようにしたい。最近思いついただけで、したがってこんな、画用紙に殴り書きした程度だが、手ごたえは、いい感じだ。ここから枝がどんどん放射状に分かれて、階層化する。

ちなみに、写真はPre Flight、つまり飛行前にどんな行動が必要で、それぞれにどんな知識が必要か、それを枝上に分けて階層化する。前者は、自分のとる行動別、後者は、学科の科目別に切り分けたが、どちらがいいだろうか、、、

訓練していないからって、空から降りたわけではないぞ。









     2011.12.22 Thursday
今から1年とちょい前。

海外での飛行機免許取得にあたり、ニュージーランドの訓練校と、アメリカの訓練校のどちらに行くのか、を決めた。

結局、ニュージーランドの学校にしたわけだが、訓練の質が良さそうだ、という主な理由のほかに、一定期間、海外で生活してみたいという副次的な理由もあった。訓練期間が最低でも1年と長いことは、金銭的にはデメリットだったが、この目的のためには好都合だった。なぜそんな目的があったのかというと、こんな風に考えたからだ。


日本にこのまま住んでいて、本当に大丈夫なんだろうか。。。


英語を使って世界で活躍したい!!などという就活サイトの広告みたいな動機があったわけではない。そんな能天気な台詞を口にするには、あまりにも年をとりすぎていた。私が今、話をしているのは、経済的に日本が破綻してしまう可能性のことだ。私は、割とリアルに、日本がデフォルトして、銀行に預けている生活資金がぶっ飛んでしまう事態を想像している。日本以外の国で暮らしていけるように、準備しておきたかったのだ。最低でも、自分と、その周りの人たちは守れるようになりたいなと。海外で1年生活して、帰国して、その思いはどんどん強くなってきている。


先日新聞を見たら、復興国債と銘打って、政府が国債を買ってくれる人を募集していた。1990年代のバブルのときは、明らかにおかしいことが起こっているのに、土地の値段は上がるという根拠のない判断でみんなものすごいレバレッジをかけて土地を買ったらしい。後から考えて、あの時代はどうかしていた、というのは簡単だろうが、今国債を買うのも実は同じことではないのか。なにしろ、50兆円もらって95兆円使うから、足りない分は借りてくる、というのを毎年繰り返しているのだ。そして、借金は今年度末で667兆円らしい。。。

財務省の資料。13ページがわかりやすい。

バブルに話を戻す。バブルは、はじけた。当たり前だ。そこから日本の経済はずっとデフレという植物状態だ。国債という人工呼吸器でなんとか心臓を動かして資金という血液の循環をとめないでいることができるけど、人工呼吸器には、「国民の貯金」と書かれた酸素ボンベが次々と運ばれてくる。海外からの酸素ボンベはほとんどない。

国中の酸素がなくなったら、どうするつもりなんだ。

後から見たら、明らかに破綻するってわかっていて、どうして何もしなかったんだろうね、と言われるかもしれない。「国が破綻する」というのは、簡単に言えば「明日から何も買えない。」ということだ。自分が銀行に預けたお金や、手元に持っている諭吉サンが、すべてぶっ飛んでしまうということだ。冷静に考えると、ものすごく怖い。飛行機の訓練のために何百万円も借金して、やっとこさパイロットになれたとして、そのタイミングで日本がデフォルトしたらどうしよう。。。

あ、でもそれなら何百万円の借金もその価値を失うからトントンか。給料も紙くずになってしまうのだろうが。









     2011.12.17 Saturday
金曜日の仕事帰り、同期のTAKAから携帯にテキストが入った。

「今東京、明日Jetstar Japanの説明会行ってきます!」

聞くと、そういうのが明日、羽田であるのだという。募集要項ではジェット機の経験がありかつ、コーパイで1500時間以上という「いつもの条件」に当てはまる人が対象のようだったが、説明会で話だけでもとTAKAが問い合わせたところ、問題ないとのことだったのでいくことにしたらしい。そうですか、ということで、私も行くことにした。


場所は羽田空港ターミナル内の会議室だ。昼過ぎの開始時間15分前に会場に行ってみると、80席ほどの部屋の半数が埋まっていた。結構年配の人も多い。この人たちみんなパイロットなんだろうかと感慨にふけっていると開始時間に。気づけば、部屋は満員。100人は居たと思う。こんなに転職したいパイロットの人がいるんだなー。


説明会が始まる。ジェットスターの軽い紹介をして、この後の展望の説明を受ける。A320を最終的に24機導入するらしい。訓練はA320のタイプレーティングとラインの訓練などを主に海外で行う。自前のシミュレータを持っていないので、持っているところで借りて行うらしい。場所は、メルボルンやクアラルンプールなどだ。全体で4ヶ月半。座学はCASA(オーストラリアの航空当局)基準のものを最初に行う。たぶん、グループの母体がオーストラリアだからだと思う。

給料の話になり、会場全体の空気が変わるのがわかった。みんなそこが聞きたかったのだろう。ちなみにコーパイはベース給料が600万円台で、50時間を超えると1時間単位で歩合が増えていく。通常月に70時間程飛ぶことになっているらしい。ボーナスも出る。年収で800万、よくて900万円くらいだろうか。機長は、ざっくりその倍弱、くらいだったとおもう。

