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プロフィール
Ash
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自分の「好き」を職業にするためにはどうすればいいのでしょうか。

私は、2008-2009年に国内航空会社すべてのパイロット訓練生(自社養成)試験に応募し、最終試験までいって、合格できなかった経験を持っています。試験は4次、5次試験まであって、何回も身体検査を受けて、仕事をしながら羽田や小牧や大阪や下丸子や京急蒲田におもむき、一部を除いて誰にも相談せずがんばりました。

でも、最後の最後でだめでした。

書類選考から考えれば、全体で数千人という応募者がいたわけです。そこから選ばれるために、何回もエントリーシートを書き直し、カバーレターを添えて、胃の裏側が焼かれるような思いで合格発表を待ち、1年以上の時間をかけてそれを乗り越えて、やっと最後まで来て、でもやっぱりだめ。これはもう、

「お前はパイロットになってはいけない」

ってことなんじゃないのかな。まるで絵のないジグソーパズルを、その形だけを頼りに1年以上かけて組み上げていって、最後の数ピースだけが合わなかったような感じ。どんなに角度を変えても、絶対にそれらのピースがぴったりとはまることはありません。航空大学出身か、航空会社の自社養成。このどちらかのコースに乗れなければ、日本で民間のパイロットになることは難しいのです。自費で免許を取るのにものすごくお金がかかる(1000万円以上)のと、就職先がないからです。

試験に落ちたことを知ったのは、会社の休み時間でした。その日の午後は、目の前のやらなければいけない仕事の一切が、とるに足らないことのようにみえていました。それでも、その日の昼休み、自分がグーグルに打ち込んだ検索ワードは、「海外 パイロット 自力」笑

そして、あるウェブサイトを発見したのです。そのサイトにある手記を読んでいるうちに、世界に色が戻ってくるのを感じました。

「自力で免許を取って、海外でラインパイロットになった日本人がいる。」

その方は、まだ日本人が一人もいない海外のスクールに単身で乗り込み、自分の持つ運と、資源と、想像力を最大限活用して信頼を勝ち取り、現在ニュージーランドで国内線パイロットとして活躍されています。その方の手記を読み終えて、私は一刻も早く、くみ上げたジグソーパズルをばらばらにしなければならないと感じました。

自社養成試験を受けているときから、うすうす感じていたのです。違和感があったのです。就職サイトに登録し、何千人といる応募者同士で「情報交換」をし、採用情報の発表を戦々恐々として待つことに。いつしか、パイロットの訓練生として選抜されること、数百分の1の確率で「選ばれること」自体が、目的となっていました。

やっぱり、違ったのです。

ほかの誰かではない、この自分をパイロットとして雇うことによって、航空会社に、社会に、国に、友人に、恋人に、家族に、そして自分自身にどんないいことがあるっていうんだ。そういうことを逐一説明することで、外国で、パイロットになった人がいる。なんてこった、一体自分は、今までなにをやっていたんだろう。

私はその方に即日連絡をとり、相談と検討を重ねました。そして後日、その方の母校に私も訓練生として入学することを決めました。


自分の「好き」を職業にするためにはどうすればいいのでしょう。


きっと、不安な頭でジグソーパズルを組み続けることが、唯一の方法なのでしょう。でも、もし、組み上げたパズルの最後の数ピースが合わなかったら、ためらいなくそれらをばらばらにすること、これが最も重要なことなのかもしれません。

私の「好き」は、「パイロット」でした。皆さんの「好き」はなんですか。



※ 上記エントリーのリンクは、ブログの「LINKS」の項にまとめてあります。
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2010パイロット訓練
2013インストラクター
2018エアライン

命を削って、ニュージーランドでキャリアを掴む
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