身体検査や航空英語証明は自分もち。仕事ができる状態を維持するのは、パイロットの責任という立場のようだ。よって、A320のタイプレーティング費用も(現在のレートで160万円くらい)自分持ち。

NZのジェットスターに勤めている友人がいて、よく話をきいていた私には、別段驚くことでもなかったが、この話が出たとたんに部屋の空気の温度が2℃くらい下がったんじゃないかと思うくらいの「引き」を感じた。日本では、一度会社に入ってしまえば勝ちで、大変に恵まれた福利厚生や複雑な手当で会社がいろんなことをしてくれるのかもしれない。でも、海外の、それもLCCだ。

いや、LCCだろうが、フルサービスだろうが、従業員が会社にぶら下がれば、その重みの分、確実に会社は地面にめり込むのだ。それを風呂敷に包んだまま開けないでいるか、中身を取り出して振りかぶり、直球でぶつけてくるかの違いはあるが、起こっていることは変わらない。日本のパイロットのかたがたがどう受け取ったのか、想像の域を出ないが、私の感じる限り、彼らはギャップを感じていたように思う。彼らは、どう対応していくのだろうか。

私は、魅力的な条件だと感じる。しかも、会社を1から作り上げていく段階だ。そんなの、楽しそうじゃないか。訓練でオーストラリアにもいけるし、外国人と一緒にオペレーションもできるし、近距離の国際線もやるらしいし、最新鋭のジェット旅客機で日本の空を駆け回るなんて、本当に楽しそうじゃないか。

今回の採用は、募集要項にあるとおりジェット機に乗った経験がある人が対象だ。私やTAKAのように、プロペラ機だけ経験した段階の人間を雇うのはまだ先になりそうだ。実際に聞いてみたが、まだそこまでつめていないし、あるとしても就航後、社内の訓練体制が整ってからということになるだろうとのこと。具体的なアナウンスを待つしかなさそうだ。。。


その後も質問が相次ぐ。年金、退職金、交通費、エリミネートされたときは会社に残れるか、70時間本当に確保できるのか、、あの部屋に居た大部分の人たちの興味は、待遇についてのものであった。そういうことも、重要なのはわかる。彼らには、守るものが多く、私には少ない。だから、無理もないとおもう。でも、それだけなのか。それ「だけ」というのは、あまりにもさもしくないか、だって、彼らは、ログブック上は私の何倍も経験を持っているパイロットなのだ。私も、そうなるのだろうか。パイロットって、そんなもんか。


ふと、隣のTAKAを見る。ニヤニヤしている。

「まだJCABの免許すらない俺達が勝てるのは、『お金要りません』っていうとこだけかもね。笑」

わはは!確かに。














     2011.12.16 Friday
日本でパイロットになるために必要な資金を準備するために、パイロットとは違う職に就いたわけだが、自分の選択に対して不安がないわけではない。

私の場合は、年齢が気がかりだ。私の年齢では、自社養成で入った人ならすでに副操縦士でガンガン飛んでいる人だってたくさんいるだろう。昔あこがれていたF-15のパイロットでも、部隊に配属されて、やはりガンガン飛んでいるころだろう。彼らと比べて、ただでさえ出遅れているのに、ここへきて1年のブランクかと。そういう風に考えると、軽く絶望感にとらわれる。

戦略がないわけでもない。現在LCCと呼ばれる新興の航空会社が日本にどんどん進出しようとしていて、彼らが航空会社である以上、パイロットを雇わなければならない。まずは、旅客機の免許を持っている人たちを海外や国内の市場から調達するだろうが、海外のパイロットは割高だろうし、国内で旅客機を操縦することができる副操縦士というのは、絶対的に足りなくなる。今から2、3年後に副操縦士の卵が不足するんじゃない、、、

かなー。

だから、1年ブランクをあけるくらいでもしかしたらちょうどいいのかもしれない、、、

かなー。


これが当たるかどうかは問題ではない。そんなことは、考えても仕方がないことで、考えても仕方がないことは、考えても仕方がない。ただ、まったく見込みがない状態で暴走しているわけではないことを、披露したかっただけだ。

また、今の仕事も、パイロットと違うけれど自分のためになる職種を選んでそれに1年邁進する。また、仕事をやりながら、次の訓練を効率的に終わらせるための計画を練る。先に行ってくれた先輩に情報をもらって、できるだけお金と時間を有効に使えば、いいパイロットになれるはずだ。


私が視点を少しずらすだけで、なんだか実は1年ブランクをあけることが案外近道になるのでは、という気にさえなれる。重要なのは、目の前の状況への意味づけだ。そして、その中で最善の道筋をたてて、厳密に実行すること。面白いことに、その中で不安は常にあって、自信という感情と共存している。

与えられた材料の中で最高の料理をするだけだ。その点でブレたことは、一度もない。

















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プロフィール
2010パイロット訓練
2013インストラクター
2018エアライン

命を削って、キャリアを掴む。

ブログ移行しました。
2018年9月から、note.muに移行しました。詳しくは、最後の記事の本文を参照ください。

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